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魔法少女リリカルなのはSS 「わりと動物園な騎士の一日(後編)」

 シャッハがもうカリムを上司と思い始めなくなったようですw 
 ちなみに今回出てきた(多分次回以降もちょくちょく出てくると思う)あれですが、イメージ的にはRO(ラグナロクオンライン)のルナティックを想像していますw あんなに可愛いのにノービスには結構きつい相手なんですよね……。

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「あそこにいるのが動物界脊索動物門哺乳綱ネズミ目ヤマアラシ亜目カピバラ科カピバラ属の『カピバラ』と呼ばれる動物です。主に群れを作って生活し、寿命は五年から十年。草食性で朝夕に活動し、川辺で水中の草や木の葉などを食べて過ごし……」

「きゃあ♪ カピバラさんですカピバラさん♪ はぁ~可愛いよ~♪」

「……ちなみにこれが動物界脊索動物門哺乳綱可愛い動物萌目どこら辺が騎士?亜目何でこんなのが上司なんですか科要するに単なる動物バカ属の『カリム・グラシア』です、特に覚えなくていいですけど」

 どう良いように取ろうとしても無理なシャッハの言葉に「St.ヒルデ魔法学院」初等部生徒のほとんどがどうしていいか分からないような曖昧な笑みを浮かべていた。ちなみにカリムは聞こえているのかいないのか、おそらく後者だろうが完全に無視してカピバラに熱い視線を送りつつ……。

「……って騎士カリムゥゥゥッッッ! 檻の中に入ってカピバラを抱えて来てどうする気ですかぁぁぁっっっ!?」

「もちろんお持ち帰りするんだけど?」

「そんな梨狩りや苺狩りに来たような軽い口調で言わないで下さい!」

 そんなコントのようなやり取りが繰り広げられている「St.ヒルデ魔法学院」初等部ご一行は先程から注目を集めている。動物を見ているよりこちらを見ている方が面白いからだ。いいのだろうか、カリムの趣味モロばれのような気がしてならないのだが。

「そこら辺は何とかして下さい神様(さくしゃ)!」

 んな無茶苦茶な……。

「あの、シャッハ先生」

 と、そんなカオスな空気の中に声を掛けてくる、勇気あるひとりの生徒がいた。

「あら、どうかしました?」

 先程までの態度からは百八十度変わり、笑顔で対応するシャッハ。ここら辺は流石というべきだろうか。
 ちなみにカピバラに頬擦りしていたカリムは今動物公園の飼育員にどこかに引きずられながら連行されている。「シャッハー、助けてー」という声を完全無視している気がするのは気のせいではないだろう。間違いなく。

「あの、さっきからヴィヴィオちゃんの姿が見えないんですけど」

「……へっ?」

 それはぶっちゃけ死亡フラグではないですか? という結論が瞬時に頭を過ぎったシャッハは、

「全員ここで待機! 絶対動かないように!」

 とだけ告げて「ソニックムーブ」でブーストしたフェイトやエリオも真っ青な勢いでその場を駆け出した。


 なおヴィヴィオはすぐに見つかった。以下の説明書きが書かれた檻の中で。

――もこもこうさぎ。体長三十センチほどの長い毛に覆われた愛らしい動物だが、興奮すると巨大化し大きいものは十メートルを超える。また可愛い外見とは裏腹に口腔内が凶悪。

「うさぎさん可愛い~ふわふわ~♪」

「みゅー……」

 そんなもこもこうさぎ(体長三十センチ、泣き声は「みゅー」)を抱きしめ、頬刷りをしているヴィヴィオ。なかなか微笑ましいシーンだとは思う。
 その後ろにもこもこうさぎ(体長十メートル、泣き声は「み゛ゅー」)がいなければ。

「い、いやあああぁぁぁっっっ!? お、おとーさんおとーさん! ほら~そこに~魔王のむす~め~が~!」

 混乱のあまりシャッハはフランツ・シューベルト作曲「魔王」とかを歌い始めている(日本語版)。何故ミッドチルダ出身の彼女が地球のクラシック音楽を知っているのかは不明だが(しかも日本語版)。

「は、早く助けないと!」

 確実に危ない。主に巡りに巡ってシャッハの命が。
 「ヴィンデルシャフト」を取り出し起動しようとしたシャッハだったが、

「待って、シャッハ」

 と唐突に聞こえたその声に遮られる。

「き、騎士カリム?」

 もう開放されたのか……と内心舌打ちしながらシャッハは彼女に視線を向ける。

「駄目よ、そんなものを振り回したら逆にあの子を刺激してしまうわ」

「し、しかし一刻も早くヴィヴィオを助けないと……」

 魔王の粛清が始まってしまうではないか。

「……私が行ってくるわ。シャッハ、あなたはここで待っていなさい」

「えっ!?」

 その言葉の意味を理解出来ず思わず呆けたような声を上げるシャッハを尻目に、カリムはもこもこうさぎの檻の中へと飛び込んだ。

「騎士カリム……」

 流石は腐っても聖王教会の騎士。普段は単なる可愛い動物バカだけどこういう時は頼りになる。
 少しだけカリムの評価を改めつつ、シャッハはその行動を固唾を呑んで見守る。

「………」

 カリムはゆっくりともこもこうさぎ(体長十メートル)の傍にいるヴィヴィオの元に近付いていく。抜き足差し足忍び足、何だか一昔前の泥棒スタイルを髣髴させられるがそれは黙っておく。
 もこもこうさぎ(体長十メートル)は何故かヴィヴィオに何もしてこない。様子を伺っているのだろうか。だがチャンスなのは間違いない。
 ヴィヴィオまで後十歩……九歩……八歩……。

――騎士カリム……もう少しです!

 心の中で声援を送る。そして、七歩……六歩……五歩……。

――がばっ!

「あーん♪ 大きなもこもこうさぎも可愛い~♪ ふかふか~♪ 気持ち良い~♪」

 と、もこもこうさぎ(体長十メートル)付近まで辿り着くと何を血迷ったのかその顔にへばり付き猫なで声を上げるカリム。

「それが目的なのかよっ!?」

 いや、確かにカリムは一言も「ヴィヴィオを助けに行く」とは言っていないけれども。

「カリムさん、ほら、ちっちゃいウサギさんもかあいいよ~♪」

「あら、ほんとでちゅわね~♪ はふぅ……ふわふわ……ふわふわです~♪」

 ヴィヴィオと意気投合したのか一緒になってもこもこうさぎを愛でる六歳少女といい歳した教会騎士。違和感がまったくないのはカリムだからか。
 だがある意味微笑ましいその光景は、

――くぱぁ。

 と開けられたもこもこうさぎ(体長十メートル)の口腔内を見て一瞬で終わりを告げた。
 その開け方はまさに「くぱぁ」である。顎が外れたかのような蛇を思わせる口の開け方は正面から見るとその全身が見えなくなるくらいに大きい。
 問題はそれだけではない。もこもこうさぎの舌だ。
 うねうねと唸り先には穴があって歯のようなものが並んでいる……祖の形状を一言で言い表すならヒルだろうか。正直言って気持ち悪い事この上なかった。これは確かに凶悪だ、口腔内は。

「うっはー……」

 ある程度戦場に慣れている身とはいえ、その外見の可愛さとのギャップに思わず気が遠くなるシャッハ。そして悲劇はそこで終わらない。

――ぱっくん。

「はっ?」

 ぱっくん。
 ぱっくんである。
 一般的にこの擬音が使用されるシーンなどひとつしか思い浮かばないと思う。まさかお風呂に足を入れる音だとは誰も思うまい。「ちゃぷん」ならともかく、そう思った人は頭を冷やすべきだろう。
 まあ早い話、要約すると。
 喰われた。カリムとヴィヴィオが。

「い、いやあああぁぁぁっっっ! ちょ、出して出して! 騎士カリムとか食べたらお腹壊しますよ! そして魔王に殺されますよぉぉぉっっっ!」

 やはり何気にカリムに酷いシャッハであった。そして魔王は怖いらしい。
 どうしよう。もうこのまま身分も何もかも捨ててどこかに逃げた方がいいのではないか。それも出来るだけ早く、遠く。
 と、それは人としてどうよ、いや正しいかもしれない、相手魔王だし的な事を考えながら頭を抱えていたシャッハだったが、

――くぱぁ。

「へっ?」

 再び開け放たれる口。飛び出すカリムとヴィヴィオ。

「楽しかった~♪」

「なかなか快適でしたね、もこもこうさぎさんの口の中」

 そしてその二人の会話を聞いて。
 シャッハがずっこけたのは言うまでもない。


――また可愛い外見とは裏腹に口腔内が凶悪……ではあるが、それは見た目だけで第一口腔内に消化酵素等はなく、むしろ温度湿度共に優れもこもこうさぎが数多く生息する世界ではテントの代わりとして旅行等に同行させる事もある。なお草食かつ臆病な性格なので人を襲う事はまずない。

「……あー、つまりあれですか? この続きを知っていたから、騎士カリムは檻の中に飛び込んだ、と」

「だって~、可愛かったんだもん♪」

 膝に先程まで巨大化していたもこもこうさぎ(体長三十センチ)を乗せ、その背中を撫でながら悦に浸っているカリム。

「可愛かったんだもん(おんぷ)じゃありません! 大体巨大化していたじゃないですか! 巨大化しているもこもこうさぎは興奮状態にあるんですよ!」

「だから、興奮していても根は臆病なので人は襲わないのですよ。じゃないとテント代わりとかに出来ないじゃないですか。それに、ある程度の大きさまでは自分の意思で巨大化も可能らしいですよ」

 流石は可愛いもの大好きカリムさん。可愛いものに関する知識は異常なまでに高いようだ。

「この子はですね、これを私とヴィヴィオに抜いて欲しかっただけですよ」

 と、手に持っていた何かをシャッハの前に差し出す。

「……木の枝、ですか?」

「ええ。これがお口の中に刺さっていたようですね」

 なるほど、それは痛そうだ。

「これを抜いて欲しくてヴィヴィオや騎士カリムを飲み込んだ……という事ですか?」

「ええ。ほら、その証拠にちゃんと抜いたら出してくれたし、大きさも元に戻ったでしょ?」

「まあ、確かにそうですが……」

 何でそんな事が分かったんですか、とは聞かない方がいいのだろうか。絶対「何となく♪」とか理解出来ない答えが返ってきそうだし。

「さて、ヴィヴィオも無事見つかった事だし、そろそろ戻りましょう。みんな心配しています」

「え、ええ、そうですね」

 右手でヴィヴィオの手を引き、左手でもこもこうさぎを抱えながら歩き出すカリムの後を追うシャッハ……。

「……って待てい! 危うくスルーするところだったじゃないですか!」

「……ちっ!」

「ちっ! じゃありません! あなた最近ちょっと言葉が汚い時がありますよ!」

 どこからか「お前が言うな」という声が聞こえてきそうだった。

「いいじゃん! お持ち帰りするの! ほら、この子もこんなに懐いちゃったし……ね?」

「ね?」

「みゅー」

 頬に右の人差し指を当て、首を傾げつつ呟くカリム。隣では何故かヴィヴィオもそれをまねていた。もこもこうさぎも首だけ傾げている。
 何となく微笑ましいシーンではあるのだが、そんなのシャッハに通用するわけもなく。

「ね? じゃないでしょう! てか道端で拾った犬猫みたいに気軽に持ち帰らないで下さい! ああ、これは道端の犬猫なら持ち帰っていいってわけじゃないですよ!?」

「……ちっ」

 その台詞を聞いて今ほど釘を刺していて良かったと思った事はないシャッハであった。

「ね? ちゃんと面倒見るから~」

「だ・か・ら! その子はこの『クラナガン自然動物公園』の動物ですよ! そうほいほい持ち帰ろうとしないで……」

――くぱぁ。

「うわあああぁぁぁっっっ! ちょ、口を開けさせないで下さい!」

「もう、人は襲わないって言ってるのに、ねえもこちゃん」

「そういう問題じゃなりません! その姿そのものが怖いんですよ! てか何気に名前を付けないで下さい!」

「もこちゃん」

――くぱぁ。

「いやあああぁぁぁっっっ!」

 ……どうやら、このもこもこうさぎ(もこちゃん)は完全にカリムを主と認めてしまったようである。
 シャッハは先程の説明文の最後の一行を思い出し、盛大にため息を吐いた。

――もこもこうさぎは犬に似た性質も持っており、一度主と認めた相手には如何なる時も付き従います。また帰巣本能も優れておりこれを引き離すのは容易ではなく……。


 数日後。
 聖王教会のカリムの執務室には、毛の長いうさぎのような生き物が住み着くようになったという。

「ふふ♪ はい、もこちゃん、あーん♪」

「みゅー♪」

――くぱぁ。

「私の目の前でもこちゃんにエサを上げないで下さい!」

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

Comment

No title

ヴィヴィオも暴走ですか・・・
そしてカリムさんの暴走、ごちそうさま。
また次回のおかわりを~~~~

No title

 ヴィヴィオは暴走というより素ですねw 子供なのでww
 次回もがんばりますww

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