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魔法少女リリカルなのはSS 「わりと迷子な騎士の一日」

 ご無沙汰しています、ショウ,ですw
 現在一次創作に専念している為週一更新になっています><; そのくせ一次創作の進行度低すぎるというオチ……誰か執筆速度が上がるデバイス型ペンを下さいw

 今回は久々のカリムさんSSw 最近ある知り合いの影響で当初登場予定のなかったある人が出てきますw
 なお、このSSの可愛いもの大好きカリムさんとタメ張れるほどの犬好き設定になっていますが、多分あながち間違ってはないと思うんだw

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「………」

――おろおろ。

「………」

――おろおろおろ。

「……ううっ」

――おろおろおろおろ。

「ど、どうしよう……」

 とある海の見える街。その街道。そこで聖王教会の騎士、カリム・グラシアはおろおろと誰がどう見ても慌てている様子でうろうろとしていた。
 ちなみに今の彼女は普段の礼服ではなくTシャツ(フェレットのプリントが入っている)に薄い上着を羽織り、長めのスカートという普段着と言い表せる恰好だった。髪型もポニーテールにしている。
 本人としてはフリルやリボンがひらひらとたくさん付いた可愛らしい服を着たかったのだが、流石に自分には似合わないという自覚があった。可愛いものが好きだが美的感覚はまともなのである。それにそんな姿をしていては変装の意味がない。
 ……そう、カリムは今変装をしていた。理由は簡単、というか「変装」という言葉が指し示すとおり知り合いに見つからない為である。
 今カリムが訪れている世界は彼女が普段暮らしているミッドチルダではない、別の世界である。よってそこまで凝った変装は必要ないのだが、それでもこの世界には少数ながらミッドチルダ出身の人間がいる。聖王教会の礼服は目立ち過ぎるのだ。
 それに自分で言うのもなんだがカリムは結構位の高い人間であり、顔を知る者も多い。ほんの一人握りしかいないミッドチルダ出身者にも知られているかも知れないのである。
 その為ちょっとした変装はやはり必須なのであった。
 では何故彼女は変装が必要だったのか。普通の公務なら特に必要ないはずである。すなわち、今日の来訪は普通の公務ではないのだ。
 そしてその理由は、今彼女の手に握られている一枚の紙の存在であった。

[全国わんわんにゃんにゃん大祭り開催中!]

「わ、私はただシャッハの目を盗んで教会を抜け出して、今日までだっていうこの『全国わんわんにゃんにゃん大祭り』で犬さんと猫さんに囲まれたかっただけなのに……ま、迷ってしまいました……」

 ……早い話、そういう事である。


 カリム自身は自覚がなかったのだが、実は彼女、極度の方向音痴なのである。
 まあ、普段は聖王教会での執務だし、外に出る時は常にシャッハが同行してくれていた。自覚が生まれないのもしょうがない事なのである。

「ど、どうしよう!? シャッハに連絡を取って……ああっ!? でもまだ『全国わんわんにゃんにゃん大祭り』で犬さんと猫さんに囲まれてキャッキャウフフしていない!? 上下左右上上下下左右左右にたくさんいるであろう犬猫さんに会っていない!? シャッハに連絡したら問答無用で連れ戻されるに決まっているから……ああ、まだ連絡なんて出来ない! でも、でもっ……!」

「あの……こんなところで何をしてるんですか?」

「えっ?」

 道の真ん中で頭を抱えて苦悩している美人だけど怪しさ大爆発のカリムに、少々引き気味ながらも声を掛ける勇気ある一人の少女がいた。
 カリムと同じ金髪の少女だ。年はカリムより少し下だろうか。肩くらいまでの髪とちょっと気の強そうな顔立ちが活発そうなイメージを与える。

「え、えっと……あの、ここに行きたいんですけど……」

 そう言ってカリムは持っていた『全国わんわんにゃんにゃん大祭り』のチラシを少女に見せる。手にとってそれを眺めていた少女だったが、不意に「あっ……」と声を上げたかと思うととても微妙な顔になる。

「あのー、大変言いにくいんですけど……」

「はい……?」

「これ、昨日で終わっています」

「えっ……?」

「ですから、この『全国わんわんにゃんにゃん大祭り』は昨日が最終日だったんですよ。確か今日からは『全国思わずうまいぞーと叫びながら目から光線が出る食べ物大祭り』が始まっているはずです」

「………」

 少女の言葉はカリムの耳に届くのに十秒。その意味を理解するのに十秒。計二十秒後。

――ふらぁ。

 カリムは倒れた。

「ちょっ!? しっかりして下さいよ!」


「あの、これどうぞ」

「申し訳ありません。お心使いに感謝いたします」

 近くの公園で少女に介抱されていたカリムは、そう礼を述べて差し出された缶の紅茶を一口飲んだ。

「あら……意外に美味しい」

 前にはやてに紅茶を出した時に「やっぱり茶葉から入れる紅茶は美味いな~缶入りのとは味が大違いや」と言っていたので期待はしていなかったのだが……いい意味で裏切られた。

「最近は缶の紅茶も力を入れるところが多くなってきましたから、数年前と比べると段違いになっていますよ」

 そんなカリムの反応を察したのか、少女がそう言って笑った。

「ていうか、あなたやっぱりどこかいいところのお嬢様なんですね」

「え?」

 その言葉にカリムは少々驚いた。あながち的外れな言葉ではなかったからだ。

「普通は缶入り紅茶の味に驚くなんてしませんから」

「はあ……そんなものなのですか?」

「そんなものです……でも、そんなに行きたかったんですか? 『全国わんわんにゃんにゃん大祭り』に」

「もちろんです! 上下左右上上下下左右左右に犬さんと猫さんを侍らせてキャッキャウフフしたかったです!」

「そ、そうですか……」

 カリムの変わりように一瞬引きかけた少女だったが、何とか踏み留まり、

「……ちなみにどんな種類のが好きなんですか?」

 と何気ない質問をした。
 それがカリムのスイッチを入れる言葉だとは知らずに。

「え? そうですね……アイリッシュ・ウルフハウンドは格好良いし、チワワやダックスフントは可愛いし……」

 と次々に犬種を答えるカリム。十分も経たないうちに三十種類以上の名前が次々と上がっていく。
 すると、少女の顔も苦笑から真面目なものへと変わっていった。

「……大型犬と小型犬、どっちが好き?」

「うーん、小型犬は抱っこ出来るし、でも大型犬のお腹を枕にしてお昼寝するもの素敵だし……あえて言うならどっちも好きです」

「……犬と猫では?」

「そんな! 選べと言うのですか!? そんな残酷な事出来ません!」

「……フェレット、好きなの?」

「はい! 知り合いにフェレットになれる……もとい、フェレットを飼っている方がいるのでよくだまくらかし……よく来ていただいています」

「……最後にひとつ聞くわ。あなたの好きなものは?」

「愚問です、決まっています!」


「「可愛いもの全般が大好きです!」」


「「………」」


 盛大にハモる二人の声。見つめ合う二人の視線。そして……、


「「友よー!」」


 がっちりと握られるお互いの手。

「気に入ったわ! 私が犬好きであろうという事を悟りながらも己の趣味趣向を余すところなく語るその気高さ! 恥ずかしがる事なく声高らかに愛を叫ぶ姿! フェレット好きだというのもポイント高し!」

「あなたこそ素晴らしいですわ! あれだけの数の犬種を知っているという知識。真偽を見極めるその冷静さ……ぜひ私のもとに来て欲しいくらいでしたわ!」

 どうやら今ここに新たな友情(可愛いもの大好き同盟)が成立したようである。金髪の少女は敬語からタメ口に変わっているし、カリムもその事を気にしている様子がない。

「あなた、よかったらうちに来る? 『全国わんわんにゃんにゃん大祭り』ほどじゃないけどうちにもたくさんの犬がいるわよ」

 その甘い囁きに、カリムは身を震わせた。

「……ゴールデン・レトリーバーはいますか?」

「ええ」

「シベリアンハスキーは?」

「もちろん」

「狆(ちん)は!?」

「当り前じゃない!」

 少女の言葉に、カリムはもうこう答えるしかなかった。

「どこまでも付いていきます!」

 少女の手を握りしめ、瞳を「キラッ☆」とさせながら叫ぶカリム。

「あ、そうだ。猫も好きなのよね? 私の親友に猫屋敷と言っても過言じゃないくらいの数がいる家に住む子がいるけど……どうする?」

「ね、猫屋敷……!」

 それはカリムにとって甘味料よりも甘い響きとなって耳に響いた。猫喫茶には行った事があったが今度は屋敷である。それこそ埋もれるよなたくさんの猫がいるかもしれない。
 人によってはある意味恐怖かもしれないが、カリムにとってはそこは約束の地(エリュシオン)以外の何物でもない。

「ぜひ……ぜひ連れて行って下さい! お願いします!」

 デパートで親におもちゃをねだる小さい子供よろしく、瞳を潤ませながらカリムは手を胸の前で組んで懇願した。

「オーケー、連絡しておくわ。取り敢えずまずはうちの犬を見て行ってよ♪」

 微笑みながらウィンクをする少女。その姿はカリムにはまさに聖母のように映っていた。

「あ、ありがとうございます! あの、ぜひお名前をお教えいただきたいのですが……先ほどの会話の中にも出てきた猫屋敷の主様のお名前も」

「え? あ、そっか、そういえばまだ名乗っていなかったわね……」

 少女はそう言って笑うとカリムに向き直る。

「私はアリサ。アリサ・バニングスよ。猫屋敷の主の子は月村すずかっていうの」

「アリサさん……すずかさん……」

 頭の中で「あれ? どこかで聞いたことあるような……」という疑問が走ったが、それはすぐさま犬と猫の脳内大行進によって彼方に飛んでいった。

「あ、私はカリム・グラシアと申します。以後お見知り置きを」


 ちなみに。
 カリムとアリサ、そしてすずかが三人共通の友人達を通して再び出会うのはもう少し先の話である。

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

Comment

No title

>シャッハと同じ金髪の少女だ。
シャッハって金髪でしたっけ?
カリムとフェイトは金髪ですが、
シャッハは赤紫と言うか濃桃と言うかだと思いますが

No title

 >ダブルクエスチョンさん
 はい、盛大なこちらのミスですorz
 カリムと同じ~が正解ですね。失礼いたしましたww あまりに恥ずかしかったので修正しましたww

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