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ANGELS STORYS ~LYRICAL NANOHA A&A~ 第二十話 キセキ~奇跡~(1) 甘い、涙

 ご無沙汰しております、ショウですw
 こみトレの情報とA&A二十話を引っさげてやってきましたw

01表紙

 という事でこちらがこみトレの新刊になります。

 ……はい、今回初のなのは以外のジャンル(ロゼブルのステラ☆シアター)、しかも成人向誌となりましたw イラストを描いて下さったクサナギさんがとてもいい仕事をしてくれてますのでよろしければお手に取ってくださいww


 ……ああ、ちなみに。
 内容は馬 鹿 ッ プ ル のお話となってますので体勢のない方はおすすめしませ(ry

 A&A二十話。ようやくA→Sの伏線回収と予告の台詞を使えましたww

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 突き進んだ、ただ、突き進んだ。
 時間も、状況も、決して芳しいとは言えない。だけど、フェイトはただ真っ直ぐに駆け抜けた。
 そして……。


「……ねえ、お姉ちゃん、どうしたの? お腹でも痛いの?」

「……ん?」

 ふと掛けられた幼い男の子の声に、フェイトはその瞳を開ける。

「……え? ここ、は?」

 そしてその瞳に写った光景に、フェイトは驚きを隠せずに入られなかった。
 そこは……その、場所は。
 声を掛けて来る、この少年は。
 その全てを、フェイトは知っている。
 いや、違う。
 経験、している。もう、忘れてしないかけていた……遠き日の、出来事だった。

「お姉ちゃん?」

 少年は心配そうに再びフェイトに声を掛けてくる。そんな少年に心配をかけまいとフェイトは困惑する頭を何とか回転させた。

「……大丈夫、どこも痛くないよ」

――痛いのは……心、かな? お姉ちゃんね、大切な人が……いなくなっちゃったんだ。だから……心が、すごく痛いの……そして、初めて気が付いたんだ。ああ、私はこんなにもその人の事が……大好きだったんだなあ、って。

「……っ!?」

 まるでフラッシュバックのように、以前の記憶がフェイトの頭を駆け巡る。

――落ち着け、私。何が起こったのか、考えるんだ……。

 そう、自分は確か。
 大切な人の記憶を取り戻す為、あの地に来た。
 そこで、ユーノに襲われた。
 エリオやキャロ、そしてシグナムが助けに来てくれた。
 そして……バルディッシュを手に、駆け抜けて……。

「ここは……軌跡の、世界?」

 彼女は……フィーは言っていた。今の時の流れは、本筋からずれつつあるイレギュラーの発生した世界だ、と。
 だから、そのイレギュラーを修正する事でその本筋に戻す事が出来る。それが出来るのは、そのイレギュラーにもっとも深く携わった……フェイトだけなのだと。
 その鍵が、フェイトの持つあのペンダントなのだ、と。

――そして、その修正を可能にするのは、修正したい存在がこの世に生まれるという、最大の奇跡が起こった日のみ。

 ……記憶には、ないが。
 もし、あの時、間に合っていたのだとしたら。
 「奇跡」を起こす事に、成功していたのだとしたら。
 ここは、フェイトがいるこの世界は。
 イレギュラーが発生した、その日、その時、その瞬間の。
 フェイトが歩んできた、「軌跡」の世界。

「……っ!? 待って、もし……もし、そうなのだとしたら……!」

 ここに、修正の機会があるのだとしたら。
 ここに、聖との思い出があるのだとしたら。
 そこに、イレギュラーが発生してしまった原因があったのだと、したら。

――ある日ね、パティシエだった母さんの手伝いでプリンを作ったんだ。近くの幼稚園に配る、一口サイズをたくさん。で、余ったやつをお駄賃代わりに貰って、天気が良かったから外で食べようと思って近くの公園に向かって……そしたらそこに一人のお姉さんが居たんだ。

――そのお姉さんね、何か悲しい事でもあったのかすごく落ち込んでいて。それで持っていたプリンをひとつあげたんだ。そしたら笑いながら『おいしい』って言ってくれて。何度も『ありがとう』って言ってくれて。その時にね、お菓子ってすごいなあって。何も出来ない僕でも、こんな風に誰かを笑顔にする事が出来るんだって。

 フェイトは思い出す。同じような状況の、ただ聞いただけの、思い出話を。
 あの時は嘆いた。同じような状況に自分を投じた、運命を。
 決して、彼が経験したような事をする事が出来なかった、「イレギュラー」を。

「……ねえ、君」

「うん……?」

 少年は微笑む。
 あり得ない。あるはずがない。
 あり得たとするなら、時の流れが狂っているではないか。
 ……だけど。
 あり得ない話でもない。
 彼は……聖という、存在は。

「……名前を、聞かせてくれないか、な?」

 フェイトの問いに、少年はちょっとの間だけきょとんとし、しかしすぐに答えた。

「ひじり。くらせひじりだよ」

 フェイトは気が遠くなりかけた。

――……ああ、どうして。

――私はあの時、この人の名を、聞かなかったんだろう。

 回りに回り、終いには大きく道を反れてしまった、軌跡が。
 ようやく、本来の軌跡に戻った瞬間だった。


「ねえ、お姉ちゃんにこれあげるね」

 そう言って少年が差し出すものを、フェイトは知っている。
 あの時は、断った。もらう事が、どうしても出来なかった。
 あんなに、食べてみたいと願っていたものなのに。

「……あり、がとう」

 フェイトは少年に差し出されたそれを、受け取る。
 小さな、本当に小さな。
 一口サイズの、プリンを。
 フェイトはそっと、それを口に運ぶ。
 甘かった、とても、甘くて、美味しかった。
 流れた涙の味が、甘くなるくらいに。

「うん、すごく……おいしいよ」

 フェイトがそう告げると、少年は笑った。

「……私、ようやく分かった気がする。どうして、フィーの言葉に乗ったのか。私は、今のままでも、不満はなかったのに。ヒジリさんの傍に、いたのに。だけど……どこか物足りなかった。何かなって、ずっと思ってた……今、ようやく、分かったよ」

 そう呟き、フェイトは少年を抱き寄せる。

「お姉ちゃん?」

「……約束、守ってよ。デートに連れて行ってくれるんだよね? 最高のプリン、食べさせてくれるんだよね? その約束、守ってよ……」

 小さな子供のように、フェイトは我侭を口にする。
 彼だけだった、フェイトが、我侭を言えたのは。
 それは、怖かったからだ。
 ようやく見つけた、友達に、家族に……嫌われる事が。
 今思えば、そんな事はあり得ないとキッパリ言える、本当に小さな杞憂。だけど、トウジのフェイトは……「絆」をようやく結び始める事が出来た当時のフェイトには、分からなかった。
 唯一、我侭を言っても彼はフェイトを嫌いにはならないという事だけしか、分からなかった。
 何故かは分からない。言うなれば、直感だった。
 だけど、だから、フェイトは彼にだけは甘える事が出来た。
 彼を、敬愛を込めて、呼んでいた。

「……もう一度、呼んでよ、『フェイトちゃん』って……もう一度……呼ばせてよ……」

――聖「お兄さん」、って。


 分かってしまえば、単純な答えだった。
 イレギュラーを起こしたのは、他でもない。
 ……フェイトだったのだ。
 聖のいない世界を、認めなかったのは。
 だから、近い将来遠い場所に行く聖を引き止めたいという願いが、「名もなき事件」という、本筋から外れた『零れ落ちた物語(スピルアウト・エピソード)』を発生させた。
 それがバッドエンドで終わってしまったから、そこから関わる存在……フィーといった人達を巻き込んで、今回の……おかしいとは思うが、続編というべき茶番劇が起こる事を望んだのは。
 それは、誰よりも……フェイトが、望んだ世界。
 彼女が甘えられる存在が、近くにいる世界……倉瀬 聖が、傍にいる世界。
 何というはた迷惑な話だろう。自分で自分を引っぱたきたくなった。
 だけど、それでも、彼は、きっと……。

「……ごめん、泣かせてしまって」

 そっと、フェイトの頭を撫でる手があった。

「……だから、約束するよ」

 優しい声が、フェイトの耳に入った。

「……もう二度と」

 優しい微笑みが、フェイトの瞳に写りこんだ。

――君を、泣かせたりしないって。フェイトちゃん。


「フリード、ブラストレイ!」

「紫電……一閃!」

 シグナム達とアークエルとの戦いは、「圧倒的不利」と言わざるをえなかった。
 神獣……とりわけ「地」の神獣であるアークエルの防御力は並大抵のものではない。フリードのブラストレイも、近接戦……スピードと攻撃力に特化しているはずのエリオとシグナムの攻撃も、まったくといっていいほどダメージが見られなかった。

「くっ……これほどとは……」

 思わず舌打ちを漏らすシグナム。だが彼女の言うとおり、このままではジリ貧である。

「何か……高町なのはのスターライト級の攻撃力を持つ一撃くらいはなければ、到底ダメージが通りそうにない」

「む、無茶苦茶ですよ!」

「ヴォルテールでもそれくらいの攻撃、そう頻繁には出せないですよ?」

 何より回復と補助を一手に引き受けているキャロの疲労は激しい。ヴォルテールを呼び出す体力が残っているか分からない状態で、そんな危険をおかさせるのはシグナムも望んではいない。

「くそっ、何か方法は……」

――崩魔、聖心……イノセント・クルセイド!

 シグナムが再び舌打ちを漏らした、その瞬間だった。
 なのはのスターライト級……いや、それ以上の威力を秘めた一撃が、アークエルに降り注いだのは。

「えっ!?」

「な、何ですかっ!?」

 そのあまりの威力に、エリオとキャロは驚きを隠せずにいた。シグナムも冷静を装ってはいるが、何が起こったのかはさっぱりだった。

「あの声……まさか!?」

 慌てて今の一撃が降り注いできた方向を見つめるシグナム。
 そこにいたのは。

「バルディシュ・ジェネシス……ジェネシスマテリアル、オーバードライブ!」

《Yes, sir. Genesis material Over drive》

 双剣と、蒼い双翼を携えた。

「テスタ、ロッサ……?」

 フェイト・T・ハラオウン。彼女だった。

――……さあ、終わらせよう。私が起こしてしまった、茶番劇を。

――……ねえ、聖お兄さん……。


「あ、ああっ……!」

 歓喜の声を上げるのは、フィーだった。

「ぐっ……くそっ!」

 苦々しげに睨んでくるのは、ユーノだった。

「……ふふっ、ようやったで、フェイトちゃん」

 嬉しそうに微笑むのは、はやてだった。

「……フィー、君にも約束をしないといけないね」

 そっと、聖はフェーへと語りかける。

「えっ……?」

「ごめんね、寂しかったよね……こんなところに、ひとりぼっちで放っておいて」

「っ……!?」

 フィーの瞳から、涙が零れた。
 それを見た聖は思わず苦笑を漏らす。

――今日だけで二人も、女の子を泣かせてしまったな。

 と。

「シルフィール・ラスタ。君との盟約を今ここに破棄する。そして、新たな盟約を子尾に臨む……また、君の家族を、名乗る事を、許してくれないか?」

「……私も、私も呼んでいいの? 貴方様の事を……って……」

 聖は言葉にはしない。ただ、フィーに微笑みかける。
 それが、答えだった。

「フィー、終わらせよう。僕らの因縁を!」

「……うん、お兄ちゃん!」

――エターナル・ジェネシス・シルフィール……セット・アップッ!

「……ヒューマノイド・デバイス。かつてアルハザードでたったひとつだけ開発された、生身の人間をベースとして作られた、非人道を象徴する、最強にして最狂のデバイス……」

《……勘違いしないで。私は望んでこの姿になった。お兄ちゃんの、力になる為に!》

 そう答えるのは、聖の手の中にある白を基調とした杖。人としての意思を持った、ユニゾン・デバイスの原型とも言える、個体としてのデバイス。
 その名は、エターナル・ジェネシス・シルフィール。創世の神の愛機として神話に残る、「二大神器」のひとつの名であった。

「……さて、と……そろそろ君も元に戻るべきだ、ユーノくん」

 そう言って、背に三対六枚の翼を広げた聖は、微笑みながら。
 エターナル・ジェネシスを構えた。

テーマ : 自作小説(二次創作) - ジャンル : 小説・文学

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