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ANGELS STORYS ~LYRICAL NANOHA A&A~ 第十一話「不屈の心が落ちる時……」

 本編の前にお知らせいたしますw

 今度10/13に京都で行われる「なのはparty」で、A-05「春の花吹雪」さんのブースにて新刊の配布をいたしますよーw

01表紙

 内容はここでも連載していた「わりと○○な騎士の一日」シリーズの総集編+書き下ろしです。40Pほどで400円での配布を予定しています。

 今回この可愛らしいイラストを書いてくれたのはサークル「NOI’s」のクサナギさんですw 激感謝w

 「NOI’s」HP

 ※女性向けのイラストも描かれる方なので閲覧にはそこら辺をご了承の上お願いします。

 http://nois00.sakura.ne.jp/

 では本編ですw 久々の長編。そろそろシリアス度が増してきますw

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 そこが比較的広い部屋であった事になのはは感謝した。中、遠距離を得意とする砲撃魔導師であるなのはにとって、狭い場所での戦闘行為は不得意とする状況のひとつだ。

「ディバイン……バスタァァァッッッーーー!」

 黒い仮面の男目掛けて、手加減なしのディバインバスター。だが、

「………」

《Sphere Protection》

「――っ!」

 仮面の男の全方位を包む球型の防御魔法があっさりとそれを受け止める。

――スフィアプロテクション……!

 なのははその魔法をよく知っている。その防御性能もだ。どうやら簡単に終わらせてくれるつもりはないようである。何しろ……、

「……どうして攻撃をしてこないのかしら?」

 そう、先ほどから攻撃をしているのはなのはのみで、仮面の男は防御はすれど攻撃はまったくしてこようとしないのだ。

――時間稼ぎが目的? だとすると本当の狙いはフェイトちゃんとはやてちゃん?

 先ほどの仮面の男の言葉から判断するにそう考えて間違いはないだろう。だとするとここでのんびりしているわけにはいかない。あの二人はここより環境のよくない場所にいるはずだ。すぐにでも加勢に行かなければならない。

――でも……どうすれば……!

 なのはの十八番である「ディバインバスター」がまったく通らない防御力。これを撃ち破るにはそれ以上の攻撃力を持つ魔法……「スターライトブレイカー」を放つしかないのだが、それが効くとは限らないし、何よりチャージ時間を稼ぐ手段がない。カートリッジも余裕がないし、状況はよくないと言わざるを得ないだろう。同理由で「エクシードモード」の開放もだ。第一、別モードに移行した為今は使えなくなっている。

――この状況じゃあ新しいモードもおいそれと使えないし……。

 新しいモード……ビサイドモードはこれまでと比べてもかなり特殊なモードだ。状況によってはエクシードモード以上の威力を持てるが、状況によっては一瞬で戦闘不能になりかねない諸刃の剣なのだ。
 さて、どうするか……悩んでいたなのはだったが、

「……?」

 一瞬呆けたような顔になったかと思うと、すぐに小さく笑みを浮かべる。

「………」

 仮面をしているから男の表情は分からない。だがその変化で何かを感じ取ったらしく、すぐにシールド魔法を展開した。

「ディバイン……バスタァァァッッッーーー!」

 再び放たれるディバインバスター。当然ながらそれは仮面の男の防御魔法を撃ち破る事はなかった。

《Innocent strike》

「イノセント……ストライィィィッッッーーーク!」

「――!」

 仮面の男が初めて動揺を見せる。なのはのディバインバスターと変わらぬ威力の砲撃が逆方向からいきなり飛んできたのだから無理もないかもしれないが。

「ブラスト……」

「……シュート!」

 ふたつの砲撃が大爆発を起こし、仮面の男の姿はその影響で舞った煙の中に消えた。

「……まったく、こんなのに手こずってんじゃないわよ」

 もうひとりの砲撃手は金色の髪をなびかせながら、むっつりとした顔で悪態を吐きながらなのはの傍にやってくる。

「むぅ、そうは言うけど結構きつかったんだよ……だから、ありがとね」

 なのはも一瞬むっつり顔になりかけたが、すぐにそう言って笑顔になった。

「……ユーリちゃん」

 なのはのバリアジャケットによく似た、黄色を貴重としたバリアジャケットに身を包んだひとつ年下の女性……ユーノの従妹、ユーリ・スクライアは少し頬を赤く染めながら無言でそっぽを向く。

「さてと……せっかくだから、もうひとつお願いしていい?」

「……何よ?」

「……一分間、時間を稼いで」

「……高いわよ?」

 煙が晴れ始め、その中に悠然と立っている存在を確認した二人はそう言って苦笑とも取れる笑みを浮かべていた。

「そこの変な仮面の男さん……ひとつ良い事、教えてあげる。公式記録ではアタシと高町なのはの模擬戦記録は二勝二敗一引き分けになっているでしょ? あいつの口癖の、『全力全開』の高町なのはと、リミッターを付けていたアタシとの記録は」

「……私だって手加減していたもん」

 結構負けず嫌いなところのある……ユーリに対しては特にその念がある……なのはは口を尖らせるが、黙って自分の準備に入る。
 ……彼女の言っている事が、紛れもない事実だからだ。

「さあ、よく見ていなさい。お兄ちゃん……ユーノ・スクライアのもうひとつの傑作……アタシ、ユーリ・スクライアの相棒、純粋な心『ジェニウェンスハート』を!」

 そう言ってユーリは右手にある己のデバイスを掲げる。

「ジェニウェンスハート、エクシードモードスタンバイ!」

《All right, my master》

 蒼い宝石の、レイジングハートそっくりのデバイスがそう答える。
 およそ十年前、本来ならユーリに受け継がれるはずだったレイジングハートの姉妹機。
 純粋なる心『ジェニウェンスハート』。
 なのはがレイジングハートに別のモードをインストールした為、余ったエクシードモードのパーツを組み込んで作った彼女の新たなる力。

「あんたのお古ってのが気に入らないけど……やっぱりこれはアタシの方が使い勝手が良いようね」

「そりゃあ私以上の魔力馬鹿で体力馬鹿なユーリちゃんの方が使い勝手良いのは分かるけどね」

「……あんた、後で殴るからね」

 そんなやり取りを交えつつ、

「さあ……いくわよ!」

 ユーリが詠唱を開始した。


 確かにユーリはなのは以上の魔力の持ち主……SSランクの保持者であるが、それは判断材料になるとは言い難い。決して魔力量イコール強さというわけではないからだ。同じSSランク保持者であるはやてが自ら「機動六課隊長陣の中では一番弱い」といっていた理由にはここが関係してくる。
 しかし、ユーリが言ったとおり彼女となのはの対戦成績はハンデなしの場合、ユーリの方に勝ち星が多かった。
 その理由は、同じ砲撃魔導師でありながらもなのはとユーリのタイプの違いにあった。
 なのはは言わずともかな、「ディバインバスター」や「スターライトブレイカー」を代表するように大きな力で敵を打ち抜くストライクタイプの砲撃魔導師。
 そして、ユーリは……。

「ジェニウェンスハート、カートリッジロード!」

《Homing Shooter》

「ホーミングシューター……シュート!」

 カートリッジをロードすると同時に現れた魔法弾。その数……百基を超えている。
 しかもホーミングの名のとおり、魔法弾は仮面の男目掛けて飛んでいく。当たらなければ軌道修正して、確実に仮面の男に向かっていっているのだ。

「………」

 男は相変わらずの無言のまま、防御魔法でその全てを捌いている。ここまでの数を捌ききれるのは、もはや賞賛に値するだろう。

「やるじゃない……だったら! ブラスタービット展開!」

 ユーリはなのはも使っていた遠隔操作機、「ブラスタービット」を展開する。ただ、その数はなのはの時の最大数、四基と違い……。

「にゃはは……八基。私の倍ですか……さすがユーリちゃんだよねえ」

 流石のなのはも思わず苦笑を漏らした。
 そう、ユーリの魔法特性……それは百基を越える数の魔法弾を自在に操り、遠隔操作機をも多数操る事の出来る、その器用さにある。
 なのはをストライクタイプを表すなら、ユーリはテクニカルタイプというべきだろう。
 絶大な威力を誇るなのはの技だが、それは当たってこその威力だ。だから過去、フェイト、そして聖王・ヴィヴィオとの対決の際はバインド魔法を駆使するという「避けられない技術」が必要だった。
 だが、ユーリは数で圧倒する戦法を得意としている。威力が足りない分は数でカバーし、被弾させる事を前提に考えているのだ。
 そして、戦技教導隊に入って多少は解決したとはいえ、元来運動神経が決して良いとは言えないなのはは、このようなテクニカルタイプの魔導師に弱い傾向があるのである。
 そんなユーリのもっとも得意とする、そして、最強の威力を誇る魔法。それが……。

「ブラスタービット、ターゲットロック……星の輝きよ、闇を祓い、この地をその光で照らせ……」

 ユーリの周囲にスフィアが形成され始める。ただ、その数が尋常ではない。百……二百……三百……まだ増えている。それこそ、星の数のように。

《Shooting Star Breaker》

「流牙聖輝(流れる牙のような聖なる輝き)! シューティングスター・ブレイカーッ!」

ユーリが魔法のトリガーを引く。それと同時に全てのスフィアとブラスタービットから一斉に魔法弾が発射された。
 フェイトの「フォトンランサー・ファランクスシフト」に似ているが、その数に大きな違いがある。また、ブラスタービットで敵をロックオンする事により絶対に外す事のないようにされていた。これを避けようと思うなら、それこそ瞬間移動でもしない限り無理だろう。

「……くぅっ!?」

 仮面の男が初めて苦悶と思われる声を上げた。シールド魔法にもところどころにヒビが見られる。

「ほら、さっさとやりなさいよ……なのは!」

《Beside Mode Standby》

「うん、分かってるよ……ユーリちゃん!」

 そして、ユーリの言葉に答えるように。
 二つに分かれたレイジングハートを持ったなのはが笑顔で頷いた。

「レイジングハート・ビサイド……チャージアップ、完了」


「レイジングハート・アブソルブ! 蒐集開始!」

《Absorb Start》

 なのはの言葉を合図にするかのように、右手のレイジングハートが淡い光を放ち始めた。
するとユーリはちょっとした虚脱感に襲われる。

「ユーリちゃん! 私の後ろまで下がって! 危ないよ!」

「分かってるわよ! まったく、相変わらず嫌な能力よね!」

 悪態を吐きながらもユーリは言われたとおりなのはの後方まで下がる。すると虚脱感は嘘のようになくなっていった。

「これ……は」

 驚いたのは恐らく仮面の男だろう。彼もまたユーリと同じように虚脱感に襲われているはずなのだから。

「レイジングハート・エミッション……起動!」

《Emission Start》

 そして、右手のレイジングハートの光が左手のレイジングハートに移っていくように光が反転する。
 その光の正体……それは、魔力だった。
 レイジングハート・ビサイドモード……それはふたつのレイジングハート、吸収体である右手の「アブソルブ」と放出体である左手の「エミッション」、二対一組のモードで、スターライトブレイカーの時のような魔力の収束を行う事が出来るのである。
 ただ、これはなのはの任意で魔力量の調整を行う事は出来ず、先ほどのユーリのように蒐集体を選ばないのだ。だから本来は一対一の時に使用し、敵の魔力を下げて自分の魔力を上げるといった使い方が一般的である。それに蒐集量に上限もない為、下手に使い過ぎると蒐集のし過ぎにより自身の許容量を超えて魔力バーストを起こしかねないという欠点もある。
 だが、消費魔力が大きい魔法を多用するなのはにとって、これ以上のシステムはないだろう。
 そして、溢れ出るほどの魔力を蒐集出来るからこそ、こういった事も可能になるのだ。

《Starlight Breaker Zero Count》

「速攻全開! スターライトブレイカー・ゼロカウント!」

 それを合図に左手のレイジングハートから放たれたのは、紛れもなく彼女の最強魔法、スターライトブレイカーだった。
 だが、本来魔力を高める為に必要な最低十カウント、そしてカートリッジのロードを行っていない。蒐集した魔力を一気に放出する事でそれと同等の威力を保持させる事を可能にしているのだ。
 ユーリの放った「シューティングスターブレイカー」の切れ目に間髪入れずに放たれた巨大な魔力の塊に、仮面の男は次のアクションを起こせずにいるようでただ呆然と突っ立っていた。

「……まだ、終わりじゃないよ?」

「……っ!?」

 いつの間にか、なのはは男の真横に佇んでいた。スターライトブレイカーは威力を損なう事無く、男の身に降り注いでいるというのに。

「ビサイドってね、『共に』って意味なの。不屈の心と共に……そして、ビサイドモードを考案してくれたユーノくんと共に……あなたの鉄壁、破ってみせる!」

 そう言ってなのはは右手のレイジングハートを……赤い宝石の付いていない、代わりにカートリッジシステムを搭載しているそれを構えた。

「カートリッジ……ロード! スターライト・ブレイカー……」」


「ダブル・クロス!《Double Cross!》」


「ちょ……おいおい……」

 目の前で繰り広げられている、交差する高魔力にユーリは思わず背筋が凍った。


「……レイジングハートのAIシステムを上げる事で魔力放出機能を付加させ、単体でも魔法の維持を出来るようにしたんだ。そしてビサイドモードの魔力蒐集機能となのは本来の魔力を別々に使う事によってスターライトブレイカーの連続使用を可能にしたんだよ」

 それは少し前、ユーノに呼び出されて時空管理局の技術部に顔を出した時の会話である。

「……い、いやいや、ちょーっと待ってよお兄ちゃん」

「ん? どうかした?」

「ビサイドモードって確かアタシの『ジェニウェンスハート』に搭載予定じゃなかった? しかも蒐集量は上限を付けてそれを全部バリアジャケットや防御方面に回す事で被弾した時のダメージ減少と魔法の行使に集中出来るようにって……」

 それが本来のビサイドモードの姿だった。回避型、そしてテクニカルタイプである為どうしても防御方面がおろそかになりやすかったユーリのダメージを減らす為の、いわば完全な補助システムのはずだった。

「いやあ、よくよく考えてみたらユーリって砲撃魔導師なのにフェイト以上の回避率誇っているだろ? まあ流石にソニックフォーム時のフェイトには勝てないけど、それでも後衛担当にしては充分過ぎるほどの回避率じゃないか。だったら『レイジングハート』に搭載している『ブラスターモード』を『ジェニウェンスハート』に移植、そして蒐集量の上限をとって蒐集率を上げた『ビサイドモード』を『レイジングハート』に搭載して双方技術面と攻撃力をアップ、弐師他方がいいかなっと思ってさ」

 笑いながらそういう従兄の顔を見ながら、

「……お兄ちゃん、あいつの押せ押せ主義にどんどん感化されていない?」

 と言わざるを得なかった。


「……まあ、結果としてはお兄ちゃんの目論見どおりにはなったわけだけど……」

 目の前の光景を、頭を抱えつつ見ていたユーリは、

「あいつ、いつか本当に星を破壊しそうで怖いわ……」

 という感想を呟いた。

「生きてるかな、あの変態仮面男……」

 そう言いつつもこの高魔力の中に突入する勇気はなかったので魔力が収まるまでその場で待機しておくユーリ。そして、魔力が晴れ始めたその時、

「……えっ?」

 信じられない光景を目の当たりにした。

「あっ……かはっ!?」

 晴れた魔力の中にいたのは、胸を貫かれリンカーコアをむき出しにされたなのは。
 それと同時にユーリの足元に何かが転がってくる。

「――っ!?」

 それは、デバイスモードを維持出来ず、粉々に砕けたレイジングハートだった。
 そして、何より信じられなかったのは……。

「どう……して?」

 その光景を、ユーリは呆然と見つめる事しか出来なかった。

「何で……?」

 信じられなかった。今目の前で起こっている事、全てが。

「……残念だったね、なのは。相手が僕じゃなかったら、間違いなく勝てたよ」

 仮面の外れた男が、そう呟きながら笑っていた。
 どうして気が付かなかったのだろう。今思えば、その予兆は充分過ぎるほどあったというのに。
 あのなのはの砲撃すら簡単に裁く防御力の高さ。
 まるでこちらの手の内を知り尽くしているかのような落ち着きよう。
 そして、ビサイドモードと同じ魔力蒐集能力を持ったアイテムの精製。
 この条件を満たす事の出来る人物など、一人しかいないというのに。

「あ……は……」

 彼女が手を伸ばす。今自分の胸を貫いている、その存在の腕へと。

「わ……かって……る……の、せい……だよ……ね?」

「えっ……?」

 息も絶え絶えに告げる彼女の言葉は、確かにこう言っていた。
 私のせいだよね……と。

「うん、そうだね……でも、心配しなくてもいいよ……」

――ああ、嘘だ。あの人のはずがない。あの人が、こんな事をするはずがない。偽者だ。こいつは偽者なんだ。だれか……お願いだから……そう、言って下さい。

 ユーリはそう願うが、それが無意味な事である事を知っていた。
 彼女も分かってしまったからだ。分かってしまうからだ。
 自分だって……彼女と、同じなのだから。
 彼の事が、誰よりも好きだから、分かってしまうのだ。

「僕は……」

 そう言って、彼女のもっとも大切なものを……潰した。
 まるでよくないおもちゃを取り上げる大人のように、微笑みながら、その手で、ぎゅっと……。

「魔導師じゃない君でも、愛する事が出来るから……」

 優しい……いつもの優しい笑みを浮かべながら。
 ユーノは、倒れかけてきたなのはを抱きしめていた。

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

Comment

お久し感想

ずいぶんと御無沙汰でした(o´ω`o)
久しぶりに読みに来たら、なのはの魔導師生命が絶たれた瞬間を目撃…………。しばらく何も手につきませんでした、はい。今も少し影響が……。
レイジングハートの新機能。片方で蒐集(集束?)、片方で発射。何とも合理的なシステム……ん、似たようなのどっかで…ウルトラザウルス?

No title

 >白金燈也さん
 すいません、ちょっとしばらくこんなシリアスシーンが続きます。
 でも鬱エンドにする気はさらさらないのでしばらくお付き合い下さいw

 まあ、まっさらに新しいシステムっていうのは流石に組みにくいわけでして(言い訳

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