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ANGELS STORYS ~LYRICAL NANOHA A&A~ 第八話 「白銀の閃光~Silver lightning~」

 イフリース戦これにて終了w
 ちなみに八話は昨日徹夜して書いていましたww

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《Blitz action》

「はあああぁぁぁっっっ!」

 「ブリッツアクション」による加速で一気にイフリースとの距離を詰めるフェイト。そして手にある突撃槍(ランス)となったバルディッシュをまるでザンバーフォームの時のように大きく振るう。

「おい! その使い方は間違ってるだ……ろっ!」

 「フランヴェルジュ」の穂先を地面に向けるよう縦に構え、イフリースはその攻撃を真正面から受ける。

「うおっ!?」

 金属のぶつかり合う音が響くと同時にイフリースの体勢が大きく崩れた。

「ったく、なんつー重い一撃だよっ!?」

 女だからそこまでたいした一撃にはならないだろうという甘い見通しをしていたのは確かだった。現にイフリースはレイリアの手数は多いが一撃はそう重くない攻撃は全て捌ききった。そしてこのフェイト・T・ハラオウンという戦士……いや魔導師もタイプ的には同じだったはずだ。

「くっ!」

 イフリースは「フランヴェルジュ」を構え直し、その穂先でフェイトに向けて突く。その崩れた体勢からの攻撃への転換は流石というべきか。

「はっ!」

 だが、その一撃をフェイトは軽々と受け止める。
 左手の、ガントレットで覆われた手の平だけで。

「お、おいおい……」

 もはや笑うしかないイフリース。確かに万全の一撃ではなかったが、それほど軽い攻撃でもないはずなのに、それを片手で受け止められてはそうするしかないだろう。

《Sonic needle》

 休むまもなく追撃を放つフェイト。間合いもなく高速で放たれるそのバルディッシュの一撃はまさしく音速の針のようであった。

「うぐっ!?」

 攻撃自体は神衣で防げるが、その高速攻撃が繰り出された時に発生する風圧は対象外だった。それをもろに受けたイフリースは当たり前のように吹き飛ばされ、焼けた砂に突っ込む。

「……ははっ、あはははははは!」

 まあ、ダメージ自体はないので無傷なのは言うまでもないだろうが。

「楽しい、楽しいぜフェイト・T・ハラオウン! 俺に砂を食わせたのはお前が七人目だ!」

「……参考までに聞くけど、あなたを倒した事があるのは何人かしら?」

 するとイフリースは一瞬だけ驚いたような顔になり、そしてすぐに先程以上の笑みを浮かべた。

「……二人だ」

「だったら……私が三人目になる」

「おもしれえ……やって見せろ!」

 お互いが相手に槍の穂先を向けながら、再び対峙する姿勢となった。

「そろそろやばいからな……本気でいかせて貰うぜぇっ!」

「何……?」

「バーニングマテリアル、オーバードライブ!」

《Burning material, Over drive》

 その瞬間、イフリースは球型の魔法人に包まれ、「フランヴェルジュ」と共にイフリース本人が炎に包まれる。そしてその炎は人の形を……いや、人の形をした何かを象り出した。

「これ……は?」

 現れたのは炎を纏った巨大な人……いや、「魔人」とでもいうべき人の形をしただけの異形。背に炎の翼を背負い、「フランヴェルジュ」を右手に埋め込むような姿をした、人のようで人ならざる赤き者。
 実をいえば、フェイトにはイフリースがこのような姿になるような予感があった。過去に戦った他の神獣と同じように、その身を異形に変える可能性を。

「それが……あなたの真の姿?」

――そうだ! これがイフリース様の本来の姿……火の神獣・炎の戦神(イフリース)だ!

 頭に響くような声。同じだ、あの闇の神獣……「アトロポス」の咆哮と。

――うらあああぁぁぁっっっ!

「!?」

 フェイトを鎧ごと貫こうとするかのような右手の一撃。慌てて回避しようとするが間に合わない。

「うっ!?」

 その一撃が左腰の辺りを掠る。幸いその厚い鎧によってダメージはなかったが攻撃の余波がフェイトの身を襲い、体勢を崩してしまった。

――バーニング・インフェルノ!

 その隙を逃がすまいと放たれる追撃。本来の姿になっているからか、発動までのチャージ時間がまったくない。

「鋼鉄の処女(アイアンメイデン)……展開(ドライブ)!」

 今度は避けようとはしなかった。鋼鉄の処女(アイアンメイデン)を展開し、その身を鋼鉄で包み込む。
 数十秒……今までとは違い、かなり長い間フェイトの鋼鉄の処女(アイアンメイデン)はイフリースの
「バーニング・インフェルノ」によって焼かれ続けた。しかしやはり、鋼鉄の処女(アイアンメイデン)はまったくの無傷だ。

「馬鹿な……先程、その攻撃は無駄だと悟ったはずなのに」

 先程までのフェイトと代わるように岩陰でその身を癒しながら戦いを傍観していたレイリアは思わずそう感想を漏らす。それが聞こえたのか、イフリースはその頭に響くような声でその問いに答えた。

――ああ、あの鋼鉄の固まりは。だが、中身はどうだ?

「中身……?」

 その呟きに反応するように鋼鉄の処女(アイアンメイデン)が開く。

「はぁ……はぁ」

 そして中から出てきたのは、頬を赤くし息も絶え絶えとなっているフェイトだった。

「な、何故……?」

 思わずそう問いかけようとして……聡明なレイリアは気が付いた。
 あの鋼鉄の処女(アイアンメイデン)に炎は確かに通じない。だが、その熱はどうだろう……と。

――やはりな……あの鋼鉄の処女(アイアンメイデン)とかが防ぐのは直接的な攻撃のみ。余波で伝わる熱や振動といったものはあの鋼鉄の塊を通じて中に届くんだな?

「………」

 フェイトは何も答えない。ただ鋭い視線でイフリースを睨むだけ。だが、その沈黙がその答えを有に物語っていた。
 まずい、とレイリアは感じる。フェイトがあの「チャリオットフォーム」とかいう姿になってからの彼女のある変化に気が付いていたからだ。そして、レイリアですら気が付いた事に「戦神」を語る彼がその事に気が付いていないとは思えない。

――もうひとつ……その「チャリオットフォーム」とやら、装備者に絶大な防御力を与える代わりに魔力と回避が極端に落ちるのだな?

「……っ!」

 フェイトの表情が変わる。それもまた、答えを物語っていた。
 つまり、そういう事なのだ。
 あの「チャリオットフォーム」とやらは確かに高い防御力を誇っている。片手でイフリースの「フランヴェルジュ」をあっさりと受け止めてしまった事からもそれは明白だ。
 だが、あれはあくまでバリアジャケット、もしくはそれに順ずるものだ。そして、バリアジャケットは何を元に構成されているか……それを考えれば、答えは自ずと浮かび上がる。
 つまり、あの全身鎧を構成するのに、莫大な魔力を持っていかれその他にまわす魔力が極端に減るという事。現に彼女は身体加速魔法である「ブリッツアクション」以外の魔法を使っていない。全てバルディッシュから繰り出される直接攻撃だ。
 そしてもうひとつの変化……本来彼女がもっとも重要視しているはずの「回避行動」。フェイトという女性はスピードに特化する傾向がある為、軽装備を遵守している。彼女のリミットブレイクフォーム「真ソニックフォーム」を見れば一目瞭然だろう。
 バリアジャケットに「重さ」という概念はない。だが先程も述べたようにその構成には魔力が用いられる。「重さ」による負担はなくても「魔力」を消費する事による負担は存在するのだ。
 つまり……今のフェイトには通常通りの回避力はない。先程のイフリースの攻撃を避けそこなった……普段の彼女なら余裕で避けられた速度だったのに、だ。それから見てもこの予想はそう間違ってはいないはずだ。
 そして……「回避」に特化している能力をもつ人間が、「防御」に特化した能力を使用しようとしたらどうなるか……答えは明白だ。
 今のフェイトのように、うまく扱えるはずがないのだ。

「……ふぅ」

 ……その筈なのに、何故フェイトはこの「チャリオットフォーム」とやらを使用しているのだろうか。
 何故、そんなにも冷静な顔をしているのだろうか。
 それがレイリアにはまだ分からなかった。

「あなたの言う事は間違ってはいない。確かにこのフォームだと身体強化系、そして防御系以外の魔法は使えなくなり、そしてその負荷によってスピードが著しく低下する」

 フェイトそう肯定をしながら、バルディッシュの穂先をイフリースに向け構える。

「だけど、ひとつだけ間違っている……このバリアジャケットは、敵の攻撃から身を守るものじゃない、私の身を守る為にある」

――……?

 イフリースがその表情をまるで摩訶不思議なものを見ているかのようなものに変えた。だがレイリアも同じ気分だ。フェイトの言う言葉は一見同じもののように聞こえる。しかしこの状況でフェイトが冗談を言うようには思えない。普段の性格もあるのだろうが、彼女はハッタリといった相手を惑わせる形の戦術はあまり得意ではないと聞いた事がある。
 つまり、この言葉遊びのような台詞にはちゃんと意味があるのだ。

「バルディッシュ、マテリアルオーバードライブ!」

《Chariot material, over drive Rapid move》

 そして、その意味を。

「雷光、神閃! ……シルバー・ライトニングッ!」

《Silver lightning》

 レイリアは……そしてイフリースも。
 すぐに理解する事になった。


 何が起こったのか、それを理解するのにイフリースは時間が掛かった。
 まず「神獣化」……炎の神神たる姿が解かれ、身に纏っていた神衣もぼろぼろになっていた。「エリュシオン・ブリーズ」が発動した形跡はない。そして……仮初の姿である人型になったイフリースは、焼けた砂を背にして倒れていた。
 体の節々が痛み、動かない。その強さゆえに今までかすり傷程度のものしか負わなかったイフリースにとってそれは久し振りに感じる激痛だった。
 イフリースは視線を上に……上空ではなく、前方方向に向ける。
 そこには、先程まで対峙していたはずのフェイトがいた。右手のバルディッシュが魔力の残骸である煙を排出し、マントは僅かに吹く風に揺れている。
 その鋭い視線を身に受けながら、イフリースは悟った。

――そういう、事か。ははっ、確かにあの全身鎧は敵の攻撃から身を守る為のものじゃない。自分の身を自分で守る為の……そしてさっきの攻撃の威力をあげる、攻守一体のフォームってわけか。

 そして、もうひとつの事実も悟る。
 すなわち。
 三度目の、完全敗北を。

――はは、情けねえや……まあ、いいか。いいだろう主よ、俺も力を貸してやるよ。あんたの予想通り俺の暴走を止めやがったこいつに感謝するんだな。

 その心の中の呟きを最後に。
 イフリースの意識は深い闇の中に落ちた。


 つまり、「シルバーライトニング」という技はこういう事なのか、とレイリアはこの現状を分析する。
 先程フェイトが使用した「ラピットムーブ」という魔法は、おそらく「ソニックムーブ」すらも超える超高速の移動魔法……いや、正確には大量の魔力を一気に爆発させ、その時に発生する反動力で加速する魔法のようだ。これなら確かに使用時に莫大な魔力が必要になるが、一度加速してしまえばその後その魔力を維持する必要がなくなる。つまり、「ソニックムーブ」とは違い加速に回すべき魔力を他に回す事ができ、しかもその後の調整が必要ない事からAMFといった魔法の使用が制限される場所でも加速が衰える事がないのだ。現に一瞬消えたと思ったらイフリースの後方に佇んでいたフェイトに一瞬だけシールド魔法が発動していたのが見えた。
 イフリースの「エリュシオン・ブリーズ」が発動した形跡がなかったのもおそらくこの為だろう。何しろあれは「魔法攻撃」に反応するのだから加速後は単なる物理攻撃でしかない「シルバーライトニング」に反応するはずがないのだ。
 そして、そのスピードに乗ってバルディッシュの穂先を尖端とした突撃は正に装甲馬車……チャリオットの名に相応しい強力な一撃になる。要は拳銃の弾と同じ原理なのだ。
 同様にフェイトのいう「敵の攻撃から身を守るものじゃない、自分の身を守る為にある」という言葉の意味も説明が付く。そんな超高速で移動すれば生身の身体が耐えられるはずがない。つまり、超高速移動による身体への負担から身を守る為の全身鎧なのだ。そしてそこまでの防御力を誇る鎧で突撃されてきたのならば、並大抵の防御では太刀打ち出来ないだろう。一旦加速に入ればその鋼鉄の鎧に包まれた身体は真の意味で弾丸と変わらなくなる。槍の尖端だけの攻撃と自身すらも凶器となった突撃……どちらがより強力でより確実か、言うまでもない。
 超高速による突貫物理攻撃、それによる魔法効果の防御系魔法の無効化、そしてイフリースの神衣さえも貫いた威力……「チャリオットフォーム」の弱点を拭ってなお有り余るほどの能力だ。
 欠点を上げるとすればその特性による直進攻撃しか出来ないという点だろうか。まあ彼女の事だ、おそらく何かしらの打開策はあるのだろうが。

――白銀の雷光……「シルバーライトニング」か……あはは、昔から感じていたけど、あの子には何だか勝てる気がしないわ。

 心の中でそう苦笑を洩らすレイリアだった。


「うっ……」

 遠退きそうになる意識をフェイトは何とか気合いで保つ。確かに「シルバーライトニング」は全体で見ればコストバランスの良い魔法……いや、技なのだが、最初にイフリースと戦った時に消費した魔力とカートリッジはそのままだ。あの時確かに何故か力が湧いてきたが決して魔力が回復したわけではない。その状態で、しかもカートリッジによるブーストが不可能な状況でのあの技は流石に堪えるものがあった。
 バルディッシュを地面に差し、それで身体を支えながらゆっくりとイフリースのもとへ向かう。彼には聞きたい事がたくさんあるのだから。
 ……だが。

「……えっ?」

「なっ!?」

 フェイトと彼女を支えようとその傍に寄って来たレイリアが同時に声を上げた。
 消えたのだ。イフリースが。
 まるで始めから存在しなかったかのように、忽然と。まるで夢であったかのように。
 しかし唯一その場に残された一本の槍……「フランヴェルジュ」の存在がその考えを否定する。

「一体……何がどうなっているの?」

 レイリアの口から呆けたように漏れるその言葉は、フェイトの心の声も代弁する形になっていた。嫌な予感に頭を支配される。
 だからだろうか。フェイトも、レイリアも、その音に気付く事はなかった。


 どこからともなく、その耳に微かに聞こえる、笛の音に……。

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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