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ANGELS STORYS ~LYRICAL NANOHA A&A~ 第十八話 キセキ~軌跡~(2) 零れ落ちた物語

 更新自体が一ヶ月振りという自分のサボりっぷりに泣けてきたショウ,です。

 い、一応言い訳をすると

 ・夏コミの原稿やってました(無事入稿済み)
 ・A&Aの執筆再会したのですがこれ自体四ヶ月ぶりで過去作品読み直したりでなかなか筆が進んでくれなかった。

 ……まあ、そんな感じです。

 と、取り敢えず夏コミ原稿は終わったのでこれから執筆スピードを上げて行きたいと思いま

 ……え? こみトレとリリマジ7の原稿?

------------------------------------

 どうして、自分はあの少女の話に乗ったのか、フェイトは分からなかった。
 だが、何故かフェイトはこのフィーという少女が自分に仇なす存在とはどうしても思えずにいた。外見が子供だから、というわけではなく、うまく説明できないのだが……何か、この少女とは繋がるものがあるのだ。

「それで、私は一体、何をすればいいのかな?」

 買出しを終え、店に戻ったフェイトはヒジリ達に気付かれぬようこっそりとフィーを自室に招き入れ、急いで仕事を終えてフィーとの対話の時間を捻出した。執務官時代に比べれば時間の捻出は楽になったが、それでもまだ新人のフェイトは覚える事、やらなければならない事がたくさんある。時間がいくらあっても足りない状況には変わりはなかった。

「貴女にやって欲しい事は、たったひとつ。過去の訂正、それによるイレギュラーの排除です」

「……?」

 あまりに抽象的なその答えに、当然ながらフェイトは頭に疑問符を浮かべる。

「あの、もうちょっと詳しく……」

「今の知己の流れは、矛盾してるんです。詳しくは省きますが、本来あのお方はこの時代のでは記憶を失うはずがなかった。しかし、あるイレギュラーの存在によって発生した事件により、それが狂った……いえ、狂わされました。それが……」

「まさか……『名もなき事件』?」

 フィーは頷く。
 名もなき事件……被害も、記録もない、ただ一人の少女の記憶にしか残っていない、消失してしまった事件。「PT事件」と並ぶ、フェイトの人生が変わった事件のひとつである。

「あの事件は、本来起こるはずのなかった出来事。本来の時の流れではあの時、あのお方はそのまま海外に留学をし、貴女は……いえ、貴女達はそれを機に活動場所を本格的にミッドチルダに移します。そして『JS事件』、その後の流れで『マリアージュ事件』、フッケバインや覇王の起こす事件と連なるわけですが……」

「? ? ?」

「……深くは気にしては駄目です。マリアージュ事件以降はこれから起こる事ですし。とにかく、あの事件を気にこの世界は本来の道筋からそれてしまったパラレルワールド的な世界になったと思ってもらって結構です」

「……よくは分からないんだけど……つまり、私とお兄さんは本来の歴史でいくと出会うはずなかった、って事?」

「それも違います。そういう世界もありますが、それは『本筋』のみを辿った世界ですね」

「………」

「分かりやすく説明すると、クラナガンから聖王教会自治区に行くのには沢山の手段がありますよね。転送、列車、車、徒歩……しかし、いずれも手段や所要時間が違うだけで目的地は同じです」

「……つまり、『PT事件』や『闇の書事件』、そして『JS事件』が歴史の本筋、私が体験した『名もなき事件』は言ってしまえば寄り道って事?」

「あるいはゲームでいうところのサブイベントですね。起こさなくてもいいけど、物語を深く知るに為には起こしておきたい出来事……そういったものはこの世に数多くあります。ですが、本質は変わらない」

「どんなに寄り道をしても、目的地は同じだから……か。うん、何となく理解出来た」

 本当に理解出来ているかと問われれば疑問が残るが。

「それで、さっき言ってた矛盾っていうのは?」

「今この世界で起こっている事は、その寄り道的な出来事……『零れ落ちた物語(スピルアウト・エピソード)』とでも言いましょうか……なのですが、その物語自体が狂わされています」

「物語が、狂う?」

「ゲームでいうところの、バッドエンドへとまっしぐらに向かっている状況なのです。本来なら、あのお方は留学時にミッドチルダの人間と出会い、そこからあの時のような力に目覚め、その後聖王教会のカリム・グラシアのように影からの協力者として『JS事件』の解決を支えます。それが、この『零れ落ちた物語(スピルアウト・エピソード)』の本来の道です」

 なるほど、もしそうなれば機動六課の設立や地上本部とのいざこざももう少し安定したものになっていたかも知れない。サブイベントとはよく言ったものである。

「じゃあ、もしこのまま放っておいたら……」

「……恐らく、世界は崩壊します。『神獣』やユーノ・スクライアの豹変を見てきた貴女なら、信じられないでは済まされないでしょう?」

 はっきりと告げるフィーに、フェイトはただ息を飲む事しか出来ずにいた。


 幸か不幸か、それともこれが彼女の言う「キセキ」のひとつかは分からなかったが、フェイトに今までまともに休暇を与えられなかったからというヒジリの計らいで一週間の休暇を与えられた。
 それを利用し、フェイトは少女……フィーと共に彼女に指定された場所へと向かった。その場所というのが……。

「……まさか、またここに来る事になるなんて、思いもよらなかった……」

 フェイトは思わずそう呟き、苦笑を漏らす。
 指定された場所は、「地球」の太平洋……周囲に小さな島がいくつかあるだけの、蒼が一面に広がる場所……そう、あの時、フェイトが聖を助ける為に向かい、レイリアと死闘を繰り広げた未知の世界へと誘われた、あの場所だった。
 といっても今の時間は深夜。何も見えはしないが。

「ここだけは、二度と来たくなかったんだけどな」

「すみません。ですが私はこちらからしか出入口を開けられないので」

 と、フェイトの隣にいたフィーは淡々と答えてくる。先日見せたあの泣き顔は幻だったのかと錯覚してしまいそうになるほどだった。

「それはつまり……あの世界にまた行かないといけないって事だよね?」

「はい」

「……色々と、聞きたい事があるんだけど」

「……準備が終わるまででしたら」

 となると、あまり時間はなさそうだ。重要な事を絞って聞き出さないといけない。

――しかし、我ながら本当、どうしてこんな何も知らない女の子にホイホイついていってしまってるんだろう……。

 ヴィヴィオの事を怒れなくなるな……元々怒る事は苦手だけれど……そう心の中で呟き、フェイトは苦笑を浮かべた。

「じゃあまず……あなたの言う『あのお方』っていうのは、ヒジリさんで間違いない?」

 フィーは言葉を発する事なく、こくりと頷いた。

「ヒジリさんは……聖さん、お兄さんなの?」

 また、こくりと頷く。

「……どうしてヒジリさんは、地球での事を覚えていないの?」

「……イレギュラー発生時の、契約だから。時が来る前に力を解放した場合、それまでの事を一度リセットする……そうやって、世界のバランスを保つの。これは無視するわけにはいかなかったの」

 フィーの言葉遣いが少々違っている事に、フェイトは気が付いていなかった。

「力のバランス?」

「……大きな力は、大きな欲望を生み出しかねない。欲が満たされれば、混沌が訪れてしまう。だから、バランスが崩れてしまう前にそれを戻す存在が必要になる」

「……まるで神様みたいね」

「……それで間違っていない。あのお方は……神様、だもの」

 そう言ってフィーは、少しだけ嬉しそうな表情を浮かべた。
 だが、フェイトにはそれがどうも納得いかなかった。フェイトにとって聖という存在は「兄」のようなものだ。ちょっとした恋心もあったから、正確には少し違うかもしれないが……それでも絶大な信頼を置いていた事には違いない。
 だからこそ、そんな手の届かない雲の上の人のような話し方をされてもぴんと来ないし……何より、何だか寂しい気がしてならなかった。

「……取り方は、人それぞれ。私の取り方を貴女に強制するつもりはないし、私も強制されない」

「……!?」

 まるで心を読まれたかのようなその言葉に、フェイトは少々面食らってしまった。
 本当に分からない。一体、この少女は……。

「……フィー、あなた、一体……何者なの?」

 そう、今一番の疑問を口にするフェイト。だが、

「……準備、終わった。いくよ」

 まるで見計らったかのようなタイミングで、フィーはそう呟いた。

「………」

「……すぐに、分かるよ。私の事も、そして……あのお方の事も」

「……分かった。今は何も聞かない」

 フェイトはそう呟いた……そう答えるしかなかった、と言うべきだろうか。

「……行くよ」

 そして、フィーがそう呟いた途端。

《Gate open》

 どこからかそんな機械的な声が聞こえてきたかと思うと、突然眩しい閃光に包まれ、思わず目を閉じてしまう。
 そう、あの時と同じように。
 やがて光が徐々に収まり、フェイトはゆっくりと目を開ける。すると、そこには空の色が紫と桃色の中間のような色に染まっており、地面は芝のような草しか見当たらない、そんな場所に佇んでいた。


「……あの時と、同じ場所」

「正確には違う。あの時の座標はKB-7、今回はNP-3。いくつかある門の中でも『創世の神殿』に、最も近いところを開いたから」

「……よく分からないけど、とにかく私は一体何をすればいいの?」

 何しろ詳しい説明のないままここに連れてこられたのだ。最終の目的……「ヒジリ」に「聖」の、そしてフィーの知る、そしてフェイトの知らない「ひじり」の記憶を戻すという事は理解しているが、何をすべきなのか、は未だに教えられていない。

「……ここに来てから詳しく教えようと思っていたけど……そうはいかないみたい」

「えっ……?」

 フィーが唐突に、その声に緊張を走らせたのがフェイトにも分かった。そして、その理由も。

「……ホント、邪魔だな」

「っ!?」

 聞いた事のある声。だが、フェイトの知る人物のそれとは、かけ離れた冷たい声。

「ユー……ノ!?」

 そう、それは紛れもなく、なのはを……フェイトの大切な親友を傷付けた、あの黒衣を身に纏ったユーノであった。

「どうして、ここに……ここは、聖域なのに……破壊神が招き入れた……あり得ない、イレギュラーを排除する事はあっても、それを利用する事は……」

 フェイトの隣で、フィーが小さな声で呟いている。その意味はフェイトには理解出来なかったが、どちらにしろまずい状況である事には変わりないようだ。

「……フェイト・T・ハラオウン。戦えますか?」

「……正直な事、言っていいかな? 無理」

 フェイトは苦笑を浮かべながらそう呟く。当たり前である。何しろ今のフェイトはデバイスを……バルディッシュを所持していないのだから。

「ねえ、フェイト。余計な事しないでよ」

 そんなこちらの状況を理解してかそれとも知らずか、ユーノはフェイト達と距離を取りつつそう呟く。

「……余計な事、ですって?」

「困るんだよ。『彼』に目覚めてもらっちゃ。『神』は三人もいらない。いや、むしろひとりでなくてはいけない。その為に動いているのだろう、シルフィール」

「!? ……どうして!?」

 ユーノが誰かの名前と思わしき単語を口にした瞬間、フィーの表情が驚きのそれへと変わった。

――シルフィール……? もしかして、それがフィーの本当の名前? でも、シルフィールって、どこかで聞いた事があるような……シルフィール……シルフィー……シルフィ、ス……?

「えっ……?」

 そこで、フェイトは自分が今勤めている洋菓子店の名前の一部とその名前が重なる事に気が付いた。やはり、何か関係があるのだろうか。

「……フェイト・T・ハラオウン」

 そう考えていた時に、そっとフィーがフェイトに語りかけてきた。

「……何?」

「この先の神殿に……その先に石碑がある。そこで『キセキのカケラ』を使って。時間は、あまり多くない」

「……時間?」

「奇跡が起こるのは、起こしたい存在がこの世に生まれるという、最大の奇跡が起こった日のみ」

「つまり……誕生日?」

 フィーは頷く。

「え? でも、確かお兄さんの誕生日は……」

 二月二十九日。四年に一回しかない、まさに奇跡の日だ。

「確かに今日は二十八日……後五分で翌日……だけど!」

 今年はうるう年ではない。二月二十八日の翌日は、三月一日だ。

「……忘れたの? 貴女が作ったじゃない」

「え……?」

 苦笑を浮かべて呟くフィーに、フェイトは最初こそ戸惑ってしまったが、

「……っ!?」

 すぐに思い出した。
 そう、確かにフェイトが作った。二月十八日が終わり、三月一日を迎える、その間。
 たったの数十分間……それでも、間違いなく、二月二十九日を名付けた、二十四分間が。

「……走って! そして訂正をしてきて、フェイト!」

 フィーの言葉を合図に。
 フェイトは奇跡を起こす為の、軌跡を走り出した。

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

Comment

初めまして。
ポチと申します。

なのは好きでわりと最初の頃から
楽しんで読まさせていただいています。

しかし今までコメントを残すこともできない
ヘタレでダメよダメダメ人間だったのですが
今回ANGELS STORYSの久しぶりの続編に
興奮と感動とあの日から忘れていたはずの胸のときめきを感じ
迷惑かと存じましたが思わず
コメントを残してしまいました。


これからも素晴らしい作品を期待しています。

また続編があがった際に一握りの勇気が
この僕にあった場合はお目汚しかと思いますが
拙いコメントを残していきたいと思います。


コイツは長々と何を言ってるんだろう
と感じたのであればそれは正解です。

Re: タイトルなし

 >ポチさん
 初コメありがとうございますw こいつは長々とありがたい事を言ってるんだろう、感謝ですww(≧▽≦)

 こんな拙い文章書きのうちですが、少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。ちゃんと完結させようと思いますのでよろしければお付き合いくださいw

No title

初めまして、ちまちまとなのはSSを書いてます。
神楽風香と言います。
検索サイトから、こちらのほうへときまして……
連載中のA&A 18話分 一気読みさせていただきました!!(最高30話一気読みもあったので今回は、割と楽)

続きが読みたいと思わせる話で、更新これからも楽しみにしてます。
まだ、過去作品は読破してないので時間が出来れば、そちらのほうも読ませていただきます。

Re: No title

> 神楽風香さん
 いらっしゃいませ&ありがとうございますw 現在九月の頭に行われますこみっくトレジャーの言行に専念してるのでちょっと更新滞ってますが、ちまちまと書いているのでよろしければまた読んでやってくださいw

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