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ANGELS STORYS ~LYRICAL NANOHA A&A~ 第九話 「一角獣の女騎士~unicorn knight~」

 何だか久しぶりの更新ですね。
 先々週のコミケ参加&この九話が異様なまでに難産だったため時間掛かっちゃいました、申し訳ないです。
 コミケは一般参加でしたw なのは島巡り楽しかったですよww
 あと、「ものがたり屋。」は秋から色々とやっていく予定です、決まり次第ご報告していきますねww

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 南半球、海上。
 とはいってもこの世界の南半球側には文字通り一面海しかない。必然的に海上が移動場所に、そして、

「来(こ)よ、白銀(しらがね)の風、天よりそそぐ矢羽となれ……」

 戦場になりやすい。

《Hræsvelgr》

「フレースヴェル……がっ!?」

 リィンとユニゾンし、はやてお得意の長距離からの攻撃魔法を放とうとする。
 だが、何故か放とうとした瞬間、強烈な痛みが全身に走るのだ。そのせいでせっかく集中させた精神が乱され、形成した魔力が拡散してしまった。
 これが先程から、大きな魔法を使おうとする度に起こっているのだ。

「フロッド・ノア……フリージングマテリアルチャージ!」

《Freezing material, Charge》

 水の神と名乗ったアクオーンのその声に彼の持つ弓が反応する。その周囲を包むように球型の魔方陣が展開され、それはその弓……「フロッド・ノア」へと吸い込まれるように消えていった。

――間違いない……これは!

 第三の、いや、正確には現在は主にミッド式とベルカ式に分かれている魔法形態の祖とも言える術式。
 禁断の地とされてきた、神々の始まりの地の名を持つ魔法形態。その名を、はやてだけは知っていた。

「アルハザード式……!」

「さあ、凍結の羊飼いよ、反逆者を飼い馴らせ……『フリージング・エンディミオン』!」

《Freezing endymion》

 アクオーンが「フロッド・ノア」の弓を引くと、そこに氷の矢が現れそれを放つ。その瞬間、絶対零度の風がはやての周囲に吹き荒れ、その足元に広がる海すらも凍りだした。そう、まるではやてを氷付けにし、それを飼う為の地を作っているような、そんな冷たい瞳ではやてを見つめながら。

「!? リィン!」

《はいです! パンツァーシルト!》

 はやてに冷気が届く直前、ベルカ式のシールド魔法「パンツァーシルト」で防御するはやて。だがその威力は想像以上に凄まじく、攻撃が止み魔法を解いたはやてにはリィンの補助があったにもかかわらずあちこちに凍傷が見られた。

――……防御魔法は使えるんか。て事はさっきからうちが魔法を使おうとしている時に走る激痛は攻撃魔法に反応する、もしくは……。

 大きな魔力に反応するか、そのどちらかなのだろう。
 どちらにしろ、アクオーンの攻撃はどれも凄まじく完全に防御する事が出来ない。このまま攻撃出来ない状況が続けば間違いなくジリ貧だ。

――何とかしてこの状況を打破せんと……!

 頭でこの状況を打破する方法を必死で探す。なのはやフェイトのように感覚で動くのは得意ではないが、その代わり論理的な戦術と行動は間違いなく三人の中では一番上だろう。だから、はやては考える。それが自分に与えられた才能と、そして……役目なのだから。

「……その程度なのか? あの方の伴侶たる存在なのに」

 すると、冷たい視線でこちらを見ていたアクオーンが小さく、しかしはっきりとした声でそう呟く。

「……何やて?」

「この私の『インビシブル・バグ』の正体も分からないような者が伴侶とは信じられないのだよ……色気で釣ったとはとても思えない体型だしな」

「なっ!? う、うっさい!」

――確かになのはちゃんやフェイトちゃんに比べたらそう大きくない方に……というか幼馴染み五人組の中でワースト一位なのは認めざるを得ないんやけど、だからといって決して小さいというわけではないんやで! ちゃんとそれなりに、慎ましいくらいにはあるんや! というか周囲が大きすぎるだけなんやで! うーんしまった、揉み過ぎたかな……。

《あの、はやてちゃん?》

 時間にしたら一秒にも満たない頭の中での呟き……というか愚痴にリィンは思わず声を掛ける。放っておくと主が壊れそうな気がしてならなかったのだ。

――うおっ!? しまった、リィンとユニゾンしとったんやったわ。

《忘れていたですか? 何かちょっと悲しいのです》

 頭の中に響く鼻をすするような音に、はやてはこちらも頭の中で謝りながらも先程のアクオーンの言葉を反芻し、その意味を考えていた。

――『インビシブル・バグ』……これってさっきからうちが攻撃魔法を詠唱しようとすると走る激痛の事やろな?

《ええ、多分そうです。直訳すると『見えない虫』ですけど……》

――まあ『それ何?』って聞いて答えてくれるとは思えんけどな。

《そうですね》

 そう言って二人で笑い合う。これも頭の中で。

――どうする? 正直負けを認めるようで気分悪いんやけど……ここは一旦撤退して体制を整えた方がええかな?

《そうかも知れないです。その『インビシブル・バグ』の正体や詳しい効果が分かれば対応も考えられます。アクオーンは古代ベルカ時代……神話の時代から存在している『神獣』です、という事は……》

――『夜天の書』や『蒼天の書』にその事が載っている可能性がある。

《です》

 悔しいがアクオーンの言うとおりはやては決して強くはない。SSを誇る魔力を保持してはいるが、それを行使するには初代リィンフォースが残してくれた、そしてはるか過去より蒐集されてきた『夜天の書』に記録されたあらゆる魔法や魔法戦術に関する知識と、ユニゾンによるリィンフォースⅡのサポートでようやく制御が可能になるのだ。

――確かにいずれは倒さなければ……「暴走」を止めなあかん相手や。でも、それは同時に確実に倒さなければならないという事も意味している。勝率が八割でも九割でもあかん、確実に勝てる状況での戦いでなければあかんのや。

 そう自分に言い聞かせる。この件では、自分はなのはやフェイトとは違う位置に身を置いているのだ、と。

「……お前は、何故あの方の伴侶とのなった?」

「え……?」

 そのアクオーンからの問いかけは、唐突で、しかし今まではやてが考えた事のない問い掛けだった。よくよく考えればおかしな話なのだが。

「な、何でって……」

「お前は本来あの闇の神獣『アトロポス』と、それに関係して少々早い喰鬼に目覚めてしまう創世の神の再封印の為に選ばれた、いわば仮初の伴侶だ。お前の役目は『アトロポス』を止め、あの方が『神具』を取り戻した時点で終わっている」

「………」

「お前にも分かっているはずだろう。この戦いは本来お前達普通の人間が関わっていいものではない。二人の神が全ての存在を賭けて戦う……いわば『神戦』だ。あの方も、この戦いにお前が参加する事を望んでいたか?」

 否だ。彼はあの日、自分に「蒼天の書」を与えて……そこで自分との関わりを絶つつもりだったはずだ。では何故自分はいまだこの件に関わっているのか。そう遠くない先で起こるはずの、望まない争いに身を投じると理解していながら。

「もう一度、問い方を変えて問おう。お前は何故あの方の伴侶を続けている?」

 明白だった。

「うちが……それを望んでいるからや!」

 シュベルトクロイツを大きく振るい、真っ直ぐな視線でアクオーンを見据える。
 強い意思を込めた、視線で。

「……それが答えか。ならば……まずは私を止めて見せよ! 神獣一体もまともに戦えぬようではあの方の足手まといにしかならぬのだからな!」

 アクオーンが嬉しそうに……本当に嬉しそうな笑みを浮かべて再び「フロッド・ノア」の弓を引く。再び現れた、しかし先程より一回り小さい氷の矢がはやての方へと向けられる。

《はやてちゃん!》

――分かってる、戦う気はない……今は、な!

 そうリィンに告げ、はやては転移魔法を発動させる。だが、

「ぐっ!?」

――これは、『インビシブル・バグ』!? しまった、攻撃魔法に反応するわけやなかったんか!?

「私の挑発に乗らず選択を誤らなかった事は評価に値するが……判断は誤ったようだな」

 どうやら読まれていたようだ。はやてがこの場から離脱しようとしていた事を。

《Frozen fang》

「凍て付け! フローズン・ファング!」

 再び展開される球型の魔方陣。はやて目掛けて飛んでくる氷の矢。

《はやてちゃん!》

「くっ!」

 辛うじてそれを避ける事に成功する。だが、

「私の氷の牙をなめるな!」

《Turn》

「なっ!?」

 後方の光景に、はやては目を見張った。氷の矢が静止して向きを変え、再びこちらに向かってきたのだ。

《Frozen fang》

 そして前方からはもう一発の氷の矢。

《は、はやてちゃん! シールド魔法の展開が間に合わないです!》

 リィンが慌てた声でそう告げてくる。

「あ……」

――なのはちゃん……フェイトちゃん……アトラ、くん……。


「あ……れ?」

 今回は流石にもう駄目かと思った。「うちもなのはちゃん達と同じようにデスクワーク主体じゃなくもうちょっと訓練系を増やした方が良かったかな?」とか考えながら。
 だが、アクオーンの放った攻撃がはやてに届く事はなかった。

「なるほど。一定数値以上の魔力を感知するとその源に向かい、そしてその身体に何かが触れると小規模の爆発を起こす。構造は単純ですが、精神集中を必要とする大きな魔法を使う状況、取り分けはやてやなのはさんのように後方からの火力支援魔導師にとってはこれ以上に厄介な存在はない。それが、この空域に無数に飛来している。これではやてが手も足も出ないわけね」

 はやてを包むように展開されていたフィールド系の防御魔法。いつの間にかはやての隣に佇んでいた、ひとりの女性。
 金色の髪をなびかせ、騎士甲冑に身を包んだその女性ははやての方を振り向くと、

「大丈夫? はやて」

 と優しい笑みを浮かべて尋ねてくる。

「カリ、ム?」

 はやては信じられないといった表情で女性……聖王教会騎士、カリム・グラシアを見つめていた。

「あら、どうしたの? 私の顔、何か付いているかしら?」

「いや、相変わらず羨ましいくらい綺麗な顔やで……じゃなくて! どうしてここにカリムがいるんや!?」

「決まっているじゃない。貴女を助けに来たのよ」

 何の躊躇いもなくそう告げてくるカリムにはやてはその頬を少しだけ赤く染めた。

「そ、それと、カリム……それ、何?」

 頬と同じように、少しだけ言葉を詰まらせながらはやてはカリムの下を……正確には彼女が今乗っているそれを指さした。
 今ここは海の上……海上の上空である。つまり、この場に留まるには飛行魔法を使うか、もしくはそれに準ずる飛行手段を持っていないといけない。
 そしてカリムがその手段として用いていたもの、それが……。

「……ユニコーン・ペガサス」

 そう呟いたのは、突然の闖入者にもまったく動じた様子を見せていないアクオーンであった。

「あら、流石にご存知でしたか。ええ、かつて聖王が愛し、そして聖王を愛していた聖なる獣……『聖獣』。この子は聖王教会が確認している、その唯一の存在です」

 背に翼と額に角を持った真っ白な馬……ユニコーン・ペガサスはカリムのその言葉に答えるように鳴く。そしてまるでアクオーンを牽制するかのように、その額の角を向ける。

「だがそれはお前達の歴史の中での事。本来そのユニコーン・ペガサスは我ら『神獣』になり損ねた、ただの獣に過ぎない」

「そう……『神獣』になれずにいた事を悔やみ、そして私達聖王教会の祖、『聖王』に仕える事を選んだ反逆の獣……しかし私達にとっては現世にその存在を残す、もっとも尊き『聖獣』」

「えっ……?」

 そのカリムの言葉に、はやては驚愕の表情を浮かべた。アクオーンもまたそんなカリムに訝しげな視線を送っている。

「……皮肉なものですよね。神を裏切り、道具として扱おうとした忌まわしき戦いの記録は私達人の世界では抹消され、その時のアルハザードの民の生き残りが『ベルカ』という名の国を作り、『聖王』を祖として再び起こし勝利した戦いは『聖戦』として記録に残された……そんな、自分勝手な人の世に絶望したから、貴方達の主……破滅の神は我らを滅ぼそうと言うのですか? 三度目の、『神々との戦い(ラグナレク)』を起こす事によって」

 氷のようなアクオーンの視線を真正面から受け止めながら、カリムはそう尋ねた。

「……それに対する答えは、ただひとつ。そして、これはわれら『神獣』全員に共通する事」

 そしてアクオーンはそんなカリムの凛とした姿に敬意を払うように、ただこう述べる。

「我らは……破滅の神『アトランティス・セルヴィー・ジェノサイド』に仕え、かのお方の利益の為だけに動くもの……例えそれを、あのお方が望まぬとしても」

 まったく迷いのない瞳と言葉で、その意思を。

「……さて、はやて。貴女はどうする?」

「え? うち?」

 唐突に話を振られ、当然の事ながらはやては困惑した様子を見せた。正直、カリムが現れた時点からはやての頭の中は混乱しっぱなしである。

「こんな事、書に記されとったかなあ?」

《いいえ、書かれてないです》

 そうでなあ……と小さく呟いてから、はやてはまずカリムの方に向き直った。

「まずカリムに質問。何で『正史』を知っとるんや? そしてそれを信じてるんや?」

 正史とは先程カリムが述べた、本来の歴史の流れでありながら様々な思惑が絡んだ事によって消され、あるいは捻じ曲げられた史実である。ミッドチルダで大きな力を持つ、しかし神を我が物にしようとした人間の『業』に満ちたその史実に大きく携わっている聖王教会が認めるわけにはいかない、いわば「史実であってはならない史実」なのだ。
 だが、その聖王教会の「騎士」であるはずのカリムが平然とその史実を認めているような口調で述べているのである。しかも「聖王」に仕えていたという聖獣に乗って。
 正直これ以上矛盾に満ちた光景を、はやては未だかつて見た事がなかった。

「あら、簡単な事よ……教会の中にも、真実を知る者がいるという事。そしてそれでも、罪深き人々を守りたいと思う者もいるという事。ただそれだけ。だって……」

 カリムは意味深な視線ではやてを見つめながら、

「私達『人』が神を道具として扱おうとした事も事実であると同時に、『神』が人を滅ぼそうとし、それを『聖王』が守ろうとした事もまた、事実なのだから」

「あ……」

 そこでようやく、はやてはカリムが言わんとする事を理解した。
 確かに引き金を引いたのは人間の『業』かもしれない。そのことで神の怒りを買い、滅ぼされるのならばそれは紛れもない「天罰」だ。
 しかし、だからといってその日を大人しく待つほど……「人間」は、大人しい存在ではないのだ、という事を。

「更に『業』を重ねるか……罪深き人間よ」

 呆れたように呟くアクオーンに、カリムは満面の笑みで呟いた。

「人間、舐めないで下さい。それに……貴方達だって、同じではないですか」

 まるで何かを試すかのようなカリムの言葉に、アクオーンもまた笑みで答える。

「……違いない」

 そんなふたりの様子を、はやては呆気に取られながら見つめ、

――この二人って……。

《似たもの同士、みたいです》

 とリィンと二人で頷きあっていた。

「……あともうひとつ。カリム、あの『インビシブル・バグ』……何とかできる?」

 はやての言葉に、カリムは一言こう告げる。

「もう、やっていますよ?」


「へっ?」

 思いもよらなかったカリムの言葉に、はやては唖然とした声を上げてしまった。

「何の為に私達の周りにフィールド系の防御魔法を張ったと思う? わざわざ治癒と防御に長けた聖獣『ユニコーン・ペガサス』まで連れて……」

「え? ええ?」

 相変わらず現状が理解出来ないはやて。だが、アクオーンの表情はというと見るからに変わっていた。

「バグが……消えた? いや、これは……」

 アクオーンはそこで一度言葉を切ってから、信じられないといったような表情で呟く。

「死んでいっている?」

「……ちょっと賭けの部分もありましたが、どうやら成功のようですね。『インビシブル・バグ』が生命体であるかどうかが、勝敗の鍵でしたので。これが駄目だったらはやての計画通り、逃げるしかありませんでしたし」

 微笑を絶やす事無くそう告げるカリム。無論、驚いているのはアクオーンだけではない。はやてもだ。

「あの、カリム? 一体何をしたん?」

「ふふっ、この聖王教会騎士、カリム・グラシアは騎士の座にありながらシャッハみたいな護衛を付けないとならないくらいに弱い。私の稀少技能(レアスキル)も戦闘では役立たずだという事は私自身が十二分に理解しているから、機動六課設立時も私は後方支援に殉じていた。でも……だからといって、私は決して稀少技能(レアスキル)がひとつだとは言っていませんよ?」

「な、なぁっ!?」

 とんでもない爆弾発言に、はやてはもはや驚く事しか出来ない。何も言葉を発しないところを見るとリィンも同じようである。

「本来なら封印すべきこの最弱にして『最凶』の力……最愛の友人、はやての為に今こそその封印を解きましょう!」

《Deathly stream》

「さあ……吹き荒れなさい! 死の気流『デットリー・ストリーム』!」

 そう告げるカリムの横顔を見て、はやては初めて。
 姉のように慕う彼女の事を、「怖い」と感じていた。

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

Comment

第九話、感想。

おほっ。ついに騎士カリムの可愛がっているペット『ユ二ちゃん』登場……て、こっちのカリムさんは可愛恐慌は起こしたりしませんか(o´ω`o)
虫ですか。ずいぶんと名前と合わないというか…。体内の水分云々とか想像を働かせてました。あれ、それだとネチネチやる必要が無くなってくる。体内水分量を操っ(ブツブツ

閑話休題なの ⌒*(・∀・)*⌒

さあ、カリムさんの"もう一つ"のレアスキル御目見えですね。どうも勝手に死滅してますね、物騒な能力ですことで。

No title

 >白金燈也さん
 感想ありがとうございますw
 まあ、かなり物騒な能力ですよねw ちなみにこの能力、元ネタがありますw そちらでもかなり凶悪でしたよww
 ちなみにこのカリムさんは綺麗なカリムさんですので(マテw

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