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魔法少女リリカルなのはA→S 第十話 ~Side FATE Ⅶ~

 お互いに、一歩も譲らない攻防が続いていた。
 レイリアは「イレイサーダガー」を次々と繰り出し、それをフェイトは発射体(スフィア)から魔法弾を一斉にではなく断続的に出してぶつけ、相殺する。
 だが、その他が決定的に違った。レイリアはその間にもアトロポス本体の剣でフェイトに攻撃を仕掛けていたが、フェイトの方はというと反撃に転じる事はなく、回避に専念していた。
 無理もない。「消失」の力はアトロポス本体にもその効果を与えていると聞いた。一度あの暗黒の剣がかすりでもすれば、その時点でフェイトは「消去」される。そうなれば全て終わりだ。だからこそフェイトは防御を捨て、攻撃と回避に専念する事にしたのだ。
 それに「消失」の力は物質系にも効果がある事はアトロポス本体に「オブレヴィオン・ナイフ」の効果が及んでいた事で立証されている。つまり、バルディッシュでアトロポスの攻撃を受ける事すら出来ないのである。ザンバーの刀身部分は魔力で作成された擬似刃なのでバルディッシュ本体にダメージはないが、代わりに刀身を形成している決して少なくはない魔力を一気に失う事になる。アトロポス攻略の作戦上、余計な事で魔力を失うのは避けたいところであった。

(『消失』の力を発生させる為の必要魔力はかなり高い。だけど対象の質量、魔力量に関係なく『消失』させる事が出来る……逆を言えば、質量や魔力量が極端に低くても消費される魔力量は変わらない)

 それがアトロポスの弱点であった。こちらはなるべく低い魔力の魔法弾を連発し、『消失』の力を使わせて相手の魔力を消耗させる。一度見た結界型の『消失』の効果を持った防御魔法は同時着弾の場合一気に消せるようなのでそこは注意をしなければならない。
 それに、さっきから戦っていて気が付いた事もあった。

(もしかして『消失』の力による防御は……自動発生型?)

 当初の予定では魔力を抑えた魔法弾はレイリアの魔法弾やアトロポス本体にぶつけて一度効果を無効化し、その隙にある程度魔力を込めた魔法弾を使って防御魔法を展開させ魔力を消費させる予定だった。
 しかし、たまたま通ったその最低限の魔力しか込めていない魔法弾すら、レイリアは「消失」の力を持った防御魔法で防いでいたのだ。彼女は聖王騎士団の騎士だったと聞く。当たっても殆どダメージのない魔法弾であることくらい見抜けないとは思えなかった。

(だったら、話は早い)

 ある程度魔力を込めた魔法弾を使う必要がなくなったのだ。魔力の消費量をさらに抑えられる。

(後は魔力よりも体力勝負。『リィンフォースマテリアル』の魔力を空っぽにしてからが本当の戦い……)

 そう判断するや、目にも止まらぬ速さで魔法弾を形成し、決して同時着弾にならないようコントロールに意識を集中する。
 なのはやはやてみたいな強力な遠距離攻撃をフェイトは持ち合わせていない。だが、近距離での攻撃力や操作性の高い魔法は二人に引けをとらない自信があった。

(大丈夫、私は、負けない……)

「私は、絶対に、負けられないから!」

「くっ!」

 初めてレイリア本人に魔法弾が命中した。防御魔法が消滅し、再形成する早さよりもフェイトの放った魔法弾の方が早かったのだ。

「くそっ、調子に乗るな!」

《Reinforce material Charge》

 アトロポスから上がるその声を合図に、レイリアがあの時と同じように球形の魔方陣に包まれる。

(来たっ!)

「往きなさい、血の道の案内人……ブラッディ・ガイドッ!」

《Bloody guide》

 そして、アトロポスに立ち昇った黒炎が二人の間にあった魔法弾をすべて飲み込み、それでも消える様子を見せないままフェイトめがけて襲い掛かってきた。

「バルディッシュ!」

《Load cartridge》

 フェイトもまた今度は避けようとはせず、バルディッシュに全カートリッジをロードするよう命令する。

(ここからは……賭けだ!)

「雷光一閃! プラズマザンバーブレイカァァァーッッッ!」

《Plasma zamber Breaker》

 カートリッジを全弾注ぎ込み、発射体(スフィア)もすべて電撃に変えた文字通りの一閃の雷光がレイリアのブラッディ・ガイドとぶつかる。

「んっ!?」

「くっ!?」

 激しい閃光が漏れ、フェイトは一瞬だけ目を閉じた。光が収まり、フェイトが目を開けた瞬間、その瞳に……大分小さくはなっていたが……戦慄を抱きかねない黒炎が飛び込んできた。

「――!」

 フェイトは思わずバルディッシュでその黒炎を受け止める。刀身部分に触れた黒炎はごっそりと魔力を奪われる感覚をフェイトに与え、ようやく消滅をした。

「うぅ……」

 バルディッシュはスタンバイフォームに戻り、魔力を大幅に失って立つ事もままならなくなったフェイトはその場に俯いて座り込んでしまう。

「あ、あはは、やるじゃない……『リィンフォースマテリアル』に残っていた魔力、全部注ぎ込んだのにそれを相殺するなんて……でも」

 こちらもまた荒い息を吐いているレイリアが、それでも余裕のある表情でフェイトへと近寄る。

「お互い魔力は空っぽ。お互い決めてのカートリッジとマテリアルを使い切った。だけどね、『アトロポス』は意外と切れ味がいいの。そして私、剣技には少しだけ自信があるのよ?」

 俯いたままのフェイトの目と鼻の先の位置で、アトロポスの切っ先を突きつけながらレイリアはその表情を歪めた。

「……私の勝ちね、さようなら」

 そして、振り上げたアトロポスをフェイトへと振り下ろそうとしたその時、フェイトは勢いよく顔を上げた。

《Load cartridge》

「何っ!?」

 バルディッシュがその声と同時に、再びザンバーフォームへとその姿を変える。

「……撃ち抜け、雷神!」

《Jet zamber》

 物理的破壊力を持つ衝撃波を放ち、次に形成した魔力刃を振るって斬りつける結界・バリア破壊効果を持つザンバーフォーム専用の斬撃魔法。それを躊躇する事なく、全力でレイリアに叩きつけた。

「く、くぅっ!」

 かろうじてアトロポスでその攻撃を受け止めるレイリア。だが、魔力が尽き「消失」の力が発動しない……つまり、ただの金属の塊に成り下がってしまったアトロポスに、魔力の込められたザンバーの勢いを止められる力などあるはずがなかった。

「『神具』よ、砕けろぉぉぉっっっーーー!」

「がっ……!?」

 予期しなかった攻撃とその威力に、アトロポスはついにその刀身を砕かれ、止まらぬ勢いにレイリアは声にならない声を上げ、後方へと大きく吹き飛ぶ。

「油断したね……私はただの一度も、カートリッジは六発しかもっていないなんて言ってないよ……」

 肩で息をしながらフェイトは小さく呟く。それと同時にバルディッシュのローダー部分から使用済みのカートリッジがひとつ転げ落ちた。
 前回の戦闘時に補填していた六発をすべて使っていたフェイトには、予備として支給されていたローダーひとつ分のカートリッジしかなかった。時空管理局と密接な関係にある聖王教会の騎士であったレイリアが、いまだその数の少ないカートリッジシステム搭載デバイス使用者と、その個人にどれくらいのカードリッジが支給されているのかを調べるのはそう難しい事ではなかっただろう。
 フェイトはそれを逆手に取った。聖を治癒してもらった時に、シャマルに一発分のカートリッジを作成してもらっていたのだ。
 後は完全に賭けだった。小さな魔力で作成した魔力弾でレイリアの「消失」の力を持った魔法弾を相殺し、焦りと苛立ちを募らせ、大技である「ブラッディ・ガイド」を何とか使用させる。それが出来ればカートリッジ全弾をレイリアの目の前で注ぎ込んで、それを相殺する。
 そして、魔力が空っぽになったと思わせ、不用意に近寄ってきたところを隠し持っていたカートリッジを使って倒す。フェイトに残された作戦の中で一番成功率の高かったものがこれだった。
 数分間、バルディッシュを構えたままレイリアの様子を確認していたが微動だにしない。どうやら気絶しているようだ。フェイトはザンバーモードを解除し、ふらつく足に喝を入れながら大急ぎで聖の元へ駆け寄った。

「お兄さん!」

 俯いていた聖の顔を覗き込み、顔色を確認する。決して血色が良いとは言えなかったが、取り敢えずは無事のようだった。

「フェイト、ちゃん……」

 フェイトの姿を確認した聖が弱々しい笑みを浮かべながらフェイトの名を呼んだ。だが、その声はどこか、震えている。

「お兄さん?」

 その様子に最初は小さな疑問を抱いたフェイトだったが、すぐに思い立った。

「……怖い、ですか?」

 年下の、妹のように可愛がっていた少女が、剣を携え、殺し合いと言っても過言ではない攻防を目の前で繰り広げていたのだ。
 それも、二回も。
 命の危機に瀕しながら、前回よりも、激しい攻防を。
 争いのない平和な世界で過ごして来た人間ならば、その様子に恐怖を抱いてもおかしくはない。
 その言葉を聖は最初否定するような顔で何かを言おうとしていたが、すぐに口を閉じて考える素振りを見せた。

「……うん、少しだけ、怖かったかな……フェイトちゃんが」

 当然といえば当然の言葉。だが、誰よりも聞きたくなかった相手からの言葉に、やはりショックを隠しきれなかった。

「……だけど」

「……え?」

「だけど、今のフェイトちゃんは怖くないよ。だって、いつものフェイトちゃんだから。物静かで自己主張が少なくて、だけど意外と頑固で負けず嫌いで、褒められるとすぐ赤面しちゃう照れ屋さんで、友達を大切にしていて、そして……笑った顔がすごく可愛い、そんな普通の女の子のフェイトちゃんだから」

 一瞬にして頬が染まるのが認識できた。そういう風に見てくれていた事が、すごく嬉しかった。

(ああ、本当に、この人には敵わないなあ)

 なのはのように、対等の立場での言葉ではなく。
 アルフのように、使い魔としての主を思う言葉でもなく。
 クロノやリンディのように、言葉にしない見守り方でもなく。
 言葉にして、そして優しく見守ってくれる、包み込んでくれる、そんな人からの言葉。
 それが、どれだけフェイトに勇気を与えてくれているかなんて、きっと聖は気が付いていないのだろうが。
 胸を詰まらせながらも微笑もうとしたその時、フェイトは気が付いてしまった。
 アトロポスを破壊したはずなのに、解除する条件を満たしているはずなのに、聖の胸に刺さっているそれが……消えていない事に。

《Absorb material Release. Vanish material Over drive》

「はあああぁぁぁっっっ!」

 機械的な声と、女性の声が辺りに響き、上空に影が浮かんだ。

「――っ!?」

 フェイトは咄嗟にバルディッシュを構え、影の攻撃を……レイリアと、アトロポスの攻撃を受ける。
 ……受け止めて、しまう。

《Delete》

 無慈悲な声が響き、バルディッシュは衝撃を受ける事なく、その半分を……消去されてしまう。

「……バル、ディッシュ?」

 斧をモチーフにしたバルディッシュの、刃の部分全てと、心臓ともいうべき宝石の部分の半分を失い、急速に魔力が分散されていく。フェイトのバリア・ジャケットさえも、もはや維持が出来なくなってしまったようだ。フェイトの服が、普段着のものへと戻る。ここまで破壊されると、自動修復機能も、もはや意味を成さない。

「バルディッシュ!? しっかりして、お願い!」

 ようやく現状を理解したフェイトがそう叫ぶが、バルディッシュはたった一言だけを残し……粉々に砕けてしまった。

《Breakdown……Good-bye, sir》


「どう、して……?」

 まだ自分が道を踏み外していた時からの、無口ながらも気丈で、ずっと自分を支えてきてくれた相棒の大破を……死を受け入れられないフェイトは、ただ呆然とそう口にしていた。

「簡単よ、賭けに出てたのはあんただけじゃなかったってだけよ。『湖の騎士』シャマル。前回の戦闘の時八神はやてがしゃしゃり出てきた時からこの可能性は考えていたってわけ。記録にある支給されたカートリッジとは別に、彼女に依頼して数発分のカートリッジを所持している可能性をね」

 フェイトの目前でさも嬉しそうに語るレイリア。その手には、刀身をなくし柄だけになったアトロポスが握られている。
 だがその刀身部分には、別の刃があった。戦いの時、いつもアトロポスの刀身を纏っていた、あの黒炎。それが今、剣の姿を象って刀身となっていた。

「アトロポス・オーバードライブ。これには発動条件が二つあってね、発動時に大量の魔力がある事、そして、鞘がない状態である事」

「……鞘?」

 意味が理解出来なかった。アトロポスが鞘に収められているところをフェイトは見た事がない。いつもその黒い刀身をむき出しにして出現させていたはずだ。

「あはは、呆けた顔をしちゃって。いいわ、教えてあげる。アトロポスはね、本来刀身がないのよ」

「……?」

(刀身が、ない? 何を言ってるの? ちゃんとあったじゃない、黒くて深い、暗黒の刀身、が……?)

 フェイトの視線が、レイリアが握っている今の状態のアトロポスに移り、そしてようやくその言葉の意味を理解する。
 その、まるで解放された事を喜ぶかのように燃え上がる、実体のない黒炎の刀身を。

「まさか……あの刀身自体が鞘だったっていう事なの!?」

 レイリアは笑う。そのとおりだと言わんばかりの満面の笑みで。

「あの刀身自身が『消失』の力を宿しているから本来は刀身に触れる事すら出来ないから鞘を外すのは無理。だけど『オブレヴィオン・ナイフ』を刺す事によって刀身の『消失』の力は中和されるの。まあ、それでも刀身自体が特殊な金属で出来てるからなかなか破壊できないんだけどね。それに下手をすれば鞘が外れる前に『アトロポス』の本体にまで効果が及んでそのまま消滅しちゃう可能性もあったわけだし。だからお礼を言わないとね。『鞘』を折ってくれてありがとう、って」

 それを聞いた瞬間、フェイトははっとする。
 レイリアは追撃を減らす為にアトロポスに『オブレヴィオン・ナイフ』を使用したわけではない。すべては、この時の為の……布石だったのだ。

「魔力……そう、魔力は!? 『リィンフォースマテリアル』に残っていた魔力を全部注ぎ込んだって言ってたじゃない!」

「ふ、ふふ……あはははははっ!」

 ついには声を上げて高笑いを上げ始める。そして見下すような視線をフェイトに向けながらアトロポスの柄の部分にある宝石を……マテリアルを指差した。

(! 宝石の色が、違う……!)

 前回の公園での戦闘の時も、アトロポスの「鞘」であった刀身を砕いた時も、その宝石の色は間違いなく漆黒の色をしていた。だが、今その色は……濃い、紫の光を放っている。

「マテリアルシステムはね、ひとつのマテリアルではなく複数のマテリアルを組み込んで使うのが本来の使用方法なの。アトロポスに組み込まれているマテリアルは三つ。『消失』の属性を与える『エレメントマテリアル・バニッシュ』、魔力補助の『リィンフォースマテリアル』、そして、技術補助の『トリックマテリアル・アブソルブ』の三つよ」

(アブ、ソルブ……確か……)

「吸、収?」

 ようやく、すべての合点がいった。

「私の魔法弾を『消去』すると同時にその魔力を『吸収』していたのね?」

「ええ。『破滅の神』は武神としても有名でね。『バニッシュ』の能力と『リィンフォースマテリアル』の絶対的な破壊力で敵を圧倒し、力が拮抗する相手には『アブソルブ』という奥の手を使って理知的な戦闘をこなす。こういう言葉を聞いた事がない? 『戦闘時においてもっとも油断をする時、それは勝利を確信した時である』」

「――っ!」

 理解してしまった。レイリアはわざとやられたのだと。
 自分の隙を誘う為に、わざと一度敗北した振りをしたのだと。
 もはや何も言い返す事など出来はしなかった。する気も起きなかった。
 バルディッシュを失い、魔力も使い果たし、奥の手も尽きた今、フェイトに残された手段などありはしない。はやての応援も、期待は出来ないだろう。
 今のフェイトにできる事、それは、

「お願い……私はどうなってもいい、何をされてもいい、だから……この人は……お兄さんだけは助けて! お願いだから!」

 自分のせいで巻き込んでしまった聖の命を助けてもらうよう、懇願する事だけだった。だが、

「くっ……ふっ、ふははは! なに言ってるの? あんたのお願いなんか聞くわけないじゃない」

 それすらも、レイリアは笑いながら切り捨てた。

「……何で、どうして! お兄さんは関係ないじゃない! あなたが憎んでいるのは私なんでしょ!? だったら好きにすればいい、もう逃げも隠れもしない、殺したければ殺せばいいじゃない! だから……だから、関係のないお兄さんまで巻き込まないで!」

 絶望に打ちのめされながらも、一人の大切な人の為に、フェイトは慟哭を上げる。その様子に、レイリアはその余裕の表情を変えた。

「がっ!?」

 腹部に強烈な蹴りを受け、フェイトは体をくの字に曲げて悶絶する。

「よくも言う、犯罪者のくせに。私から大切な人を奪ったくせに、自分の大切な人は助けて欲しい? ふざけるな、偽善者」

 怒りと、苛立ちと、憎しみ。そんな感情を織り交ぜたような顔で、レイリアは底冷えしそうな声で言い放った。
 そして苦しそうに呼吸をしているフェイトの顎を蹴り上げ、仰向けに倒れたところでその顔面を踏みつける。

「あっ、うぅ……」

 何とか逃れようとするフェイトだったが、その足を掴む手は弱々しい。

「安心しなさいよ、あんたは殺さないから。それ以上の苦しみを与えないと私が納得できないしね。だから殺すのよ、あんたの大切な人を。その方がよっぽどあんたに絶望感を味あわせられる。自分の無力感に永遠に苛まれながら、ね。あはは、考えただけでぞくぞくするわ!」

 狂ったように笑いながらレイリアは視線を移した。つられるようにフェイトもレイリアと同じ方向に視線を移す。

「あっ……」

 そこには、聖がいた。苦しそうに肩で息をしながら、這うようにこちらに向かってきている。
 その瞳に、いつもの優しげな光ではなく、ただ純粋な怒りを込めて。

「離……せよ、女の子の顔を踏みつけるなんて、最低……だぞ」

「無理しないほうがいいわよ。『オブレヴィオン・ナイフ』の効果であなたの『存在』はもう風前の灯も同じなんだから。無理をすればその分『消滅』が早くなるわよ?」

「うるさい、黙れ! 大事な女の子が痛めつけられるのを黙って見ていられるほど僕は人格者じゃないんだよ!」

「お兄さん……」

 恐らくその言葉に深い意味はない。だけど、こんな状況でも自分を思ってくれているその言葉が、涙が出そうなほどに嬉しかった。
 そんな様子を、当然ながらレイリアが面白く思うわけがない。

「……むかつく。あんたさ、この子が何をしてきたか知ってるの? この子ね、本来なら極刑ものの犯罪者なのよ?」

「――!?」

 聖の表情が変わった。信じられないものを見たかのような、驚愕の表情へと。それを見たレイリアの顔に、再び歪んだ笑みが浮かぶ。

「あはは、知らなかったんだ? そうよね、好きな人に自分の汚点なんか堂々と言えるわけないものね。でもね、それはずるいと思わない? そんな偽りの姿しか見せてもらえないなんて反則でしょ? だから、私が教えてあげるわ」

「やだ……やめて」

 必死で抵抗をするフェイトだったが、それをあざ笑うかのようにレイリアはフェイトを踏みつけている足に力を込める。

「嫌なの? 嫌でしょうね、確実に嫌われちゃうものね」

「ち、違……う」

 そう、違った。いずれはちゃんと話すつもりだった。もしそれで嫌われるのならば、甘んじて受け入れるつもりだった。それだけの罪を、自分は犯してしまっているのだから。
 だけど、それを他人の口から語られるのがフェイトにはどうしても我慢出来なかったのだ。いつも笑顔で、真っ直ぐに自分を見つめてくれていた人だからこそ、自分の口から、真っ直ぐに伝えたかった。それが、フェイトが聖にその事を黙っていた事に対する、精一杯の誠意だと思っていたから。
 だがそんなフェイトの心情など知りもしないレイリアは、淡々とあの事件の事を語り始めた。

「今から二年程前の話よ。この世界にね、『ジュエルシード』と呼ばれる捜索指定遺失物を巡る事件があったの。『ジュエルシード』には善悪関係なく願いを叶える力があってね、この子の実の母親、プレシア・テスタロッサは自分の娘を生き返らせる為にそれを集めようと、娘のクローンを作って手駒として収集にあたらせたの」

「……クローン、だって?」

「ええ、そう。この子はね、普通とは違う生まれ方をしてるのよ。プレシア・テスタロッサの本当の娘の名前はアリシア・テスタロッサ。この子は死んでしまったアリシア・テスタロッサの粗悪なコピー。フェイトって名前もね、その時プレシア・テスタロッサが関わっていたプロジェクトからとっただけの適当な名前に過ぎないのよ」

「あ……うぅ……」

 溢れそうになる涙を、懸命に耐えるフェイト。

「そうとも知らずにこの子は母親の願いを叶える為に、『ジュエルシード』集めの為に犯罪を起こした。『次元震』って知ってる? 下手をすれば世界そのものを飲み込んで崩壊しかねない危険な現象。それをね、プレシア・テスタロッサは故意に起こそうとしていた。たった一人の自分の娘の為に、数え切れない命を犠牲にしようとしていた。そして、この子はその手助けをしていたのよ」

「……それが、それが本当の事だったとしても、フェイトちゃんはただお母さんの為に一生懸命だっただけじゃないか! それに、あんたがフェイトちゃんを恨む理由にはなっていない!」

 当然とも言える聖の言葉を、レイリアは一笑した。

「……そのプレシア・テスタロッサの犯罪を阻止する為にね、次元航行艦『アースラ』から三十人の魔導師が彼女の住む空中庭園に乗り込んだ。だけど、高レベルの魔導師だったプレシア・テスタロッサに全員惨敗。五人の重傷者と十六人の負傷者、七人の軽傷者という被害を出して終わり。まあ、最終的には高町なのはとユーノ・スクライア、クロノ・ハラオウン、リンディ・ハラオウンの活躍によって阻止されたけどね。その時もこの子は最後まで母親の味方でいようとしていたらしいけど」

「……なのはちゃんやユーノくんも魔導師なんだ」

 フェイトやはやての事は前回の戦闘で知られたが、なのはやユーノの事はまだ言っていなかった。聖が驚くのも無理はないだろう。

「そして、その重症者の中に将来を有望視された一人の若い魔導師がいたの。その作戦の為に召集されたエース魔導師で……私の、たった一人の肉親」

 フェイトがはっとした表情に変わる。聖もまた黙ってその話を聞いていた。

「とても強くて、優しい自慢のお兄ちゃんだった。もうすぐ結婚をするはずだった婚約者だっていた。お兄ちゃんのようになりたかったから、私は騎士を目指した。だけど……その時の負傷が原因で一年という療養を医者から命じられた。でも、『俺の助けを必要としている人がいるから』って言って、傷が癒えないまま新しい任務に就いて、そして……そして!」

 そこから先をレイリアは語ろうとしなかった。だが、彼女の口ぶりから、その魔導師がどうなったのかは想像できた。

「残ったのは、半生は暮らしていけるようなお金と、お兄ちゃんを失った深い悲しみだけ! 婚約者だったお義姉ちゃんはね、ショックで授かっていた子供を流産した! それでも気丈に塞ぎ込んでいた私をずっと励ましてくれた! だから立ち直れたの! だけど、だけどね……」

 憎しみのこもった瞳をフェイトに向けながら、その顔を、背を、腹を容赦なく蹴り上げる。

「あぁっ、がふっ!」

「あはは、ぶさまな声ね、いい気味だわ! でも、これくらいじゃ気が治まらないわ! 私達からお兄ちゃんを、幸せを奪った張本人の人形のくせに、その犯罪に手を貸していたくせに、友達と新しい家族に恵まれ、才能に恵まれ、幸せそうにしている事が許せない! ましてや……お兄さん? 私からお兄ちゃんを奪っておきながら、そう呼んで甘えられる相手がいる事が、何より許せない!」

「う、うぅ……」

 フェイトは泣いていた。レイリアからの暴行で、ではない。過去に起こしてしまった罪が、ここまで重くなっていた事に対してだった。

「だからね、決めたのよ。『アトロポス』を授けられた時、最初はあんたを殺してやろうと思った。楽になんて死なせない、人である事を捨ててでも、醜く、残酷な方法で殺してやろうとした。だけどね、前の戦いの時、あの聖って男とあんたの様子を見て思いついたの。殺すだけじゃ足りないって……同じ目に合わせてやらなきゃ、気がすまないって!」

「――!?」

 雨のような蹴撃が止み、その身をバインドで拘束される。そしてレイリアはゆっくりと聖に向かって歩み始めた。

(レイリアと同じ目……? まさか!?)

「駄目! お願いだから止めてぇっ!」

 彼女がやろうとしている事に気が付いたフェイトは半狂乱になりながら必死で叫ぶ。

「無駄よ。こいつには『オブレヴィオン・ナイフ』を刺している。どういうわけか効き目が遅いけど、間違いなく確実にこいつは『消滅』に向かっている。だから、消える前に……あんたの目の前で痛めつけて、自分の無力さを叩きつける。そして消失する瞬間を目の前で見せて……絶望の淵に陥れてやる!」

 ゆっくりとアトロポスを聖に突きつけるレイリア。

「嫌ぁっ! お兄さん、お願いだから逃げてぇっ!」

 だが、フェイトのその叫びも、レイリアが突きつける剣も、まるで聖には感じられていないかのように、鋭い眼光でレイリアを睨んでいるだけだった。
 その様子を不思議に思ったのは誰でもない、レイリア本人だった。

「怖くないの? 私は今からあんたを殺そうとしているのよ? それも楽な死に方じゃない、考えられる限りの苦痛という苦痛を与えて、最後にはあんたの存在自体を消そうとしている。家族も、友達も、あんたの存在なんか忘れて楽しそうに残りの時を生きていくの。まあ、あの子だけは消えないよう調整してるけどね。それでもいずれ自分の記憶と回りの記憶の違いに耐えられなくなり、発狂するか死を選ぶか、それとも流されてあんたの事を忘れて生きるか……どれにしろ、まともな精神状態じゃなくなるわよね。それが凄く……楽しみ」

 恍惚の表情を浮かべながら魔法弾を形成し始めるレイリア。アトロポスで斬りつければその瞬間、聖の存在が『消失』してしまう為だ。痛めつけるには、アトロポスの力は使えない。

「そうね、まずは……右腕。何か大切にしているみたいだしね。未練が残らないよう吹き飛ばしてあげるわ」

「――!?」

 その言葉に聖よりもフェイトが反応を示す。それをちらりと盗み見たレイリアは確信したのか、魔法弾の標準を聖の右腕にセットする。

「恨むならあんな子に肩入れした自分を恨んでね。それともあの子自身を恨む? そうね、ここであの子の散々侮辱すれば気が変わるかもよ? さ、ほらほら」

「……な」

 それまで沈黙していた聖が、何か小さく呟いた。

「何? 聞こえないわよ、もっと大きな声で言いなさいよ」

「……ふざけるな、偽善者はお前の方じゃないか!」

 その瞬間、空気が変わった。半狂乱になって叫び続けていたフェイトは驚いたように沈黙し、レイリアは歪んだ笑みを浮かべていた顔を引きつらせる。

「さっきから聞いてれば勝手な事ばっかり言いやがって! あんたはただ単にお兄さんを失って、その怒りの捌け口をフェイトちゃんに向けているだけじゃないか!」

「!? 何を知ったような口を! 確かにあの事件が直接の原因じゃない。だけど、それが一端を担っているのは明らかじゃない! なのにあの子はのうのうと生きている! 許せると思う!? 私達は大切な家族を失ったというのに!」

「失ったのはあんただけじゃないじゃないか! 犯罪に手を染めてしまうくらい愛していた母親を、フェイトちゃんは失っている! あんたさっき自分で言ったよな、最後まで、母親の味方でいようとしたって! それくらい愛していた相手を失って、平気でいられるわけないだろ! それにあんたはどうなんだよ、最後までその『お兄ちゃん』の味方でいようとしたのかよ!」

「ふざけないで、当たり前じゃない! そうでなかったら傷が癒えないままのお兄ちゃんを見送ったりなんかしなかったわよ!」

「見送ったんじゃないか! 『魔導師』としてのお兄さんが好きだったから、見送ったんだろ!? 自分の意思で、自分の判断で! そして死んだ、あんたが好きだった『魔導師』としてのお兄さんとして!」
「そうよ! だから許せないんじゃない! この子が、こいつらがお兄ちゃんを殺したも同然よ!」

「いい加減気付けよ! 『お兄ちゃん』を殺しているのはお前じゃないか!」

 再びレイリアの顔が引きつる。

「あんたが好きでいてくれたから、お兄さんは『魔導師』として最後まで生きようとした。そして死んだ。『騎士』を名乗った事があるのなら分かるだろ、自分の志を突き通す事の難しさと、強さを。あんたのお兄さんは突き通した、立派な『魔導師』なんだと、事情を知らない僕でも分かる。同じ男として尊敬すら出来る。そんなお兄さんの生き様を、無様な復讐で汚しているのは、殺しているのはあんたじゃないか!」

「……黙れ」

「フェイトちゃんを見ろよ! 確かに罪を犯したかもしれない。だけど、今はこうやって僕を助けに来てくれている。僕だけじゃないんだろ? フェイトちゃんは他にも、たくさんの人を助けてきて、これからも助けようとしているんだろ!? 自分の犯した罪を、たくさんの人を救う事によって償おうとしている。あんたのお兄さんの分も! だからみんなフェイトちゃんに惹かれるんだ。なのはちゃんは知ってるんだろ? フェイトちゃんが罪を犯した事を。なのはちゃんだけじゃない、はやてちゃんも、ユーノくんも、リンディさん達も! だけど、みんなフェイトちゃんを犯罪者として見てなんかいない、友達として、家族としてちゃんと見ている! それはフェイトちゃんが自分の志を貫いているからだ! 僕だってそんなフェイトちゃんだったから好きになれた、友達になれた。普段のフェイトちゃんを見てきたから、さっきの話を聞いても、僕のフェイトちゃんに対する思いは変わらない! だからはっきり言える、間違ってるのはあんただって!」

「黙れと言っている」

「黙るものか、何度でも言ってやる! フェイトちゃんを侮辱しろ? ふざけるな! 必死で生きているフェイトちゃんを貶すなんて、彼女を知っている人間ならばそんな事出来るはずないだろう! 僕はそんな奴がいるなら軽蔑してやる! だってフェイトちゃんは、強くて、優しくて、意外と頑固で、照れ屋で……何よりすごく頑張り屋な、そんな、守ってあげたくなる可愛い女の子だ。お兄さんの志を理解出来ず、ただ復讐に走る事しか出来なかったあんたとは違う!」

「黙れっ!」

「もう一回言ってやるよ! お兄さんの志を殺し、その責任をフェイトちゃんに押し付けているあんたは……最低最悪の、偽善者だよっ!!」

「だまれえええぇぇぇっっっ!」

 『騎士』だったからこそ、聖の言う事が正しいと理解し、だが、今更それを認める事など出来はしないレイリアは、アトロポスを起動させて聖に振り下ろす。
 聖は目を逸らそうとしない。まるで、自分の言った事を突き通すかのように、その剣の切っ先を見つめている。

「やめてえええぇぇぇっっっ!」

 唯一、必死で叫ぶフェイト。そして、フェイトの叫びと聖の志に答えるかのように。

――残酷なる神は奇跡を起こしてくれたようだった。

《Spell breaker》

「な、に?」

「え?」

 呆けたような聖とレイリア。そしてそれはフェイトも同じだった。
 聖の前に、一本の「杖」が、唐突に姿を現したのだ。
 正確には、「槍」というのが正しいかもしれない。フェイトがそれを「杖」だと感じたのは、その形状がなのはのデバイス、「レイジングハート」のエクセリオンモード時のそれに似ていたからだった。
 大きな違いといえば、全体の色が青を規準にしている事と、宝石の部分が一回り大きく、白い事、その周囲に六つの穴が開いている事だろうか。
 だが、何より驚くべき事は、レイリアの持つアトロポスを受け止めている事だった。

「な、何で『消失』しないの!?」

 今まで絶対的な破壊力を放っていたアトロポスの現状に、レイリアは驚きを隠せないでいるようだ。一度剣を引き、後方へと飛びのく。

「……起動、完了。マスター、確認。マスター、この言語をご理解お出来でしょうか?」

 流暢な日本語で語りだすその「杖」に、その場にいた全員が驚愕の表情になる。

「に、日本語お上手ですね」

「ありがとうございます、マスター」

「……あの、聞くまでもないかもしれないけど……マスターって、やっぱり僕の事?」

「はい、我の創造主(マイスター)にして、我を唯一扱う事の出来るご主人様(マスター)。遥か遠き過去の時代より、遥か遠き未来の時代まで、それが変わる事はあり得ません」

「そ、そうですか……」

 取り敢えず、一番混乱しているのはこういった魔法技術に慣れていない聖のようだった。「杖」の言葉に、半笑いを浮かべながらただ頷くだけだった。
 そして、恐らく一番冷静だったのはフェイトだろう。

(もしかしてあれって……デバイスなの? それじゃあ、お兄さんは……)

「マスター、あなたに二つの道を、我は示します」

「二つの、道?」

「ひとつは、我の目覚めをなかった事にして、再び封印する道。現在マスターの置かれている状況は変わりませんが、我はこちらをお勧めします」

「どうして?」

「我を封印したのはマスターだからです。『時が来るまで、眠っていて欲しい』と。まだその時は来ておりません。マスターにはある特別な力があります。それがある限り、マスターが『死』を迎える事はありません。問題は……ありません」

「二つ目の道は?」

「……我の封印を解く事です。我を手に取れば、そうすれば、この現状を打破する事など、造作もありません。ただし、今マスターが持っているもの、その全てを捨てる覚悟があるのならば、の話ですが」

「………」

 聖は少しだけ、沈黙をする。

「……一つ目の、道だけど。『特別な力』ってやつ、それってやっぱり対象は僕だけだよね?」

「はい」

「だったら答えはひとつしかないよ」

 満面の笑みを浮かべて、聖は……「杖」をその手に取った。

「起動認証、確認。『エターナル・ジェネシス』、起動」

 その瞬間、聖が光に包まれる。その光量に耐えられず、フェイトとレイリアは瞳を閉じる。
 そして、光が収まると同時に瞳を開いたフェイトの目に映ったのは、美しいまでの青空に変わった空と、

「え? あれ……お兄さん、なの?」

 その空のように青い服と、そこに浮かぶ雲のように白いマントを身につけた一人の青年の姿だった。
 聖は呆然と自分を見つめているフェイトに微笑むと、「杖」を地面に置き、右の手の平を空に向け、瞳を閉じる。

「……クリエイトマテリアル・『リカバリー』」

 そう呟くと同時に、その手に緑色の小さな宝石が姿を現した。瞳を開いた聖はそれを左手で摘むように取ると、フェイトの前まで移動し、右手で軽く触れた。

「あっ……」

 すると途端にフェイトの動きを封じていたバインドが解除される。
 次に聖は黄色の破片が……バルディッシュの破片が散らばっている場所に、その緑色の宝石を置いた。
 すると、信じられない現象が起こる。その宝石が、バルディッシュの破片をその中へと集め始めたのだ。そして、すべての破片を集めると、その色と形状を変化させる。
 黄色の、三角形をした、フェイトの愛機、バルディッシュへと。
 聖はそれを拾うと、フェイトの右手を取り、その手の平にそっと乗せる。

「バル、ディッシュ?」

 緊張した面持ちで、フェイトはその名前を呼んでみる。すると、

《Yes sir》

 答えた。寡黙な声と、短い言葉。間違いなくあのバルディッシュだと、フェイトは確信した。

「……バルディッシュ! 良かった……」

 涙を流しながらバルディッシュに頬刷りをするフェイト。その様子を微笑ましそうに見つめていた聖だったが、おもむろに表情を真剣なものへと変え、立ち上がる。

「お兄さん?」

 不思議に思いながらも聖の見つめる先に視線を移すと、そこにはいまだ戦意を失っていないレイリアが立ち塞がっていた。

「……バルディッシュ、いけるよね?」

《Yes sir. Get set》

「……いや、大丈夫だよ。フェイトちゃんはしばらく休んでて」

 だが、立ち上がろうとしたフェイト聖はやんわりと制する。

「で、でも……」

「いいから。一応、男なものでね、少しは好きな子に格好良いところを見せさせてよ」

 そう言ってウインクをすると、聖は意識を完全にレイリアへと向けたようだった。

「……エターナル・ジェネシス、マテリアルオーバードライブ!」

《Element material Genesis, Reinforce material, Over drive》

 その言葉を合図に地面に置いていた「杖」が聖の手に移動する。そして杖にある穴に白い宝石と透明な宝石がひとつずつ姿を現し、聖の周囲に魔方陣が展開した。
 レイリアと同じく、術者を包み込むような球型をした立体の魔方陣が。
 それが「杖」に吸い込まれるように消えると、聖の背に三対、六枚の羽が現れる。
 今度のはははやてのそれにそっくりだったが、まず大きさが一回り大きいものだった。色も、一番下の羽は同じように黒かったが、真ん中の羽は青、一番上の羽は真っ白だ。

「……白、青、黒の三対六枚の羽? まさか……こいつも……このお方も、『神族』だというの?」

 一方、レイリアの方は明らかにその表情を青ざめている。まるで、何かに怯えるように。

「……レイリア・シュトゥール。フェイトちゃんを傷付けた事、後悔させてあげるよ」

 聖はそれだけをレイリアに言い放ち、「杖」を振るった。

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 聖、覚醒w ご都合主義だと言われても、この展開にしたかったんですww
 さて、覚醒した聖の強さはいか程のものなのか、それは次回で公開ですw
 ……ぶっちゃけると、聖の強さは反則ものですw

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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