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魔法少女リリカルなのは 「わりと嫉妬な騎士の一日」

 久々のユーノくん登場、無論ひどい目にあっていますww
 ついでにシャッハさんもひどい目にあっていますwww

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 それは、あるとても晴れやかな日の朝。
 修道女シャッハ・ヌエラは自分が仕える主、カリム・グラシアに朝の訪れを告げるため彼女の部屋に足を運ぶ。
 そっとドアをノックし、返事が無いのを確認すると「またお寝坊さんですか……」と小さなため息を吐きながらドアを開ける。
 そして、彼女の目の前に信じられないものが飛び込んできた。
 先日より彼女が愛玩動物として飼育しているもこもこうさぎ……もこちゃんという愛称で可愛がられている白く長い体毛に覆われた動物が彼女のベッドで寝息を立てていた。
 それだけならば不思議はない。問題はそのもこちゃんが本来の三十センチほどの大きさではなく、二メートルほどの大きさにまで膨れている事だった。
 もこもこうさぎという種の動物は己の身が危機に瀕した時、及び自らの意思でもその体長を最大百倍にまで巨大化させる事の出来る動物である。だからこの形態の変化は説明が付く。
 問題は……。
 その口に、カリムが後頭部だけが出ている状態で入っている事であろう。別名捕食されているともいう。

「――!?」

 思わず口元を押さえるシャッハ。そしておそるおそると目を閉じ安らかな顔をしている、首しかないカリムに声を掛ける。

「騎士……カリ、ム?」

 返事がないと、知りつつも……、

「何ですかシャッハ~?」

 返事が返ってきた。寝ぼけているような、どこか甘ったるい声で。

「い、いやあああぁぁぁっっっ!?」

 やはりというか当然というか、悲鳴を上げ後ろに後ずさりするシャッハ。

「一体どうしたのですかシャッハ~、そんなドアの隙間から雇い主とその不倫相手の修羅場になっている場面を除き見ている家政婦みたいな声を上げて……あら?」

 するとカリムは己の状態に気が付いたのか、「もう、またでちゅか。しょうがないでちゅね~もこちゃんは♪」と甘ったるい声と顔で呟いてからもこもうさぎの口から這い出てくる。その姿はどことなくカタツムリかヤドカリを想像させられた。

「あ、あの、騎士カリム……?」

「ふふっ、どうももこちゃん、大好きなものをお口の中に入れちゃう癖があるみたいなんですよ♪ で、もこちゃんのお口の中って温かくて気持ちがいいので好きにさせているのだけど」

 頬に手を当て笑顔で答えるカリム(パンダの着ぐるみもといパジャマを着用)に、シャッハは数秒の硬直の後、当然のごとくこう叫んだ。

「紛らわしい寝方をしないで下さい! あとその言い回しなんかちょっと卑猥です!」


 先日カリムに(強攻策を使って)引き取られたこのもこもこうさぎ……もこちゃんは、無論カリムが大好きである。
 何しろ口腔内に刺さった木の枝を抜いてくれた恩人なのだ。それに自分を可愛がってくれている事もその態度で示してくれている。
 だから、

「ああーん♪ ユーノくん久し振り~♪」

 彼女が他の動物を可愛がるのは我慢がならなかった。

「………」

 ちなみに何故ここにユーノ(フェレットモード)が居るのかというと、無論拉致されたからである。以上説明終わり。

「いや説明になってないよ!? ていうかあの紅茶捨ててって僕言ったのにまだあったの!?」

「いや本当に申し訳ない……」

「謝るなら目を見て謝りましょうよシャッハさん!?」

 カリムに頬ずりされながら叫ぶユーノだったが、その叫びに答えようとするものはいない。慈愛(カリム)と悲愴(シャッハ)の視線しかなかった。

「――(じー)」

 いや一人……一匹だけ、その光景を恨みがましそうに見つめている動物がいるにはいたが。
 と、その時である。

――ズズーンッ!

「……!」

「ふふっ……来たようですね」

 聖王教会全体を揺らすような地響き。

――こぉらぁぁぁっっっ! また性懲りも無くユーノくんさらったなぁっ!?

 地の底から響くような声。
 間違いない……彼女である。

「もう、しょうがないお方……私とユーノくんの愛の溢れる時間を邪魔するなんて」

「いや溢れてない! むしろ溢れているのは哀だから!」

 そんなユーノの叫びは無論無視された。

「シャッハ、出るわよ……ちょっとだけ待っててね、ユーノくん♪」

 そう言ってユーノの鼻に軽く口付けると、カリムは颯爽と外へと飛び出した。
 その姿は実に勇ましいが、戦いに赴く理由が理由だけにユーノは頭を抱えるしかなかった。
 そしてそれはシャッハも同じようである。

「……シャッハさんも大変ですね」

「もう慣れました……慣れたくなかったですけど」

 実に実感と思いの篭った呟きを漏らしてシャッハはカリムの後に続く。
 ユーノはというと、カリムに言われたとおり彼女の執務室で大人しくしていた。今外に出たらこのフェレットの状態ではあっという間に餌食になる事が分かっていたからだ。
 魔王(なのは)と聖騎士(カリム)のあまりに馬鹿げた理由の馬鹿げた魔力による馬鹿げた魔法大戦の。
 主に諦めの意味を込めたため息を吐き、ユーノはソファーに座ろうと(フェレットの状態では乗ろうと言った方がいいかもしれない)と跳躍した。

――がんっ!

 すると同時に後方から何かがぶつかったような音が聞こえた。後ろを振り返るともこもこうさぎが地面に顔を擦らせていた。
 その光景を不思議に思いながらも、さらにテーブルに乗り移り置かれていたクッキーを一枚手に取る。

――ぼふっ!

 今度はもこもこうさぎがさっきまでユーノがいた地点に飛び込んでいた。先程の顔面突撃で擦りむいたのか、顔が赤くなって目に涙を浮かべている。
 もしかしてあの子もクッキーを食べたいのだろうか。そう思いユーノはもう一枚クッキーを取ってもこもこうさぎの近くに跳躍する。
 驚いたような表情を浮かべるもこもこうさぎ。そして、

――くぱぁ。

 とその口を大きく開けた。
 ユーノはその中の第二口腔内……舌のように見える部分にクッキーを入れた。学者である彼は分野が違うとはいえこのもこもこうさぎの特徴を知っていたのだ。だから傍目かなりグロテスクなこの口腔内を見ても驚きはしなかったのである。
 逆に驚いているのはもこもこうさぎのようだった。口を閉じ、もそもそとしながらじっとユーノを見つめている。
 そんなもこもこうさぎに、ユーノは……。


 チャンスだ、ともこもこうさぎこともこちゃんは察した。
 カリムがいる手前、堂々とあの変な動物を攻撃する事は出来ない。だが何故かカリムは今いる建物が揺れると同時に聞こえた地響きのような声に笑みを浮かべ、外に出て行った。
 カリムがいなくなる事に少々寂しさを感じながらも、これで堂々と目の前の動物……ユーノと決着を付けられる。
 そう、もこちゃんは今、カリムのペットとしてのプライドを賭けた勝負を挑もうとしているのである。
 呆然としているユーノにまずは挨拶代わりの先制攻撃。スピードを乗せたボディープレス。
 だが、ユーノは攻撃が当たる寸前にそれを察したのか突然跳躍し、それを回避する。

――がんっ!

 スピードの乗ったボディープレスはもはやキャンセルが効かず、もこちゃんは顔面から床に突っ込んだ。顔が痛い。
 痛みを堪えながら、ソファーの上にいるユーノを再び捕捉、そして跳躍。
 またもやボディープレス。というかこれしか攻撃方法がない。

――ぼふっ!

 そして再びミス。どうやら予想以上に手強い相手のようである。流石は自分の主が気にいる相手という事か……ともこちゃんはユーノに対する認識を改めた。
 ……もちろん、何もかももこちゃんの勘違いなのだが。
 すると何を思ったのか、ユーノは自分の方に跳躍してきたのだ。驚いたもこちゃんは、

――くぱぁ。

 と口を開け威嚇をする。
 だが、ユーノはそれに驚きもせず、もこちゃんの本当の口の中に何かを入れた。
 驚き慌てて吐き出そうとするが、何やら甘い食感にそれを思い留まる。そして改めて味わってみると、それはユーノが来るまでカリムが自分に食べさせてくれていた「くっきー」という食べ物だという事が分かった。
 まさか、この動物は自分に食料を分けてくれたのか……それはカリムに引き取られるまで動物園という擬似自然界にいたもこちゃんにとって衝撃的な出来事だった。
 それだけではない。ユーノはその手でもこちゃんが先程地面で擦った顔を優しく触れると……。


 もこもこうさぎの下にミッド式の円形の魔法陣が現れる。ユーノが魔法を発動したのだ。
 先程地面で擦った傷を癒す、回復魔法を。
 みるみるうちに赤くなっていた部分が小さくなり、擦り傷が消えていく。数秒もしないうちにもこもこうさぎの顔は元通りになった。

「もう大丈夫だと思うよ」

 そう声をかけ、傷のなくなったその顔を優しく叩く。
 すると……。

――ぽっ。

 もこもこうさぎの顔が……正確には人間でいう頬の部分が赤く染まった。

「………」

 まさかと思い、後ずさりをするユーノ。追ってくるもこもこうさぎ。
 その姿を見て、ユーノは何となく悟った。

――この子、もしかして……女の子(めす)?


「ふぅ……手間を掛けさせてくれましたね?」

「ふがー! もがー!」

 五つのバインドでぐるぐるの簀巻きにされ、魔法を唱えられぬよう口に猿ぐつわをされ、おまけに何故か亀甲縛り(でも元がすでにぐるぐる巻きなので色っぽくはない)で宙吊りにされているなのはにカリムはそう言って微笑む。勝利者の笑みであった。どことなく邪悪だったが。

「ふふ、ではそこで私とユーノくんのらぶらぶな姿を見届けてくださいね」

「ふがー! もがー!」

 微笑むカリム。唸るなのは。台詞だけ聞くとどこぞのドロドロとした昼ドラのような展開だが、その相手が動物(元は人間だが)なのでどこか気が抜けそうなのは気のせいだろうか。
 ちなみにシャッハはなのはが初手に放ったディバインバスター(カートリッジ全弾使用)を受け(というかカリムに向けて放たれたそれを当人に笑顔で盾にされた)、地面に黒こげで転がっていた。
 そんなシャッハを踏みつけ(蛙を踏み潰したような声が聞こえた)、意気揚々と自室に戻るカリム。

「ただいまー♪ ユーノくん、お待たせ……あら?」

 そして目の前に広がる光景に、カリムは思わず疑問符を浮かべる。
 喰われていた。ユーノが。何故かカリムの時と違い上半身が。
 その様子をしばらく見ていたカリムは唐突にぽんっ、と手を叩くと、

「もこちゃんもユーノくんが気に入ったのですね♪ 流石私のペット。良い趣味をしています♪」

 嬉しそうに呟くカリムに、もこちゃんは、

「みゅー♪」

 こちらも嬉しそうな声で鳴いていた。
 同時にどこからか咽び泣くような声が聞こえたが、それは二人(もといひとりと一匹)の耳に届く事はなかった……。

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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