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魔法少女リリカルなのはSS ラブリー・マザーズ

 最近、エリオとキャロの態度がどこかよそよそしい気がする。それがここ最近のフェイトの目下の悩みだった。
 古代遺物管理部「機動六課」が解散して早一月……フェイトは義兄であるクロノが艦長を勤める次元航行艦「クラウディア」に所属する執務官として、補佐であるであるシャーリー、そして四月から新たに補佐として付けたティアナの二人と共に機動六課の時とは違う忙しさに見舞われていた。
 フェイトが保護責任者を買って出ているエリオとキャロも、以前キャロが所属していた第六十一管理世界「スプールス」の管理局自然保護隊へと揃って移動となり、なかなか会えないながらもよくメール等で連絡を取り合っていた……のだが。
 ここ最近、どうもリアルタイム通信の時に二人とも前途の通りどこか態度がよそよそしいのだ。「どうかしたの?」と聞いても二人とも「何でもありません」と答えるだけでその理由に関しては語ろうとしない。
 二人の事だし特に心配はしていないのだが、やはり甘えさせたがり……というより母性本能が強すぎる傾向のあるフェイトとしては、一抹の寂しさをどうしても拭えないのだ。

(子煩悩……かなあ?)

 年齢的に流石にまだ二人を自分の「子供」と称するのには抵抗が無いでもないが、そう表すのが一番しっくりくるのも確かである。よく知り合いから「フェイト(ちゃん)は実子が出来たらどうなるか怖いよね、主にその子の将来とか」と、特に義兄と無二の親友であるなのはからはそう言われてからかわれていた。そしてそれを否定出来ない自分が少々情けなかったが、可愛いものは可愛いのだ、しょうがない。エリオやキャロ、今はなのはの養子となったヴィヴィオの時ですらそのフェイトの子煩悩ぶりは有名だったのだ。実際に自分の子供が出来たら……想像するだけで頬が緩みそうになる。相手がいないのでいつになるかは不明だが。
 取り敢えず、そんな感じで少々落ち込んでいたフェイトが気分転換に買い物でもとミッドチルダの首都クラナガンを闊歩していたところから、物語は始まった。


「あれ? あそこにいるの……ヴィヴィオとユーノ?」

 人通りの多い繁華街。その中でこの二人を偶然にも発見出来たのは奇跡と言っても問題ないだろう。

「いつもはなのはも一緒なのに……珍しいな」

 なのはとユーノは幼馴染であり、ユーノはなのはに魔法の基礎を授けたという事もあって二人はフェイトが思わず羨んでしまうほどに本当に仲が良い。二人の事を知る人間の間では「二人がくっつくか?」ではなく「いつごろくっつくか?」という賭けが流行っているとか、元締めははやてだとか何とか。まあ無限書庫の若き司書長と空戦のエース・オブ・エース、よく一緒にいるとなればそんな噂が立つのも必然だろう。本人同士はのほほんとしたものではあるが。
 で、その空戦のエース・オブ・エースの娘……ヴィヴィオもまたユーノに懐いており、なのはが仕事でいない時は無限書庫の方に入り浸っているようである。だからユーノとヴィヴィオが一緒にいてもなんら不思議は無いのだが、その中になのはの姿が無いのは少々珍しい光景であった。
 しかし、ここで見つけたのも何かの縁である。挨拶くらいはしておくべきだろう。特になのはがいない今なら、ヴィヴィオを甘やかしても文句を言う人間はいない。ユーノはなのはの教育方針を知っているから苦笑はするが、特に何か言ってくるわけではないし。
 エリオのキャロの一件で母性本能の発散先がないフェイトにとって、今のヴィヴィオは格好の獲物……もとい、可愛がる対象である。ああ、早く抱きしめて頬刷りしたい、あの屈託の無い満面の笑顔を向けて欲しい……そう頭の中で叫びながら恍惚の表情を浮かべている今のフェイトの姿は、「怪しい」の一言がしっくり来た。
 が、そのゾンビのような足取りでユーノ達の元に近寄ろうとしていたフェイトの足がふいに止まる。その後方にいた人物の姿を見て思わず固まってしまったのだ。
 サングラスと暖かくなってきたこの季節にコートを着込んでいる、栗色の髪をサイドアップにしている人物の姿を見て。

「……あの、なのは? 何をしているの?」

「ふえええぇぇぇっ!?」

 そっとなのはの後方に近寄ってそう声を掛けると同時に、なのはは文字通り飛び上がって驚いた。

「フェ、フェイトちゃん!? どうしてここに!?」

「あの、それは私の台詞なんだけど……」

 普段は今後をつけている二人の横に並んで歩いているはずなのに、どうして今日はこんな行動を取っているのだろうか、しかも逆に目立つ変装までして。

「なのは、ストーカーは立派な犯罪だよ?」

「ストーカーじゃないよっ! えっとね、あの、実は、その……」


「ユーノくんとお買い物?」

「うん。明日ユーノくんと一緒にクラナガンでお買い物するのー♪」

 前日の夕方。ホームキーパーのアイナが作っておいてくれた夕ご飯を一緒に食べながら仲良く会話をしていたなのはとヴィヴィオ。その会話の途中でヴィヴィオがなのはに唐突にそう告げたのである。

「なのはママは一緒じゃなくてもいいの?」

「うん。なのはママ、明後日までお休みなんだよね? ゆっくりしていていいよ」

 確かにそうなのだが。これは普段仕事が忙しくてヴィヴィオに構ってあげられない事への罪滅ぼし的な意味で取った連休なのだから彼女がいないと意味を成さないのだが。
 しかし仕事を理由に家事はホームキーパーであるアイナに任せきり、ヴィヴィオも今彼女が通っている魔法学院での友達とユーノに頼りっぱなし。そんな母親を恨む事なくむしろ気遣う様子を見せるヴィヴィオは間違いなく良い子だ。その心遣いを無駄にしたくはない。何より楽しそうに「明日はどこに行くのかなー?」と語りかけてくるヴィヴィオの表情を見て「それより明日は一緒に遊ぼうか?」などとは言えない。それに約束を破るような子にはしたくないし。
 そんな思考が頭の中で繰り広げられ、口から出た言葉がこれだった。

「そう。ユーノくん迷惑掛けちゃ駄目だよ?」


「……で、今日はゆっくりするはずだったのに、何で二人の後をつけるような事になったの?」

「だ、だって心配だったんだもん!」

 涙目で叫ぶなのはに、フェイトは苦笑を浮かべるしかなかった。

「だったら一緒にお買い物に行ってきたらいいのに」

「で、でもせっかくヴィヴィオが休んでいいよ、って言ってくれたんだし……」

「ヴィヴィオだってなのはが一緒の方が嬉しいに決まっているよ。ユーノも喜ぶんじゃないかな?」

 少なくとも邪険にする事は絶対にないだろう。それになのはに便乗して合流すればヴィヴィオを抱っことか出来るし……などとちゃっかり自分の都合も組み込むフェイトであった。

「……うん、そうだね。よし、それじゃあ突げ……き?」

 意気揚々とユーノ達のところに駆け出そうとしたなのはだったが、三歩ほど歩いたところでその足を止める。

「なのは? どうかした……の?」

 なのはの様子を訝しげに見ていたフェイトも、なのはの視線の先にあった光景を見て思わず硬直する。
 そこには、ユーノとヴィヴィオの二人と楽しそうに談笑している……はやての姿があった。


「……で、そのまま合流。三人で人通りの多い週末の繁華街を闊歩中……と」

 結局そのままユーノとヴィヴィオ、プラスはやての後をつけることにしたなのはとそれに便乗することにしたフェイトは、ばれないよう最大限の注意を払いながらその様子を観察していた。

「うぅ……どうしてはやてちゃんが」

「まあ、なのはの幼馴染みイコール私とはやての幼馴染みでもあるわけだしね。ある程度どんな人間かは知っているし……私から見てもユーノは好青年だと思うし、一緒に歩いてて嫌だと思う人間じゃないのは確かかな?」

「……フェイトちゃん、まさか」

「あくまで私的な評価をしただけに過ぎないよ。ユーノは嫌いじゃ無いけど、そういう対象で見た事はないから」

 苦笑しながらフェイトがそう呟くと、なのはは小さく息を吐いていた。恐らくその行動の意味自体を、なのは自身は理解していないだろうが。

「それにしても……こうして見ているとあの三人、ちょっと若い夫婦に見えちゃうね」

 フェイトに悪気はまったくない。先程のようにただ私的な評価を下しただけである。だがその瞬間、なのはの顔が一気に引きつった。

「あ、あはは、やだなフェイトちゃん。流石に二十歳になったばっかりの二人と六歳くらいのヴィヴィオじゃ兄妹が関の山……」

 そう呟きながら三人の方に視線を戻したなのはは……硬直した。ヴィヴィオを真ん中に、両側から挟むようにその手を握っているユーノとはやて……その姿はどう見ても仲の良い家族の絵です。ありがとうございました。
 いくらなのはでも流石にそろそろ暴れ出さないか気になったフェイトはそっと視線を移す。すると、

「あ、あれ?」

「どうしたのフェイトちゃん?」

 何故か満面の笑みを浮かべているなのはの顔を見て、思わず呆けてしまう。

「い、いや、何でもない……」

「そう? あ、ユーノくん達十字路を左に曲がった。急いで追いかけよう」

「う、うん……」

 走り出したなのはを追いかけようとして、ふとなのはが隠れていた自動販売機が目に入る。

「………」

 そして、角に手で握り締めたような見事な跡が残っているのを見て、思わず背筋が凍ったフェイトであった。

(な、なのは実は滅茶苦茶怒っている?)


 三人が向かった先、そこは……、

「……スーパー?」

「……だね」

 そこは、ミッドチルダでは知らない人間はいない程有名な、全国に展開されている大手スーパーであった。

「そういえばヴィヴィオ、買い物があるって言ってたような……」

「スーパーで? 確かに大きいところだけど、扱っているのは九割食料品や日用雑貨だよ?」

「そうなんだよね……ヴィヴィオが欲しがりそうなものなんてないと思うんだけど」

 二人が首を捻っている途中も、三人は何やら楽しそうにスーパーの中を歩いていた。どうやら食料品がお目当てのようである。

「何話してるんだろ……フェイトちゃん、読唇術とか使えないの?」

「この距離だと正確なのは期待出来ないけど、いい?」

「いや、出来る事に素直に驚きなんですけど……」


「これで全部かな? ユーノくん、確認してもらえるか?」

「えっと……ああ、うん、大丈夫。全部入ってるみたい」

「はは、了解や。しっかし、子供のお世話ってやっぱり大変やね。恥ずかしながら、うちもリィンが出来た当初は大変やったわ」

「あはは、うん、そうだね。正直なのはには驚かされたよ、忙しい中でもちゃんとヴィヴィオの送り迎えとかしているし。こう言っちゃヴィヴィオに悪いけど、僕はヴィヴィオのバイタリティには正直付いていけてないし」

「ユーノくん、あんまり運動得意じゃないの♪」

「あはは、ヴィヴィオはうちと同じで運動好きなんや? そこはなのはママと違うんやな」


「えっと……これで全部……ユーノくん確認……大丈夫全部入って……子供……恥ずかし……大変……出来た……なのはには……悪いけど……運動……?」

「ちょ、な、何その意味深な会話は!?」

 正直正しいのかどうかかなり疑問が残る読唇術なのだが、何故かなのはは勝手に色々と妄想しているようで顔を真っ赤にしていた。

「……何を創造しているか分かんないけど、ヴィヴィオの前で流石にそういった話はしないんじゃないかな?」

「……でも、はやてちゃんだよ?」

「………」

 二人してはやてが聞いたら怒り出しそうな台詞と反応を繰り出している最中に、どうやら三人は会計を終えたようで再び外に出ていた。

「あ、まただ! フェイトちゃん!」

「あ、うん……」

 再び駆け出すなのはを追うフェイト。その際、なのはが手を付いていた場所に小さなクレーターが出来ていたような気がするのは気のせいという事にしておいた。


 そして三人の最終目的地と思われる場所に到着した途端、なのはとフェイトはもう息を呑むしかなかった。

「はやての……」

「おうち……だね」

 スーパーでの買い物、その後家に直行。子供を連れて。
 ……これは、どう見ても。

 ※ 以下なのはさんの妄想です。

「ユーノくん、戸棚からお皿取ってもらえるかな?」

「あ、うん、これでいい?」

「うん、ありがとなー♪ ヴィヴィオ、包丁は注意して扱うんやで」

「うん、はやてさん♪」

「……あー、嫌なわけやないんやけど、うちもなのはちゃん達みたいに『はやてママ~』とか呼ばれてみたいわ~」

「あはは、だったら早く結婚して自分の子供を生んだら?」

「あれ? 何や、ひょっとしてプロポーズか?」

「え? い、いや違……」

「もう、照れんでもええよ♪ うちの恥ずかしいところ全部確認しとる身のくせにー♪」

「は、はやて!?」

「恥ずかしいところって何~?」

「もうちょっと大人になったらヴィヴィオにも分かるで。ふふ、なのはちゃんには悪いと思うけど……うちの事、ちゃんと幸せにしてな、ユ・ー・ノ♪」

 ※ 以上、なのはさんの妄想でした。あくまで妄想です。

「……レイジングハート、ブラスターシステムリミットスリー、リリース」

「……って、いくら何でもそれは駄目だよなのは!」

「離してフェイトちゃん! ユーノくんの頭を冷やしてあげるの!」

「冷やすべきはなのはの頭だから! というか意外と耳年増だねなのは!?」

「何で私の妄想を知っているのは置いておくとして、内容を理解しているフェイトちゃんも相当なものだと思うよ!?」

 取り敢えず、妄想の中に守護騎士一同がいなかった事も置いておくべきなのだろう。
 とにかく、他人の家の前でマスターからの唐突な命令に、どう反応すべきか悩んで待機状態から変形出来ないでいるレイジングハートを振り回しているなのはをフェイトが羽交い絞めしている、などという光景は流石にはやても予想も出来ないであろう。

――とぅるるるるるるるるるるるるるるるる……。

「「え?」」

 そして、そのはやてから携帯端末に連絡が入る、なんて事はまさになのは達にとっても青天の霹靂であった。


 はやての自宅に招待されたのだが流石に今目の前にいますとは言えずに三十分ほど時間を置いてから突入するなのはとフェイト。
 そして、

「あ……」

「わぁ……」

 リビングにあったご馳走……と言ってもたいしたものはない。でれも子供でも出来そうな簡単なものばかりだった。
 そう、子供でも。

「もしかしてこれ……」

「ヴィヴィオが作ったの?」

 呆けた様子で呟くなのはとフェイトに、ヴィヴィオは嬉しそうにえへん、と言わんばかりに胸を張る。
「でも、どうして?」

「何やなのはちゃん、忘れたんか? 今日は五月の第二日曜日やで♪」

「え? ……あっ!」

 はやてのその言葉で、なのははようやく思い出した。彼女の故郷である世界には、この日に感謝を述べるべき人がいる事を。

「そっか、母の日……」

 なのはの代わりに、フェイトが笑みを浮かべながら答えた。

「この前ヴィヴィオが地球の文化に関する本を読んでいたら偶然今日の事を知ってね。絶対にお祝いするんだー、って。それで、お料理を作りたいって言うからはやてに頼んで……」

 ユーノもまた、なのはを労わるような瞳でそう教えてくれる。そんな三人の姿に、なのははようやく理解した。
 そう、全ては誤解。単なる妄想に過ぎなかったのだ。今目の前に広がっている光景が、真実なのだと。
 そう気付いたなのはが取った次の行動、それはもちろん、

「ヴィヴィオー♪」

「ふぇっ!? なのはママ、くすぐったいよー♪」

 ヴィヴィオを思いっきり、抱き締める事だった。


「それにしても、さっき家の前の方が何か騒がしかったような……?」

「あ、ユーノくんもそう思う? 何かあったんかな?」

「お願い二人とも、ある人物の名誉の為になるべく早く忘れてあげて」

「「……?」」


 そんなこんなで一応ヴィヴィオの母親をやっていた時期もあったので彼女が作ったご馳走を振舞われ、ホクホク顔でクラウディアへと戻ったフェイト。そして、通信室の前を通り過ぎようとしたその時だった。

「フェイトさん? 今日は休暇を取ってるから一日いなかったわよ?」

「そう……ですか」

「……!」

 ティアナと、通信特有のくぐもったような……キャロの声が聞こえたのは。どうやら傍にエリオもいるようである。
 悪いとは思いつつもそっと壁に張り付いて聞き耳を立てる。何となく、今ならなのはの気持ちが分かる気がした。

「あ……そういえば最近、フェイトさんちょっと元気がなかったよ? 何か二人に避けられている気がするとか何とか……」

「あ、えっと……それはですね……」

「実はちょっと……悩んでいまして」

「悩み? 何かあったの?」

「えっとですね。地球には『母の日』っていう、母親に日頃の感謝を伝えるっていう日があるんですけど」

「私達にとってフェイトさんはお母さんみたいな存在でもありますし、何かした方がいいかなって思ったんですけど、フェイトさん若いですから『お母さん』って扱われるのは嫌かなって思って……それで二人してどうしようって思ってたら、何だかフェイトさんと顔を合わせ辛くなっちゃって……」

 無論、この話を聞いていたフェイトがすぐに第六十一管理世界「スプールス」に飛んで恍惚の表情で二人を抱きしめたのは言うまでもないだろう。

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 先週に引き続き時事ネタSSのUPですw
 それにしても劇中での妄想、というのは便利ですw 普段ありえない事が出来るのでw
 ……まあ、やり過ぎた感がしないでもないですがねw

 さて、先日5/18日に行われる「リリカルマジカル4」で発行する同人誌の入稿を終えました。初のサークルとしてのイベント参加なのでドキドキものですが、がむばりますww

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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