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魔法少女リリカルなのはSS 「フェイトとシャンプーハット」

 11/9に行われる「リリカルマジカル5」のサークルカットをお願いしていた「辛ぽて亭」のしもさんからブツが届きましたw


リリマジ5サークルカット


 カリムさん可愛いですww

 なお、リリマジは「春の花吹雪」の桜花さんと合同で参加していますw カリムさんの合同誌ですw 詳しい情報は決まり次第随時ご報告いたしますねww

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 時空管理局次元航行部隊所属、現在古代遺物管理部「機動六課」に出向中である執務官、フェイト・T・ハラオウン。
 ランクS+という魔力を保持し、スピードと自己属性である雷を駆使して戦うテクニカルタイプの戦闘魔導師でもある彼女だが、その性格は感情表現が少し乏しい感はあるが優しく、包容力があり、何より面倒見の良い人間である。特に自分より年下の子供には周囲から「甘過ぎる」と呆れられるほどだ。
 そんな、絵に描いたような理想の女性である彼女だが、たったひとつだけ誰にも言えない……一番の親友でもあるなのはにでさえ言えない秘密があった……。


「………」

 フェイトはあるものを握り締め、難しい顔をしながら硬直していた。
 今彼女がいるのは機動六課隊舎のシャワールームの前である。何故いるのか、もちろん今日一日で掻いた汗を洗い流す為である。流石にここで戦闘訓練をするはずがない。過去にヴィータとシグナムはスパの脱衣場で争いかけた事があるらしいが。
 普段はなのはやはやて、キャロ、ヴィヴィオといった面々と一緒にゆったり出来る大浴場の方に行く事が多い。そこでなのは達と語り合ったり、キャロやヴィヴィオの髪の毛を洗ったりしてあげるのがフェイトの楽しみのひとつなのだ。
 まあ、特定の人物と入ると大概……はやての時は胸を揉みしだかれ、シグナムの時は大方その後戦闘訓練という流れになってもう一度汗を流すという事になり、エリオにいたってはこの時間が近付くと雲隠れしてしまう……といった感じになるが。
 そんなフェイトであったが、彼女は二日、長くても三日に一回、必ず一人で汗を流すという日があった。しかも個室になっている、シャワールームで。
 その理由は、今フェイトが握り締めているものと密接に関係している。
 ……シャンプーハット。
 目にシャンプーが入らないよう頭に被る、ある意味おもちゃと並ぶ子供の神器のひとつである。それが何故、十九歳の女性であるフェイトが握り締めているのか。
 もちろんキャロ、もしくはヴィヴィオの忘れ物ではない。フェイト専用だ。赤ではなくピンク、性能も三倍ではなかったが。

「………」

 念入りに周囲を見渡すフェイト。右よし、左よし、前よし、後ろよし、もう一回右よし、左よし、前よし、後ろよし、再び右よし、左よし、前よし、後ろよし……。
 そんな行動を三回繰り返した後、

「抜き足差し足忍び足、抜き足差し足忍び足、抜き足差し足忍び足……」

 何時の時代の泥棒ですかと言いたくなる台詞を呟きながら音もなくシャワールームへ潜入する。

「……ふぅ、危機一髪だったわ」

 ……どこがそうなのかはきっと本人にしか分からないのだろう。
 実はフェイトは……髪を洗うのが苦手だった。過去十年以上の間、ずっと。
 腰の位置にまで届く長く美しい金髪である。確かに洗いにくくはあるかもしれない。あの目に入った時の刺激は思い出すだけで涙が浮かぶ。だが、いくら何でもシャンプーハットはないだろう。しかしせっかくなのは達が声をそろえて褒めてくれる、「えへん」と胸を張って誇れる部位だ。手入れを欠かしたくはない。以前下水に入っての犯人の追跡をし、帰ってきた時にヴィヴィオから「フェイトママ、何だかちょっと臭い……」と言われてからは特にだった。子供とは無邪気な顔で悪魔の囁きを呟くものである。
 だが誰かに「洗って」とお願いするなんてもっての他だ。しかし洗わないわけにもいかない。そう考えているフェイトは髪を洗う時のみ、ひとりでの入浴を決行するのである。

「……よし」

 周囲を見渡すフェイト。個室になっているとはいえ隠れているのは体の部分のみ。足の部分と重要な部位である頭部は丸見えなのだ。だから入る時間と周囲にはいつも気を付けている。
 ちなみにフェイトが使用している場所は入り口から一番近い場所であった。何故見つかりにくい一番奥の場所を使わないのか。それは一番奥だと誰かが脱衣場に入った時に気配を感じ取れないからである。脱衣場に入ってきた時に気配を感じ取れれば、シャワールームに入ってくるまでに「脱衣」という行為の時間が得られる。その間に隣の部屋にでもシャンプーハットを投げ入れれば少なくとも自分のものであるとは思われない。とフェイトは考えたからである。
 取り敢えず今は人影がない事を確認し、シャワールームに入りいざセットアップ、というその時であった。

「あれ? フェイト隊長?」

「とうっ!」

 慌ててシャンプーハットを隣に投げ入れるフェイト。

「と、とう?」

「気にしないで。それよりスバル、どうしたの?」

 フェイトの予想に反し気配を感じさせぬままシャワールームに入ってきたスバルに、フェイトは笑みを浮かべるのに苦労した。

「スバル! 脱いだ服ぐらいちゃんとたたみなさいよ! ……って、フェイト隊長、こちらにいたんですか?」

「あれ? ティアナまで? どうしたの、確か今日は早めに入浴終えていなかった?」

「いえ、寝る前に軽く運動していたらちょっと汗掻き過ぎちゃって」

「もう、スバルったら最初から飛ばしすぎよ。こっちの身が持たないわ」

「いやあ、でもティアナって上手いからさ」

「ぶふっ!?」

 その会話の内容に思わず噴き出してしまったフェイトだったが、

「てかシューティングアーツの的役、アタシにやらせないでよ! アンタみたいな馬鹿力そう何回も耐えられるほどアタシは頑丈には出来ていないのよ!」

「でもティアナって威力相殺が上手いからまったくダメージ通らないでしょ? 他の人だとそこら辺難しいらしくて結構身体にくるらしいんだよ……って、フェイト隊長、どうかしたんですか?」

 すぐに自己嫌悪に陥る事になった。

「いや、私も汚れだしたのかなあ、と……」

「「……はい?」」

「気にしないでいいよ」

 取り敢えずスバルの気配を感じる事無く彼女がシャワールームに入ってきた理由は何となく理解した。おそらく「ずっぱーん」とでも聞こえてきそうな男らしい脱ぎ方をしてそのまま突入してきたのだろう。

「あ、そういえばフェイト隊長って小さい頃髪を洗えなかったって聞きましたけど本当なんですか?」

――がっ!

 床のタイルに思いっきり突っ込むフェイト。

「……誰から聞いたの?」

「えっと……それは秘密という事で」

 苦笑を浮かべてそう呟くスバル。まあ、その事を知っている人間は限られているので犯人を見つけようと思えば容易いだろうが、その相手も(多分)別に悪気はないだろうから止めておいた。

「……スバル、誤解があるようだから言っておくけどね」

 フェイトはスバルの肩をしっかり掴み、そして、

「洗えないんじゃなくて、苦手……だった、だけだよ?」

 ずっと使い続けている言い訳を告げる。

「は、はあ……」

 そんなフェイトに気圧されたのか、スバルは曖昧な表情で頷いていた。


「……よし」

 スバルとティアナが出て行ったのを確認すると、隣のシャワールームからシャンプーハットを回収する。そして今度こそセットアッ……。

「あ、フェイトさん♪」

「うおりゃぁっ!」

 ふたつ向こうのシャワールームに飛んでいくシャンプーハット。

「う、うおりゃぁっ?」

「何でもないのよキャロ。それよりどうしたの?」

 貼り付けたような笑みを浮かべつつ、入ってきたキャロにそう問いかけるフェイト。

「いえ、ちょっとジュースをこぼしちゃいまして。髪にもついちゃったからシャワーで流そうかと」

 そう言って苦笑を浮かべるキャロ。そしてその手には……。

「……シャンプーハット?」

「は、はい……私、髪を洗うのが苦手で……あ、あの、洗えなくはないんですよ……って、フェイトさん?」

 涙を流しつつキャロを抱きしめるフェイト。

「大丈夫、私が洗ってあげるよ。あとね、髪をちゃんと洗えなくても立派な大人にはなれるからね」

「は、はあ……」

 当然の事ながら困惑の表情を浮かべるキャロ。だが、途中で何かを思い出したようだ。

「そういえばフェイトさんも、小さい頃髪を洗うのが苦手だったんですよね?」

――がんっ!

 ……犯人に、悪気はないんだよね?


 キャロの髪を洗って送りだした後、シャンプーハットを回収し三度セットアップ……、

「………」

 の前に慎重に周囲を探って人影がない事を確認する。十分ほどしてからようやく、フェイトはシャンプーハットをセット……、

「あ、フェイトママー♪」

「どおっせいやあああっっっ!」

 未確認飛行物体のごとく宙を舞うフェイトのシャンプーハット。

「……フェイトママ?」

「何でもない何でもなのよヴィヴィオ」

 口ではそう言うフェイトだが、内心は「感覚が鈍ったのかな?」と余り穏やかではなかったりする。

「あれ? フェイトちゃん?」

「なのは?」

 ヴィヴィオの後ろからなのはが姿を現した。いつものように屈託のない笑みを浮かべている。

「どうしたの? もうヴィヴィオはおねむの時間だよね?」

「にゃはは、実はね、ヴィヴィオったらジュースを飲みすぎたみたいでおね……」

――ぽかぽかぽかぽか!

「なのはママのばかぁ!」

「痛い、痛いよヴィヴィオ。謝るから許してよ」

 半泣きになりながらなのはを叩くヴィヴィオ。その光景で何となく想像は付いた。

「ふふ、大丈夫だよヴィヴィオ。まだ小さいんだからそんなに恥ずかしい事じゃないから」

「……うぅ~」

 だが、ヴィヴィオは何故かなのはにしがみ付いてフェイトを睨む。

「え? 何で?」

「そりゃあフェイトちゃんにも原因があるからじゃないかな?」

「ええっ!? どういう事!?」

「今日の夕方、私が止めたのに『まあいいじゃない』ってヴィヴィオにジュースを勧めたのは誰だったかな~?」

「……あっ」

 まごう事なき自分である。

「ご、ごめんねヴィヴィオ、フェイトママ、そんなつもりは全然なかったんだよ!? 本当だよ!?」

 慌てて弁解を試みるフェイトであった。

「……別に怒ってないよ。一番悪いのはヴィヴィオだって分かってるもん」

「うん、偉いよヴィヴィオ♪」

 そう言ってなのははヴィヴィオの頭を優しく撫でる。何だか負けたような気がして悔しいフェイトであった。

「えへへ……そういえばフェイトママ、なのはママに聞いたんだけど、フェイトママって小さい時髪の毛洗えなかったって本当?」

――ぎゅ~!

「ひ、ひはひひはひ!? ふぇいふぉはん? ふぁんふぇふぁふぁふぃふぉほっふぇふぁひっふぁふふぉ?」
(訳・い、痛い痛い!? フェイトちゃん? 何で私の頬っぺた引っ張るの!?)

「……人の恥ずかしい過去をしゃべりまくるのはこのお口? このお口なのなのは?」

「ひにゃあ!? ごめんなさい、謝るから拳でぐりぐりしないでぇ!?」

 結局。
 ヴィヴィオに髪が洗えるという事を示す為にシャンプーハットなしで洗い、必死で涙を堪える事となったフェイトであった。

 そして、

「すみません、シャワールームにこんなの落ちていたんですけど」

「……シャンプーハット?」

「キャロのじゃないの?」

「違います、私のはここにありますよ?」

「じゃあヴィヴィオ?」

「ううん、ヴィヴィオには大き過ぎて合わないの」

「だよね、結構大きめだし……あ、名前が書いてあるよ?」

「あ、本当だ……えっと……」

「「「「「フェイト・T・ハラオウン?」」」」」

「………」

 この時ほど、シャンプーハットの回収を忘れていた事と自分の几帳面さを恨んだ事はなかったという。

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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