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魔法少女リリカルなのはSS 「ある自由待機の光景」 第三話

(いや、まあ、ここに連れてこられるであろう事は簡単に予想出来たけどね……)

 あまりに想像通りの場所に出たなのはは、思わず頭を抱えた。
 時空管理局本局、無限書庫。ここに連れてこられ、「一番仲の良い異性」となれば、もう一人しかいない。

「……あれ? なのは?」

 そしてタイミングを計っていたかのように現れるその相手……ユーノ・スクライアが、無限書庫の前で右往左往しているどう見ても挙動不審者そのものの状態だったなのはに声を掛ける。

「ユ、ユーノくん!?」

 無限書庫の中にいるとばかり思っていたなのはは、自分の背後からという想像していなかった方向からの呼び声に思わずその場で飛び上がった。

「……どうしたの?」

 自分の知っているなのはらしからぬその行動に、ユーノは訝しげな表情を浮かべる。それを誤魔化すかのようになのはは冷や汗を浮かべながらも笑顔で手を横に振った。

「あはは、何でもないよ。それよりもユーノくん、ちょっとお話いいかな?」

「え? あ、うん、それは構わないよ。十分くらいいいかな? 少しだけ片付けておかなくちゃいけない仕事があるから」

「あ、私手伝うよ」

「本当? ありがと、なのは」

 場所が本局という事もあり普段から暇を見つけてはちょくちょく遊びに来ているからか、普段から人を疑うような事をしない人柄からか、それともその相乗効果か、ユーノはなのはが何故ここにいるのかという疑問は抱かなかったようだ。
 説明がとてもしにくい内容なのでその事になのはは少しだけ胸を撫で下ろしながら、なのははユーノの背を押して無限書庫の中に足を踏み入れる。

「あそこに浮かんでいる本、あれを所定の位置に片付けてもらっていいかな?」

 そう言ってユーノが指差す先には十数冊の本が宙に浮かんでいるような状態で放置されていた。

「何かの資料?」

「うん、フェイトに頼まれていてね。色々と資料のまとめを」

「ふーん……」

――ザッ……。

「ん? ねえ、なのは……」

「あ、ユーノくん、これはこっちでいいのかな?」

「え、あ、うん」

 なのはは頷くと率先して片付ける振りをしながら回りを確認した。どうやら自分とユーノ以外には誰もいないようだ。心の中でガッツポーズをし、そっと同じように片付けに専念しているユーノに視線を移す。
 自分に魔法を授け、その防御と補助に特化した魔法で幾度となく自分を守り、戦いからは一線を引いた今もこうやって事件に関する資料等をまとめて影から支援をしてくれる。おそらく、なのはが一番信頼している人間だと言っても過言ではないだろう。性格だって優しくて真面目な青年である。
 そんな相手をまったく意識するなというのは正直無理な話である。恋愛感情に疎いのは自覚があるなのはだったが、それでも自分のユーノに対する気持ちが他の相手……クロノやグリフィス、ヴァイスと少々異なるのは微かにではあったが気が付いていた。それが恋愛感情なのか、それとも師弟関係の延長程度の「信頼」の域でしかないのか、それはまだ分からなかったが。
 そんな微妙な相手に、である。自分はキスをしなければならない。唇と唇を合わせて。

「……!」

 途端に頬が熱くなった。同い年の異性に、である。そして自分は年頃の女の子。
 しかも言ってしまうと、恥ずかしながらこれがなのはのファーストキス……取り敢えず幼い頃の父や兄に対してのそれは除外している……である。もう一度言おう。意識するな? 無理です。な状況であった。

「……なのは、本当にどうかしたの? なんかさっきから顔が百面相みたいに変化しているけど」

 そう言って心配そうになのはの顔を覗き込むユーノ。考え事にふけっていたなのはの目の前に唐突にアップで現れたその顔に、なのはは思わず後ろに仰け反ってしまった。

「ほ、本当に大丈夫だから! ほら、早く片付けちゃおう」

「あ、ああ……」

 明らかにごまかしと分かるなのはの怪しげな行動に、ユーノは不振に思いながらも作業を再開する。
 そしてなのはは胸を撫で下ろしながら、覚悟を決めた。
 どうせここで駄々を捏ねていても指令が変わるわけではない。しかもこの状況は他のみんなには筒抜けなのだ。これ以上ラブコメを繰り返していてもはやてを喜ばせるだけだろう。背中が黒光りしている「あれ」とデフォルメバージョンは人気がある「それ」の害虫大決戦が背後で行われながら。

「……ユーノくん!」

「ん? な……」

 何? とでも言おうとしていたのだろうが、その言葉は口を塞がれる事でかき消される。おそらく今頃はやてはガッツポーズをしながら飛び跳ねて喜んでいるだろう。背中が黒光りしている「あれ」とデフォルメバージョンは人気がある「それ」の害虫大決戦が背後で行われながら。

「な、なのなの、なのは!?」

 当然の事ながら顔を真っ赤に染め上げ、まったく舌が回らなくなるユーノ。そんなユーノの顔を見ることが出来ず恥ずかしそうに俯くなのは。二人ともいい歳して意外と純情であった。

(仕方がない、これは事故、そう、事故なんだから。ユーノくんとキ、キキキキ、キスをしろっていう指令なんだか……ら?)

 そこでなのはははたと気が付いた。気が付いてしまった。もう一度指令の内容を頭の中で思い出す。


【一番仲の良い異性にキスをしてくる】


 確かに指令の内容はこうであった。そう、確かにキスをして来い、とあるが、どこにも「唇に」とはないような気がしないだろうか。
 しかしだとすれば何故、こんな勘違いをしたのか。理由は簡単に想像できた。ヴィヴィオが同じような指令を受けた時グリフィスに唇にしていた事、追い討ちを掛けるようなはやての言動、おそらくそれが刷り込みとなって「キス」イコール「唇」に無意識のうちになっていただけの事ではないのだろうか。
 その事に気が付き、顔を真っ赤に染め上げたまま固まっていたなのはに追い討ちの一言が呟かれた。

《Congratulation!(訳・おめでとう。主に受賞式や結婚式などで成功・幸福などを祝していう語である)》

「………」

 祝福されてしまった。つまり、ここまでの事は求めていなかった、という事である。
 つまり……なのはの考えは、正しかったのだ。

「……うぅ」

 怒りと恥ずかしさで体が震え、瞳に涙が滲む。それを見て驚いたのはユーノだ。

「な、なのは!? 一体どうしたの!?」

「……ごめん、ユーノくん。今日の事は出来る限り早く忘れて。お願いだから」

「へ? ちょ、なのは!?」

 今の顔を見られたくなかったなのははそのまま踵を返しユーノから離れる。ミッションをクリアしたのだからおそらくすぐにあの空間に戻されるだろう。
 だが、その方向がまずかった事になのははすぐに気が付く。

「ちょっと待ってよなの……は?」

 頭上方面に離れていったなのはを見上げるように顔を上げ、そして不自然なところで言葉を切るユーノ。それを不審に思いユーノを見下ろすなのは。
 ユーノは硬直していた。なのはを見上げ、顔を先程よりも赤く染め上げて。
 そんなユーノの様子を訝しげに見ていたなのはだったが、ようやくとんでもない事を思い出した。
 スースーする。スカートの中が。
 そういえば先程、自分はティアナに捲られなかっただろうか。パンツを。そしてそのパンツは忽然と消えてしまったので、そのままでいたんじゃなかっただろうか。
 つまり、今自分は……。

「……!」

 慌ててスカートを抑えるなのは。だが遅かったようだ。

「……きゅう」

 それを肯定するかのように、鼻から赤いものを噴出させ仰向けに倒れるユーノ。そしてその光景をみたなのはは、

「ひ……ひぃゃあああぁぁぁっっっ!」

 「空戦のエースオブエース」と呼ばれる普段の彼女からは想像できない悲鳴を無限書庫に響かせた。


 戻って来るなり膝を抱えて座り込み、地面に「の」の字を書き続けるなのは。そんななのはを、まだ幼くてそれがどれだけ恥辱なのかを理解出来なかったキャロとヴィヴィオ、そして復活したフェイトに目隠しをされてその光景を見ていなかったエリオを除き、全員が涙を流しながら労わるようにその背を優しく叩いた。

「なのはちゃん、気を落とさんようにな。まあ、見られたのがユーノくんで良かったやん。憎からず思っている相手なんやし、な?」

 もちろんはやてとしては慰めの言葉のつもりだった。だが、なのはは勢いよく顔を上げ、はやての両肩をその両手で力強く掴む。

「な、なのはちゃん!?」

「……あのね、はやてちゃん。そういう相手だからこそ、見られたくなかったっていう女心も理解してくれないかなあ?」

 満面の笑みで語るなのは。だが、その表情とは裏腹に今の彼女からは恐怖しか感じ取れなかった。特にそういうなのはに覚えがあるスバルとティアナは体を小刻みに震えさせている。

「……ねえ、みんな?」

「「「「「「は、はいっ!?」」」」」」」

 あまりの恐怖からヴィヴィオを除く全員がその声に反応して一列に並び、背筋を伸ばす。
「さっさとゴールしてあの猿の像にスターライトブレイカーぶちかましたいの。協力してくれるよね?」
 答えなどとっくに決まっていた。

「「「「「「い、イエッサーッ!」」」」」」

 全員が一斉に敬礼する中、ヴィヴィオだけがその光景を不思議そうに見つめていた。意外と大物かもしれない。


 その後も様々で散々な内容の指令が下され続けた。体操服(ブルマ仕様)に着替えさせられランドセルを背負わされたたなのは、スクール水着(旧タイプ)に着替えさせられたフェイト、狸の着ぐるみを着せられたはやて、金色の大槌を持たされたスバル、セーラー服を着せられ鉈を持たされたティアナ、栄養ドリンクを作らせられたキャロ、それを飲んで倒れるエリオ等々。
 ヴィヴィオを除き、どんどんどす黒い殺意が増加していく中、ようやくメンバーはゴールに辿り着いた。

「ふ、ふふふふふ……ようやくたどり着いたわよ」

 途端不気味な笑い声を上げるなのは。今の彼女を止められる自信があるものはこの中には誰もいない。止める気もなかったが。

《Goal! Thank you your praying!》

「「「「「「「したくてしたんじゃねえよ!」」」」」」」

 目の前の猿の像から聞こえてきたその声に、全員が声を揃えてツッコむ。言葉が汚くなってしまっているのはしょうがないという事で勘弁願いたい。
「さて、ゴールしたわよ。覚悟は出来てるわよね? アタシ、今なら何でも出来る気がしてならないの」
 なのはと同じくらい恥辱にまみれていたティアナが薄笑いを浮かべながら手に持っていた鉈を振り下ろした。

《………》

 しかし、普通ならば腰を抜かしてしまいそうな光景なのに、猿の像は黙り込んでしまった。これには全員が訝しげな表情に変わる。

《……――》

 数分後、ようやく猿の像が何か語り出した。だがそれは聞いた事のない言語で、何を言っているか分からない。

「あ、あの、私、何となくですが理解出来ます。訳しましょうか?」

 そう言って手を上げたのはキャロだった。そういえば彼女には動物達と意思疎通出来るという非凡な才能があったはずだ。一応「猿」の像であるし、この普通なら理解しがたい言葉を理解出来ても何ら不思議はない。
 全員(またまた除くヴィヴィオ)が頷いたのを確認すると、キャロはその声に耳を傾けた。

「……我の数々の指令を達成し、ここまで辿り着いてくれた事、深く感謝する」

 今までされてきた内容からは想像できない堅い言葉遣いに、皆(略)軽く驚いた。

「恐らく我の出した指令は、貴女等には耐え難い恥辱も多々あったであろう。許しを乞うつもりは毛頭無い。どんな怒号も甘んじて受け入れよう。ただ、これだけは覚えていて欲しい。我は……寂しかったのだ。遊具として創造されながらも、次第に誰からも相手にされなくなり、ついには忘れ去られてしまった、哀れな遊具の存在と、末路を」

 その言葉にさすがに沈黙せざるを得なかった。与えられた役割を果たせないもどかしさ、辛さ、そして憤り……少しだけだが、理解できない事もない。
 確かに内容に問題はあったが、このロスト・ロギアはただ、久しぶりに与えられた自分の役割を果たしただけではないか。そう思うと、急速に怒りが収まっていった。
 ちなみにヴィヴィオはフェイトの腕の中で安らかな寝息をたてていた。難解な言い回しを理解出来なかった事とそれまではしゃぎすぎていた事で一気に眠気が襲ってきたのだろう。

「最後に、図々しいと我自身理解しているが……ひとつだけ、願いを聞いてはくれないだろうか?」

 その言葉に誰も答えようとはしなかった。だが、それは拒否の合図ではない事は、誰が見ても理解出来るであろう。

「……パンツよこせ」

 そして、その言葉に全員の腰が砕けそうになった。

「せっかく可愛い女の子が久しぶりにこの世界に来てくれたんだ。土産くらい残していってもバチはあたらんだろう。だから、パンツよこせ」

 その言葉遣いも今までの神妙な雰囲気はどこへやら、どこぞのヤンキーかエロ親父そのものであった。

「あ、黒とかちとシックで落ち着いたのがいいな。出来ればブラも。さあ、パンツよこせ、パンツー、よこせー! ……あの、言っているのはあのお猿さんですよ、念の為」

 セクハラ満載の言葉に、それを訳していたキャロがさすがに一言付け加える。

「……なあ、みんな。どないする?」

「……それ、聞く必要あると思う?」

 はやての問いに答えるフェイトの言葉に、全員が頷いた。

「という事で……なのはちゃん、どうぞ」

「……うふふ、その言葉を待ってたよ、はやてちゃん」

 なのはは満面の笑みを浮かべた。そして、何故かセットアップを完了している。
 それに驚いたのは無論セクハラ猿の像である。

「へ? あれ? 何で?」

 迫真に迫る代弁するキャロの声。それを聞いてなのははさらに笑みを深めた。

「知らなかった? このレイジングハートの製作者、さっきあなたが会わせてくれた人……ユーノくんなんだよ? そして製作者なら一時的に出力を上げる方法を知っていても……おかしくはないよね」

「そ、そんな……そんな様子、一度も……」

 そこでキャロの声が止まった。どうやら気が付いたようだ。
 なのはがユーノと会話している時、一瞬だけ映像端末に「ザッ」という音とともにノイズが走った事を。

「色々不思議に思っていたの、あの指令の内容、私達の事情を知らなければ出せないようなものがほとんどだった。そこで閃いたの。もしかしたら私達の心が読めるんじゃないかって、ってね。でも、そんな魔法、聞いた事がない。となると可能性は……ロスト・ロギア。で、このブレスレットを見てぴんと来たわけ」

 そう言ってなのははブレスレットを指差す。

「苦労したよ、悟られないようにするのは。そして、外に出られるチャンスを待ったの。そしたらタイミングのいい事にあなたはユーノくんのところに私を送ってくれた。後はばれないようにユーノくんに合図を送ってブレスレットに封印を掛けてもらったの」

「で、でもそんな事をすればばれるとは思わなかったのか?」

 いかにロスト・ロギアに詳しい人間でも、製作者でもない限りものの数秒でそれがどんなものであるかを判断する事など不可能だ。多少なりとも調査する時間が発生し、それが発生すれば誰だって訝しる。
 だが、なのははただ笑ってみせるだけだった。

「そこは少し賭けだったけどね、すぐにばれる事はないって確信はあったよ。だってこの空間……外と時間の流れが違うでしょ?」

「な、何故それを!?」

 慌てた声を上げる猿の像……の声を代弁するキャロ。

「おかしいと感じたのはこのゲームを始めてしばらく経ってから。このゲーム、指令をこなさなくちゃいけないから、一回がとても長くなってしまうよね? 早番だったフォワードメンバーが今日自由待機(オフシフト)に入ったのは夕方前。そこからまずは談笑をして、ヴィヴィオがゲームを持ってくる事になる。どう考えてもこの間一時間は余裕で経っているよね? そして私達が自由待機(オフシフト)に入ったのはフォワードメンバーが入った二時間後。隊長室でフォワード陣の起こしている事件を知ったのはさらに一時間後。つまり、多く見積もってもこの間は二、三時間しかない。だけど、報告された事件は数十件に及んでいる……分かる? 物理的に無理なの」

 なのははそこで一度言葉を切り、猿の像を睨む視線を更に鋭くする。

「ここで考えられる可能性は二つ。この空間が外の時間の流れより極端に遅いか、外の時間の流れと違った区別の流れをしているか、そのどちらかになる」

 この空間の時間の流れが極端に遅い、つまり、この空間の一分が外では一秒といったような関係になる。一回の指令が十分掛かっても外の世界では十秒しか掛からないわけだから、数時間のうちに数十件という事件を起こす事は可能となるわけである。

「ここでもしこの前者であったなら、確かに私の行動はすぐばれただろうね。だけど、私はこちらの可能性は低いだろうと思っていたの。理由はフェイトちゃんが外に出た時に気が付いた。あなたは気が付いたかしら? あの時、映像端末に公園の時計が移っていた事を」

 その場にいた全員が「あっ……」と声を上げた。フェイトですらも、だ。

「私はあの世界の出身でね、よく家族や友達に連絡を取ってるの。だから、どれくらいの時差があるのか、知っていても不思議はないよね?」

 嬉しそうに微笑むなのは。頼もしいと感じると同時に、少々恐怖を感じてしまうのは気のせいではないだろう。

「すると、ありえない事が分かった。あの時すでにこの空間に入って一時間は経っていたはず。なのに、時差を考えて計算すると……入った時の時間からまったく時間が経っていなかったの。極端に遅いだけなら、多少は経っているはずなのに、ね」

 驚異的なまでの洞察力に、フェイトとスバルが感嘆の声を上げなのはを見つめていた。

「ユーノくんに封印を掛けてもらった後は、学者さんでもある彼にこのブレスレットを鑑定してもらったの。そして、色々な事が分かった。さっきも言ったとおり一時的にこの空間で出力を上げる方法だとか、心を読む機能だけばれないよう妨害処置をする方法だとか……ね」

 後は再びブレスレットを腕に付け、封印を解く。時間の流れ自体がまったく違うのだからノイズが走ってもただの「録画された映像」を流しているに過ぎない映像端末からは気が付かない。ミッションを終えたなのはをちょうどその映像が終わる頃にこの空間に呼び戻せば、まずバレはしない。
 だが、その事に気が付きブレスレットの読心機能に妨害処置をしたなのはは、封印を解いた後の演技をユーノに依頼。さすがにキスの件は恥ずかしかったので伝えなかった為硬直させる事になったし、スカートの件は完全になのはの失念だったが。そしてこの空間に帰った後は、ばれないように全員のブレスレットにも同様の妨害処置をし、そして念話でその事を伝えたのだ。だから皆なのはがセットアップしても驚かなかったわけである。
 ようやく全てを理解した猿の像。その声は……、

「ものすごく震えています。もう何を言っているか解読不可能です」

 になっているらしい。
 まあ、それはしょうがない事だろう。目の前に巨大な収束砲を構えている白い悪魔がいれば。

「命乞いは無駄だからね。この像を壊せば私達が外に出られるだろうって、ちゃんとユーノくんが解析してくれたから。さすが私のお師匠様だよね♪」

 そういってなのはは……天使のような悪魔の笑顔を浮かべた。

「いくよ、全力全開(乙女の怒り)! スターライトブレイカァァァッッッー(私のファーストキスを返せーーーっ)!」

 放たれる収束された巨大な魔力の塊。それを受け、身をボロボロに砕けさせながら、猿の像は考えていた。

――ああ、冥土の土産に……パンツ欲しかったなあ。

 と。


 こうして、あまりにくだらないロスト・ロギア事件は幕を閉じた。
 例の「モンオト」のゲームは強力な封印を掛けられて現在は聖王教会で厳重に管理されている。
 そして、あの時ゲームを行ったメンバー全員に……。


「さあ、今から六課隊舎の大掃除を開始するで!」

「……あの、主はやて。何故唐突に?」

「いいからやりましょう、シグナム副隊長!」

「そうです! ゴキブリ、ネズミ、そしてゴキブリネズミその他害虫! 全てこの隊舎から抹殺するんです!」

「ス、スバルとティアナまで……一体どうしたのだ?」


「………」

「あなた? なのはからの贈り物、何だったんですか?」

「えっと……大量のバル○ンとゴキ○リ○イホ○とネズミ捕り……」

「……何故?」

「さあ? 何かハラオウンさんのとこもフェイトちゃんから同じようなものが送られてきたらしいけど……」


「ルーちゃん……あなたを、ちゃんと止めて見せるから!」

「………」

「僕も全力で君を止めるから! だけど……」

「「お願いだから地雷王だけは召喚しないでね」」

「……?」


 精神的外傷(トラウマ)は残したようだった。


「あれ? ヴィヴィオ、どうかしたの?」

「あ、シャーリーさんこんにちはー。あのね、虫さんを探してるの」

「虫さん? カブト虫か何かかな?」

「ううん、背中が黒光りする『あれ』って名前なの」

「……はい?」


 除く、ヴィヴィオ。

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 なのはSS「ある自由待機の光景」第三話UPしました、これにてこの中編SSは終了となりますw
 何気にうちの作品ってヴィヴィオがいつもいい味をだしていますw

 次は長編「魔法少女リリカルなのはA→S」を連載予定です。「闇の書」事件終了後~「StS」開始までの空白の九年間にあった事件をアナザーストーリー的に仕上げた作品です。オリキャラとかも結構いたり^^;
 これも原文はあるので明日の更新、かな? がんばりますw

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

Comment

No title

グリフィスとヴァイスは良い思いをしてますね

No title

 >ダブルクエスチョンさん
 同時に女性陣から蔑んだ目で見られていますがww

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