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ANGELS STORYS ~LYRICAL NANOHA A&A~ 第十九話 キセキ~軌跡~(3) キセキを持った運命VS定められた運命

 夏コミに向けての準備中です、ショウ,ですw

 何しろサークルとしては初参加なので色々緊張していますw ああ、胃が、胃があああぁぁぁwww


 それはともかく、A&Aの十九話です。フィーの正体が半分だけ公開されます(ぇ


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 思えば、それはユーノの心理戦だったのだろう。今はともかく、かつての彼は争いごとがあまり得意な性格ではなかった。それは彼の得意とする魔法が攻撃系ではなく回復や防御、拘束といった補助系の魔法を得意としていた事からも伺える。
 そして、現在管理局の知識の宝庫である無限書庫の司書長の立場にいる事からも、その知識がずば抜けている事も容易に想像が出来るだろう。
 それらを駆使すれば……こちらはほとんど手間をかける事なく、相手の戦意を簡単に削ぐ事が可能なのだ。

「……ねえ、シルフィール。君はどうして彼の記憶を取り戻そうとするんだい?」

「えっ……?」

 唐突に、優しげな声と笑みで語りかけてくるユーノに、フィーは警戒を強めながらも思わずそう口にしてしまった。

「……そんなの、決まってる。時が来たから。私はあのお方を覚醒させる『鍵』だから。予定調和を崩すわけにはいかないから……」

「……違う。それは、君の本音じゃない」

「……知ったような口をきかないで。貴方に何がわかるって言うの?」

 フィーは相変わらずの変化の乏しい表情を浮かべていたが、その声は明らかに怒気を含んでいる。右手を掲げ、魔法弾を形成している……形的に、フェイトのフォトンランサーのようだ……事からも、それを物語っていた。だが、ユーノは臆する事なく、笑みを浮かべて言葉を続ける。

「悔しいんだろ? 羨ましいんだろ? 彼女が……フェイトが」

「……っ!?」

 フィーの身体が、遠目でも分かるくらいに大きく震えた。

「確かにフェイトも、君と同じように過去の彼を……自分の事を知っている彼を求めていた。だけど、今のフェイトは違う。確かに過去の彼の影を求めてはいる。だけど、もしそうならなくても……今の彼の記憶の中に、フェイトは自分と言う存在を刻む事が出来た。たとえ彼の記憶が戻らなくても、フェイトは彼の傍にいる事が出来る。それが……羨ましいんだろ?」

「だ、黙れ……お願い、黙って……」

「だけど、君はそうはいかない。だって、君にとっての彼は『創世神』だった頃の彼だ。それ以外にない。それ以外の彼の記憶には、存在しない。存在する事を許されない。だけど、逆を言えば創世神だった頃の彼は、間違いなく君のものだった。その頃の彼の一番は間違いなく君だった。だから……取り戻したいんだろう? 自分が、彼の一番になりたいから……フェイトに、勝ちたいから」

「違っ……違う! 私は! 私は約束を守っているだけ……」

 明らかに動揺している様子のフィー。そんなフィーに、ユーノは止めの言葉を呟く。
 ……笑みを、邪悪なものへと、変えて。

「……違わないさ。初代創世神の伴侶、そして彼の義理の妹……シルフィール・ラスティ・ムーラルティア」


 走った。走り抜けた。フェイトはずっと、走り続けていた。
 追っ手の気配はない。彼女が……フィーがうまく引き付けてくれているのだろう。結局彼女がどうして彼の……ヒジリの事に詳しいのか、彼女もまた昔の彼の記憶を取り戻そうとしているのか、それは分からなかったが、少なくとも敵ではない……そう、思いたかった。

「でも……どこにあるの!? その神殿って……石碑って!?」

 時間はすでに三月一日……いや、二月二十九日になって三分が過ぎている。残された時間は後二十分弱しかない。
 なのに、かなり走ったはずなのに……たとえ魔法に頼らなくても一般人とは比べ物にならない身体能力を誇るフェイトが全速力で走り続けているのに……神殿の、石碑の影も形も見えない。

「どうしよう……このままじゃ……この、ままじゃ……」

 せっかく、フィーがチャンスをくれたというのに、チャンスがある事を教えてくれたというのに……それを生かせないまま、終わってしまう。

「間に合え……間に合え……間に合え!」

 祈るように、願うようにフェイトは叫びながら終わりの見えないゴールに向かって走り続ける。
 ……だが、そんなフェイトをあざ笑うかのように。
 「奇跡」は、その「軌跡」に「鬼石」を、命題を置く。

「……っ!?」

 突然、フェイトの前に大きな山が振ってきた。
 比喩や冗談ではない。本当に、空から巨大な塊が降ってきたのだ。
 茶色でごつごつとしているそれは一見、それは巨大な岩のようにも見える。だが、すぐにその考えは否定された。
 動いたのだ。巨大な山が、ゆっくりと、しかし重圧的に。
 その瞬間、フェイトの身体に震えが走った。何やら言い知れぬ恐怖……いや、畏怖の感覚が全身を駆け巡る。その感覚を、フェイトはかつて二度感じ取った事があった。

「まさか……神獣!?」

 驚きのあまり声を上げて驚くフェイト。
 答えを言ってしまえば、彼女の予想通り目の前にいる存在は神獣……地の神獣、アークエル。その、暴走状態の姿である巨大な四足獣の姿であった。

「……っ、くそっ!」

 思わずフェイトは悪態を吐く。時間がないのに、デバイスを……バルディッシュを持ってないのに。
 ここに来て、まさか神獣とは。

――どうする? まさか今の状況で相手をするわけにはいかない。でも……。

 神獣は……アークエルは明らかな敵意を、殺意をフェイトに向けている。すんなり見逃してくれそうな雰囲気ではとてもない。かといって、相手をするには……いや、それ以前に今のフェイトにはとても相手になりそうにない。
 膠着でもジリ貧でもない、明らかな……敗北フラグだ。

――ここまで来て……そんな……お兄、さん……!

 なすべき事が見つからず、硬直してしまったフェイトにアークエルは容赦なくその巨大な前足でフェイトを踏み潰そうとするかのように動かす。

「……っ!?」

 反応が遅れるフェイト。いや、もしいつものように瞬時に反応出来たとしても、小さな町ひとつをまるまる飲み込んでしまいそうなそのあまりに巨大な足から逃げ出すのは不可能だろう。
 ……せめて、バルディッシュが手元にあれば話は別だったのだろうが。
 流石のフェイトも、この状況では「死」を意識した。

「……フェイトさん!」

 その、懐かしい声と、疾風が駆け巡るまで。


「……それは、いけない事なんか?」

「えっ……?」

「………」

 戦意を喪失し、その場にうずくまろうとしていたフィーに、そんな女性の言葉が掛けられた。

「貴女、は……」

 黒翼を背に宿したその姿に、フィーは驚きの表情でその姿を見詰め、

「……やあ、はやて。行方不明って聞いてたけど、どこに行ってたんだい?」

 ユーノは笑みを浮かべ、その名を呼んだ。

「誰だって、何に変えても守りたいものはある。それがあるからこそ、強くなれる。私にとっての家族。フィーちゃんにとっての聖さん。そして、ユーノくん……アンタにとっての、なのはちゃんみたいに」

「……軽々しく、なのはの名前を口にしないでくれないかな? フェイトと違って、君は間違いなく……僕達の、敵なんだから、さ」

 はやての言葉に、ユーノは苛立ちを隠そうとせずに呟いた。それを見たはやては、

「……なるほど、やっぱりな」

 と、何かを確信したかのように小さな声で呟いてから、

「でも、独占欲はあまりよくないわな。私もなのはちゃんや聖さんの事、好きやし。でも、その人の一番になろうとするその想いは、私には……ううん、誰にだって、否定する事はできへんよ。だから……今回に限って、協力させてもらうでフィーちゃん」

 フィーにウィンクをしながら告げ、そして……取り出した。
 光り輝く、美しい杖を。

「……光の杖……瑠璃光輝(るりこうき)……なるほど、光の神獣を配下に加えたんだ。おめでとう、これで光・闇・炎・水のよっつの笛が鳴ったわけだね」

「はは、ありがとさん。じゃあ……残りも出してくれんかな? ……持っとるんやろ? 残りふたつの神獣……風と地の神獣を、ユーノくんが」

「……ご名答! おいで、風の神獣・ハーピネス!」

 ユーノがそう呟くと共に、辺り一面が影に包まれる。

「……なるほど、暴走状態の風の神獣は鳥なんやな」

 そう、影の正体は、巨大な……四翼を持った、怪鳥だった。その姿を見て驚いたのはむしろフィーだった。

「暴走状態の神獣を意のままに操っている!? そんな事、あの方達にしか……っ!?」

「ちなみに地の神獣、アークエルにはフェイトの方に向かわせてるよ。今の彼女に、対抗手段はあるかな?」

 そう言って笑うユーノ。そんなユーノの姿を、フィーは呆然と見つめる。

「まさか……私は大きな勘違いを……彼は使役なんかじゃなく……」

 もはや落ち込んでいる状況ではなくなったのは確かだ。フィーは気合を込める様に、そして何かを忘れるかのように自分の手で自分の頬を叩き、立ち上がる。

「……ここは、私に。貴女はあの人を……フェイト・T・ハラオウンを助けに……」

「ん? ああ、必要ないって」

「えっ……?」

「何……?」

 自信満々に答えるはやてに、フィーもユーノも訝しげな表情を浮かべた。だが、次の瞬間、遥か後方の空に、一筋の光が立ち上った。

「あっ……!」

 それを見たフィーは、今までにないくらいの笑みを浮かべ、

「なっ……!?」

 逆にユーノは、その顔に驚愕の表情を浮かべた。

「……さあ、ユーノくん、私とちょっと賭けをせんか? フェイトちゃんが運命に勝つか、否か……もちろん私は……フェイトちゃんの勝ちに賭けるけどな」

 そう言って、はやてもまた満面の笑みを浮かべ瑠璃光輝を構えた。


「……こうやってフェイトさんを助けるの、二回目ですね」

 フェイトを抱きかかえ、笑みを浮かべる、まだあどけなさの残る少年の名をフェイトは驚きに満ちた声で呼んだ。

「エリ、オ……?」

「僕だけじゃないですよ」

「えっ……?」

 エリオのその言葉に、フェイトは周囲を見渡す。そこには他に、二人の影があった。

「キャロ……それに、シグナム!?」

 結界を張り、あの巨大な神獣に臆する事なく対峙しているキャロ。そして、シグナムの姿がそこにはあった。

「どう……して?」

「……はやてさんに言われたんです。フェイトさんを、助けてあげてくれないかって」

「はやてが!?」

 正直、それは予想外の言葉であった。喧嘩別れ同然の状態で、しかも一方的に機動六課から立ち去った自分を、部隊長である、そしてこの事件の深部に関係しているであろうはやてが、である事に。

「……テスタロッサ」

「シグナム……?」

「私達は、今回の件について、そしてこの事件に関わっているであろうそれぞれの想いを、思惑を、私達は知らない。だから、動く理由はたったひとつだ……ゆけ、我が友よ、ここは私達に任せろ! エリオ!」

「はい! フェイトさん、これを!」

 そう言ってエリオはフェイトに手に持っていたものを手渡す。
 彼女のデバイス……バルディッシュを。

「フェイトさん、全部が終わったら、ちゃんと教えて下さいね。じゃないと、私だって怒っちゃいますから」

「エリオ……キャロ……シグ、ナム……」

 零れそうになる涙を、フェイトは必死で耐える。
 まだ、その時には、早いから。

「……エリオ、今何時何分?」

「え? えっと……零時二十分ですけど」

 という事は、二月二十九日が終わるまで、後四分。神殿は、まったく見えていない。
 だが、フェイトには確信があった。
 絶対に……間に合う、と。
 フェイトは例のペンダントを取り出し、空に向かって投げ出す。

「……バルディッシュ、チャリオットモード!」

 そして、直進に限ってだが、己の最高速を出せるモード、チャリオットモードを機動させた。

――方向転換なんて、必要ない。ただ、まっすぐに……進めばいいんだから!

 彼女は……フィーは、この先にあると、言ったのだから。
 宙に舞ったペンダントが、ゆっくりとまた地上に落ちてくる。そして、それが突撃槍となったバルディッシュの先端に触れると同時に、

「はあああああぁぁぁぁぁっっっっっ!」

 真っ直ぐに、迷う事なく、神獣すらも文字通り突き進んでいった。
 その先端に、「輝石」を……「キセキ」を、携えて。

Comment

更新の早さに驚きつつもお久しぶりです。

どうもポチです。

個人的にフィーちゃんは
健気でとてもとても好きです。
『あの娘には最後には幸せになってもらいたい』
そう思いながら眠りにつく日が
どれぐらいあったかは秘密です。


エリオ、キャロ、シグナムが助けにきた時は
『こういう熱い展開俺めっちゃ好きやねん!』
と何故か関西弁で思いました。
茨城県出身なのに。

あとはユーノくんがどうしちゃったのか
気になりますねぇ。



今回もお目汚しな内容のコメントを
長々と書いて申し訳ございません。
次回作も楽しみに待ってます!

Re: タイトルなし

 >ポチさん
 いつもありがとうございますw そして次回も早くあげられるよう頑張りますww

 フィーは少々特殊な位置にいる人物ですので、彼女とフェイトがセットで「フェイト編」だと言えると思います。
 人物的にもここの登場はシグナムさん達しか考えられませんでしたww

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