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ANGELS STORYS ~LYRICAL NANOHA A&A~ 第十三話 コワレユクモノ(2)

 何ヶ月ぶりだろう、A&Aの続きを書くのww
 という事で、本当に久しぶりの長編更新ですw ちょくちょく「早く続きかけー!」と言われていたので流石に書かないとヤバイと感じましたw
 ……週一ペースくらいでは書きたいなあ(=ω=;)

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「あの、八神部隊長!」

「その、お久しぶりです!」

「……ああ、スバルにティアナか。本当にお久しぶりやなあ、元気やった?」

 治療を終え、病室を出たところではやては元部下のスバルとティアナに声を掛けられ、無理に笑顔を作って答えた。
 あの後、救援に駆けつけてくれたスバルとティアナによってなのは、フェイト、そしてはやては管理局直属の病院に収容され、治療を施された。幸いはやては直接的なダメージを受けていなかったため、こうして一日の検査入院のみで退院する事が出来たのだが……。

「……二人はフェイトちゃんとなのはちゃんの事、聞いてる?」

「「………」」

 はやての言葉に沈黙する二人。それが答えだった。
 フェイトはあの「チャリオットモード」とやらのダメージが深刻で……正確にはフェイト本人よりもバルディッシュのダメージが、である。現在バルディシュはマリエルに預けられているが、完全修復までにはかなり時間が掛かりそうだという事だ。
 その際、技官であるマリエルすらも見た事がない「チャリオットモード」の精密な構造に驚きを隠せずにいたようだが。

――まあ、同然やろうなあ……あの技術は、私らの世界にはない技術やろうし。

 フェイトの「チャリオットモード」も、そしてはやての「レヴェランスモード」も。
 唯一マリエルが作った機能であろう、レイジングハートの「ビサイドモード」。だが、そのレイジングハートとなのはが、今回一番深刻なダメージを負っていた。

「……リンカーコアの『破壊』。魔力の吸収などによる『縮小』ではなく、まるで砕かれたかのように小さな反応がたくさん見られるようになったそうです。そして……リンカーコアが『破片化』した事により、なのはさんの魔力は今までのように大きな魔力を保持する事が不可能になり、約九十五パーセントの魔力ダウン……事実上、もう二度と魔導師としての活動は不可能だろう……と」

 はやての表情を読み取ったかのようにティアナがそう語る。スバルは何も語らないがその表情は苦悶に満ちていた。
 無理もないだろう。機動六課のフォワード陣の中で、彼女が一番なのはを慕っていたのは誰の目からも明白だったからだ。

「……今、なのはちゃんは?」

「ヴィヴィオが付き添っていますよ……昨日から、ずっと」


 病室のベッドの上で上半身だけを起こし、窓から見える擬似の草原風景を眺めるなのは。その姿は
「管理局のエース・オブ・エース」と呼ばれた人物と同一とはとても思えぬほど、今にも消え去りそうなそんな危うさを醸し出していた。

「なのはママ……」

 ヴィヴィオはそんななのはのベッドの隣にある椅子に座り、無理矢理に作ったとひと目で分かる笑みを浮かべていた。つい先ほどまでなのはがいなかった数日間にあった事を矢継ぎ早に話していたヴィヴィオだったが、なのはに反応はまったく見られなかった。

――……そんなの、嘘に決まってる。ユーノくんがなのはママをこんな風にするなんて、私は絶対信じないもん。

 今回のなのはの負傷にユーノが……ユーノと思わしき人物が関わっている事は極秘として扱われ、あの時「ランドグリス」にいた人間には緘口令も出ていた。まだユーノが犯人であるという事が確定していない事、ユーノが犯人であるという考えに対して彼を知る人間のほとんどが否定的である事、ユーノが時空管理局の無限書庫司書長という肩書きを持っている事……などといった状況がユーノ犯人説を否定しているのである。これは彼の日ごろの行いの賜物だろう。
 その為、ユーノが犯人であるかは置いといて、少なくとも彼が今回の事件に関わっている可能性が高い事を知るのはあの時「ランドグリス」にいた人物とその関係者に絞られていた。

――ユーノくんは絶対、なのはママにこんな事しない。こんなになったなのはママを、放って置くはずがないもん。

 幼いながらもヴィヴィオはユーノがなのはにどんな想いを抱いていたか、何となくだが理解していた。その事を密かに応援していたりもした。だからこそなのはをこんな風にした相手がユーノだとはどうしても信じられないのだ。
 ヴィヴィオは立ち上がり、テーブルの上に置いてあった花瓶の水を換えようと手を伸ばした。

「……ユーノくん」

「なのはママ!?」

 その時だった。なのはが事件後、初めて何かしらの反応を示したのは。ヴィヴィオは慌てて枕元のナースコールのボタンを押そうとする。

「……ごめんね、ユーノくん」

 だが、なのはのその言葉にヴィヴィオの行動は止まってしまった。そんなヴィヴィオに気付いているのかいないのか、なのははただ呆然と、光のない瞳でただ呟きを続ける。

「ごめんね……ごめんなさい……私のせいだよね……謝る……私、いっぱい謝るから……許してくれなくてもいいから……だから……」

「………」

「会いたいよ……ユーノ、くん……」

 分からなかった。なのはが何に対して謝っているのか。何を言っていいのか。何をすればいいのか。
 だから、ヴィヴィオは呆然と、壊れてしまった母を見つめるしかなかった。

「……バカ」

 そして、病室の外でただそれだけを呟いて。
 ユーリは手に持った花を抱えたまま、中に入らずにそのまま踵を返して立ち去った。


「フェ、フェイトさん!?」

「だ、駄目ですよ! まだ安静にしていないと」

「二人とも、大丈夫だよ……はやてに、聞かないといけない事があるだけだから」

 フェイトの負傷の話を聞き、慌てて休暇を取って「スプールス」から管理局本局に来たエリオとキャロ。だがフェイトはそんなふたりの静止を振り切って、「チャリオットモード」の反動で体中が軋み苦悶の表情を浮かべながらも病室から出ようとしていた。

――はやては、知ってる……私の知らない、何かを知ってるはずなんだ。

 それはフェイトにとって希望であると同時に、親友に裏切られていたかもしれない絶望になるかもしれなかった。
 あの時の記憶は……十年ほど前に起こったあの「忘れられた事件」の記憶は、フェイト以外には残っていないはずだった。その時に記憶と共に消えてしまった、ひとりの青年の存在も。
 だが、その元凶となった消失の剣……アトロポスをはやては所持していた。その能力を行使していた。確かに彼女には「蒐集行使」という稀少技能があるが、記録に残っていない能力を使用する事は不可能なはずだ。
 はやてはどこまで知っているのか……いや、どこまで記憶に残っているのか。フェイトはそれを確かめなくてはならない。
 ……その結果、フェイトの大切なものが壊れてしまう事になっても。
 パジャマの上にカーディガンを羽織り、外に出ようと病室のドアに手を掛けた時、唐突にドアが開きフェイトは思わず前に突っ伏しかけそうになった。

「ひゃっ!? ……レイリア?」

「うわっ!? ……フェイトちゃん? もう動いて平気なの?」

 突っ伏しかけたフェイトを慌てて支えたのはレイリアだった。予期していなかった遭遇の仕方に驚いたような表情を浮かべている。

「レイリアこそ大丈夫なの?」

 そう言いながら少し頬を染めながら何とか自力で立つフェイト。

「ん? ああ、私は大丈夫。そんなに酷くはやられていなかったしね」

 頬に貼られた絆創膏を指差しながら、レイリアは笑顔を浮かべた。元気そうなその様子にフェイトは思わず笑顔になる。

「それよりもどうしたの? 何か急いでいるように見えたけど……あっ」

 そう言いかけて、レイリアはフェイトの後ろでエリオとキャロが何やらこちらに向かって手を合わせているのに気が付いた。それだけで何となく現状が想像出来たレイリアは、少し意地悪そうな笑みを浮かべてからフェイトを抱え上げる。俗にいうお姫様抱っこである。

「レ、レイリア!?」

 流石のフェイトも慌てて逃げようとするが、元々レイリアは聖王教会の騎士である。女性の中でも腕力はある方だし、怪我をして思うように身体が動かないフェイトではその手から逃げ出すのは至難の業だろう。

「何があったか知らないけど、取り敢えず今は傷を治す事に専念しなさいよ」

「で、でも……」

「……あんまり家族に心配掛けない方がいいよ。これ、経験者の言葉ね」

「あっ……」

 レイリアの兄は既に他界している。それも、間接的にではあるがフェイトが昔関わっていた「PT事件」を原因のひとつとして。
 そんな彼女が今のようにフェイトに世話を焼くのは、恐らく先ほどの「忘れられた事件」が関わっているのだろうが……彼女はその事件に関して記憶がないはずであった。それでも今のようにフェイトの姉のように接してくれているのは、その時の記憶が何かしらの形で残っているのだろう。現にフェイトがその事を尋ねた時、レイリアは「よく分からないけど何だかフェイトちゃんの力にならないといけないような気がするの」と苦笑を浮かべながら言っていた。
 だから……というわけではないが、フェイトはレイリアに対して結構素直なところがある。そしてそれを知っているからエリオとキャロはレイリアにフェイトの事を頼んだのだ。

「レ、レイリア、分かったから離して……ひとりで大丈夫だから」

「はいはい、そういう事はちゃんと大人しく出来る人が言う台詞ですよ」

「あぅ……」

 何も言えなくなったフェイトは顔を真っ赤にしてベッドまで強制連行された。

「あ、そうだ。うちのお姉ちゃんが勤めているお店のケーキがあったんだった」

「ケーキ? ……でも、何も持っていないよね?」

 先ほどまで自分を抱えていた腕を見ながら、フェイトはそう呟く。

「ああ、実は今日、店長と一緒に来てるんだ」

「店長って……『シルフィス・ラスタ』の?」

「えっ!?」

 フェイトとレイリアの会話に反応を示したのはキャロだった。すぐに三人の視線が集まり、恥ずかしそうに俯いて小さくなったが。

「……あの、『シルフィス・ラスタ』って、洋菓子屋さんの、ですか?」

「え? ああ、そうだけど……」

「わ、私、あのお店のケーキ、大好きなんです。フェイトさんがよく買ってきてくれて……」

「ああ、なるほど。そういえば君は機動六課のメンバーだったんだっけ? あの頃は本当によく買いに来てくれてたからねえ」

 嬉しそうに微笑むレイリア。

「キャロもヴィヴィオもお気に入りだったから……でも、何でその店長さんがここに?」

「ほら、フェイトちゃん、お得意様なのにうちの店長と直接会った事ないでしょ?」

 レイリアの言う事は真実である。最初はある理由であまり洋菓子店には足を運ばなかったフェイトだったが、レイリアの姉が「シルフィス・ラスタ」という洋菓子店に勤めていると知ってからはみんなへのお土産としてよくお店に通っていた。その際、何故かいつも店長が不在で今まで顔を合わせた事が無かったのである。

「それで、ちょうど本局に来る用事があったらしくて、それでフェイトちゃんがここに入院しているって事を教えたら是非一度会ってみたいって話になってね。ケーキを一ホール持ってお見舞いに来たってわけ」

「そんな、悪いよ……」

「まあまあ、店長さんの粋な計らいだし、素直に受けてあげてよ。こう言っちゃ何だけど……結構、格好良い人だよ」

「……えっと、私、今のところそういうのにはあまり興味が」

「店長さんも同じような事を言うんだよねー。まったく、二人とももったいない」

 フェイトは苦笑しながらもその事を断ろうとはしなかった。わざわざ足を運んでくれているのに無下に断るのは気が引けるし、フェイト自身もあんなに美味しいケーキを作るその店長に会ってみたかったというのもあるからだ。
 ……そして、後から考えるとそれはある種の「予感」で、「運命」だったのかもしれない。

「あ、店長さん、こっちですよー」

 病室の入り口から顔だけを出し、外に向かって右手で手招きをするレイリア。ゆっくりと近付いてくる足音。

「えっ……?」

 そして、入り口から見えた男性の顔に、フェイトは見覚えがあった。
 初めて会う相手でも不信感を与えない、優しい顔立ち。中肉中背の、一般男性。
 だが、フェイトの人生に大きな影響を与えた二人のうちの一人。
 ひとりはもちろんなのは。そして、もうひとりが……。

「お、兄……さん?」

 呆然と、誰にも聞こえないくらいの小さな呟きを漏らすフェイト。呼吸をする事も忘れ、ただその優しげな笑みを見つめている。
 泣きたかった。エリオやキャロ、レイリアの存在すらも忘れ、ただ大声を上げて泣きじゃくりたかった。
 そして、その思いを断ち切ったのは。

「あ、どうも、ヒジリ・クラセっていいます。初めまして、フェイト・T・ハラオウンさん」

 フェイトの思い出の中にある笑顔と声と名前で、初見の挨拶をするヒジリの笑みであった……。


 ……後から考えるとそれはある種の「予感」で、「運命」だったのかもしれない。
 フェイトが自らの手で、今の立場も、絆も、想いも……その全てを壊す「予感」と。
 その先にある……「運命」の。

Comment

ヒャッホー!!

A&A、連載再開&新作乙です!!
なのはさんはしばらく再起不能のようですね。無理もないけど・・・・
そして、聖兄ちゃん?!?の再登場はちょっと驚きました。彼との再会(?)によってフェイトとその周辺にどんな影響を及ぼすのか・・・。

実に楽しみですっ。

Re: ヒャッホー!!

 >サヴェッジさん
 いつもありがとうございますw かなり励みになってますよ(>д<)ゝ

 聖ですが、一応初期から再登場の予定がありましたw 一応この物語全体の重要キャラなのでww
 あとなのはさんですが、復帰の仕方はちょっと驚いてもらえるかもですww
 取り敢えず頑張って続きを書きますねww

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