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魔法少女リリカルなのは 「わりと暴走気味な騎士の一日」

 最初に言っておきます。

 凛々しいカリムさんが好きな方は読まない方が良いですww

------------------------------------ 「やーん、かわい~い♪」

「………」

「ほらほら、シャッハ♪ 見てみて、フェレットさんかわいいよー♪」

「はあ……まあ、可愛いのは認めますが」

「………」

「はふぅー♪ このまま私のものになりませんか、思いっきり可愛がってあげますよ……ユーノ司書長♪」

 普段の彼女からは想像出来ない甘ったるい声での提案に、フェレットモードのユーノは大きくため息を吐きながら当然のごとくこう答えた。

「全力全開で遠慮させていただきますよ……騎士カリム」


 事の発端は、ユーノ・スクライアがベルカ自治領にある聖王教会に呼ばれた事から始まる。先日解決したJS事件の事で話を聞きたいと言われたのだ。ヴェロッサやクロノの進言のおかげで人員補強も出来た事だし、それくらいの事なら喜んでと向かったのだが……。

・到着後、真っ直ぐに騎士カリムの執務室に案内される。
・そこにはカリムの他にシスターシャッハと八神はやてがいた。
・ユーノが挨拶を終えると、シャッハが椅子に座るよう薦めてくれ紅茶を出してくれた。
・笑顔で頷き、紅茶を飲んだ。

 ……ここまではいい。カリムの秘書兼ボディガードの役目を持つシャッハや彼女達と親しいはやてがいるのは特におかしくもない事である。JS事件の話ともなればシャッハもはやても協力者兼当事者であるわけだし。
 問題はその後である。

・紅茶を飲んで数分の後、何だか身体に違和感が走る。
・気が付いたらフェレットモードになっていた。
・しかも何故か元に戻れない。
・シャッハとはやてに謝られる。
・カリムに抱きしめられる。

 誰かこの後半部分について説明して欲しい。それが今のユーノのたったひとつの望みであった。

「……ユーノ司書長、この事をご内密にしていただける事を条件に、理由をご説明いたしますが」

「……お願いします」

 速攻で頷くユーノ。この状況を他で他人に説明しても、ほぼ確実に信用してもらえないだろう。それくらいカリム・グラシアという女性は清楚で上品な令嬢として有名なのだから。

「あーん♪ ふかふか~♪」

 ……こんな、自分の背中に頬ずりしている姿など、想像すらされないだろう。
 シャッハとはやてはお互いの顔を見て頷き合うと、

「実は……もう、想像がお付かもしれませんが」

「カリムは、な……」

「「無類の可愛いもの好きなんです!」なんや!」

 そう力説してくれた。無論、ユーノは口を思いっきり開けて呆けている。

「カリムの部屋に行くとすごいでー。サン○オとかピカ○ュウとかハム○郎とかアザラシのゴ○ちゃんとかのぬいぐるみが所狭しと並べられとるんや」

「毎晩何かぬいぐるみを抱いていないと寝付けないらしく、こう言っては何ですが……朝の姿は、とても人様にお見せ出来るものではなく……」

 ふたりは同時にため息を吐く。特にシャッハのそれは何というか実感が篭っていた。

「あの……それで、何故僕はここに呼ばれる事に? そしてどうしてフェレットから戻れないの?」

「いつもはそれで何とか可愛いものを愛でる衝動は治まるようなのですが……年に一、二回ほどそれだけでは耐え切れなく無性に生きている可愛いものを愛でたくなる日があるようなのです。ぬいぐるみを抱きしめながら『あーん、本物のパンダさん抱っこしたいよー、アザラシさん抱っこしたいよー、狐耳をした女の子抱っこしたいよー』とか言いながらベッドの上を転げまわっている騎士カリムは何というか……見るに絶えます」

 確かにそれは本人のイメージだけでなく教会のイメージすら払拭しかねないシュールな光景だった。

「普段はそんな日は急病って事で職務をお休みにして聖王教会の管轄にない世界……うちのと仲良うなってからは地球が多いかな? そこのふれあい動物園とかに行くんやけど、今日はどうしても外せない用事があるんや」

「それで、フェレットに変身出来るユーノ司書長に白羽の矢が……」

「いやいやいや、ちょーっと待って!」

 当然ながらユーノはふたりの会話に割って入った。何というか、ツッコミどころ満載ではないか。

「だからって何で僕!? アルフとかザフィーラとかは!?」

「アルフの場合やと必然的にフェイトちゃんにも知られてしまう。ザフィーラは仕事に出てて今から召集するのは無理やったんや」

「だからってこんな不意打ちみたいな……」

「その件については、ちゃんとお詫びを兼ねた提案を用意しております」

「……提案?」

「そうや。今日一日カリムの慰みものになってくれたら、『機動六課』から一週間人員割いたるで、ユーノくんの望む数を」

 すごく嫌な表現があった気がするが、はやての提案は魅力的なものであった。
 いくら人員が増えたといっても、比例するように仕事も増えている。一週間だけとはいえ、優秀な人材が多い事で知られる「機動六課」の職員を好きなだけ借りられるというのだ。もちろん、「機動六課」の業務に支障が出ない程度に、だが。
 だが頷く前に、ひとつだけ確認しなければならない事がある。

「心配せんでもなのはちゃんは一週間まるまるレンタルさせてあげるで♪」

 言うまでもなくバレバレのようであったが。

「い、あの、なのはが一番無限書庫の整理に慣れているからいるとありがたいなーって、そ、それだけだからね!」

 どこかで聞いた事があるようなないようなユーノの言葉にはやてとシャッハは苦笑しながら、

「カリムに頬ずりされながら言っても虚しいだけやで」

 とツッコミを入れられた。

「あぅ……」

「それでは、交渉成立という事でよろしいでしょうか?」

 ユーノが渋々といった様子で頷いたのを確認すると、はやてとシャッハに笑顔が浮かんだ。

「ん~♪ すりすり~♪」

 ちなみにこちらはさっきから終始ご機嫌だった。

「あ、ちなみにその姿は契約の一日……二十四時間特定魔法以外の魔法を使用できなくする効果のある紅茶をユーノ司書長に飲んでいただいたからです。約束の時間が過ぎればすぐ元に戻りますよ」

「……残りがあったら今すぐ速攻で破棄して下さいお願いですから」


「……あの」

「はい、何でしょうか?」

「その、肩に乗っているのは?」

「ユーノくんです。フェレットですよ、何か問題でも?」

「い、いえ……」

 そう言って押し黙る初老の男性。まあ、清楚だの淑女だのと噂の令嬢の騎士が肩にフェレットを乗せて対談に臨んでいるのだからそれは驚きもするだろう。
 ちなみに彼は地方の教会の牧師長との事だ。彼との談話が、本日カリムがどうしても抜けられない仕事のひとつであった。

「そ、それで我がノーストライズ地方の時空管理局連携後の犯罪発生件数と凶悪化の推移ですが……」

「はい、この数値がそうなのですね?」

 そう言って妙な空気を漂わせつつも対談を始める二人。流石に仕事ともなるとカリムは真面目だった。シャッハ達が言うにはユーノがここにいるからだとの事なのだが。

――取り敢えずユーノくん、カリムから離れんようにしといてな。離れた瞬間変なスイッチが入るのは確実やから。

 本当に変なスイッチである。が、請け負ってしまった以上仕事はちゃんとこなさなければならないだろう。

(……あれ?)

 ふとカリムが見ている資料に目を移すと、少々気になる部分があった。どうも先日無限書庫にきた依頼内容の一部が転載されているようなのだが、その時と少々データが異なっているようなのだ。
 だからその事を伝えようとユーノはカリムに念話を送る。

――カリムさん、ちょっといいですか?

「はーい、何でちゅかユーノくん♪」

「ぶふうっ!?」

 と初老の男性。ユーノも心の中で同じように噴いた。

――がったーん!

 と廊下から。二人分のようである。

「え? ええ? えっと?」

「あら、どうかされましたか?」

 すぐに正気に戻ったカリムが笑顔で(でもどこか顔が引きつっている)そう尋ねる。

「い、いえ……疲れているのでしょうかね?」

 初老の男性はそう言って小さく咳払いをした。どうやら誤魔化せたようである。
 ほっとため息を吐くユーノに、シャッハから念話が飛んできた。

――ユーノ司書長、取り敢えず謁見中は何があっても騎士カリムに話しかけないようお願いします。

――……了解しました。

 ユーノは何とかそれだけ呟くと、頭痛がしてきた頭を右手……もとい右前足で押さえていた。


 謁見後、当然のごとくカリムはシャッハにお説教を受けていた。

「騎士カリム! 一体何をお考えですか!? 聖王教会ノーストライズ地方牧師長を前にあんな失態をしでかすとは!? 何が『何でちゅか』でちゅ……ごほんっ! ですか!」

「だって~、ユーノくんが話しかけてくれたんだもん……」

「瞳を潤ませながら指を咥えないで下さい! 幾つだと思っているんですか!?」

「もう、女の子に歳を聞くのはマナー違反だよ。ねーユーノくん♪」

「貴女すでに『子』なんて呼ばれる歳じゃないでしょう! はやてさん辺りがギリギリですよ!」

「……あー、そっか……うちももうそんな歳なんやなあ」

「あの、シスターシャッハ。何かはやてまでダメージ受けていますけど……」

 カリムの胸に抱かれながら、ユーノはそうツッコミを入れた。それにしても確かに今日のカリムは何というか……駄目だ。人には見せられない。必死になってひた隠ししようとするシャッハやはやての気持ちが分かり過ぎるほどよく分かった。

「それじゃあユーノくん、お風呂行こうか♪」

「もう好きにして下さい……ってちょっと待てーいっ!」

 危うく聞き流してしまいそうになったカリムのとんでもない言葉にユーノはおもいっきり叫んだ。

「いやいやいや、待った待った待った待った! 何で? どうしてそうなるの!?」

「お風呂は毎日入らないと汚いよ?」

「そういう意味ではなく! カリムさん忘れていませんか!? 僕今はこんな姿ですが一応十九歳の健全な男性なんですよ!?」

「今はフェレットだからオッケーだよ♪」

「なのはみたいな基準ですね!? シスターシャッハ! いくら何でもヤバイでしょう、止めて下さいよ」

「いえ、その姿は最低でも後十二時間は続くので……その姿では問題ないでしょう。形が時々卑猥に見えますが」

「まあ、なのはちゃんと一緒にお風呂入っとって何も起きてないんやし、大丈夫なんとちゃう?」

「何気に今酷い事言いませんでしたかシスターシャッハ!? で、何故それを君が知っているはやて!? ちなみに一緒に入ってるって言っても十年前、しかも僕フェレットモードだったから!」

「だったら今もフェレットモードだしいいよね♪」

「年齢が違い過ぎるでしょうがぁ!」

 もはやツッコミを入れるしかないユーノ。ようやく悟ったのだ。
 ……この場に、自分の味方は居ない、と。

――もう、誰でもいい、神でも悪魔でもいい……誰か僕の貞操の危機を救って下さい!

 何というか、途中の一言でオチが見えている気がする。そう、ユーノの危機を察した彼女が、やってきたのだ。
 連邦……もとい『管理局の白い悪魔』……、

「こぉらぁー! ユーノくんに何してるんですかぁ!」

 高町なのはが。
 なのははカリムからユーノをひったくるように掴むと、あっという間に距離を取ってユーノを優しく地面に置いた。

「な、なのは!?」

「ちょっ!? 窓突き破って突入ですか!? 『アーク○ラッドⅡ』のエ○クじゃあるまいし!」

「ネタが古すぎるよはやてちゃん! そんな初代プレイ○テーション出た頃のソフトなんて知っている人何人いると思っているの!?」

「連邦の単語出してるお前が言うなあああぁぁぁっっっ!」

「出したのは神様(さくしゃ)だよ!」

「か、会話が混沌(カオス)過ぎる……」

 まあそんな一部の人間しか分からないネタはさておき。

「とにかくカリムさん……私の目の黒いうちは、ユーノくんとお風呂に一緒に入るなんて許しませんよ……それは私の役目です!」

「な……なのは」

「うわぁ……なのはちゃん大胆や」

「ううん、それだけじゃない……」

 なのはは目を瞑り、一度言葉を切ってからはっきりと告げた。

「フェレットモードのユーノくんは私のペットです!」

――がんっ!

「……心中お察しします、ユーノ司書長」

「……ユーノくん、がんばって生きてや」

 堂々とペット扱いされ床に頭を打ち付けたユーノに、シャッハとはやてが同情の涙を流した。

「……ふふっ、そんなの許しませんよ……あんな可愛いフェレット、独り占めは良くないです!」

「うちのペットなんだから独り占めも何もないよ!」

「分からない方ですね……しょうがありません。では、勝負をしましょう」

 不敵に笑うカリムに、なのはもまた笑みで答える。

「勝負? 方法は? 悪いけど戦闘系なら……勝てるなんて、思わない方がいいよ?」

「ふふっ……あまり確率の高くない予知しか能がないと思われるのは心外ですからね……騎士の名が伊達ではない事を教える良い機会ですから」

 するとカリムは魔方陣を展開させ、何かを発動させる。

「これは……リミッター解除!?」

「「「ちょっ!? うぉい!?」」」

 無論慌てているのは三人だけで当事者二人は落ち着いたものであった。

「全力全開でやってもらわないと後で何を言われるか分かりませんからね」

「ふーん、随分と余裕だね……いいよ」

 なのははそう言って笑みをより一層深めると、

《Blaster Mode Standby》

「ブラスターシステムリミットスリー……リリース!」

「「「本当に全力全開だーっ!」」」

「ふふっ、そう来なくてはです……私も、いきますよ?」

 笑い合う二人。だがその笑みはどこか……邪悪であった。

「あの……ユーノ司書長って確か防御系の魔法、お得意でしたよね?」

「ええ、まあ……でも、全力全開のなのはの魔力を抑えられる自信は……」

「そこはなのはちゃんへの愛でカバーしてや、勇気で補ってもええで」

「僕は勇○王じゃない!」

「とにかくお願いします、我々も協力いたしますので! このままじゃあ聖王教会が瓦礫の山になってしまいます!」

 確かにそれは困るだろう、色々と。
 ユーノは諦めにも似たため息を吐き、最後にひとつだけ質問をした。

「……僕の存在意義って、もしかしてフェレットの方が大きい?」

「「………」」

 答える事の出来ないシャッハとはやては、ただ沈黙するしかなかった。


 ちなみに被害、及び勝敗についてはトップシークレットとなっている。なので「教会がいきなり粉々になったのー」という近所に住む子供の証言は、いまだに確証が取れていなかった。

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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